一般国道2号 福山道路

福山道路への主な質問及び回答

平成18年4月13日に頂いた御質問とその回答2

【問】
1 事案説明会の進め方について
①2001年山北倶楽部で行われた最初の山北地区事業説明会で「事業の進め方」の図が示され、「事業説明会が終わってから地形測量をする」と説明していた。この説明会に参加した山北地区の人は、誰でも「事業説明会が終わってから次に進む」と理解していた。このことを当局が確認することが住民への信頼を取り返すことになると考えるが、再度見解を示すこと。
【回答】
 事業説明会等で配付している「事業の進め方」は,あくまで一般的な手順をお示ししたものであり,地区の状況や事業の効率性等から,順序の前後や作業の併行等が生じますが,事業の各段階に応じて事業説明・設計協議・用地説明・工事説明など,関係者の皆様と協議・調整する場を設定し,地域・地区の理解と協力を得ながら進めているところです。
【問】
② 2003年1月24日の山北地区事業説明会の終わりの挨拶で突然広島県吉原所長が「事業説明会と測量を平行しておこなう」を宣言し、一方的に山北地区の地権者に対する測量実施の意向調査を強行した。当局は山北地区の地権者を訪問した結果、測量了解していない地権者が133名と了解者125名よりも多かったのにもかかわらず地形測量を強行した。このような住民の信頼を裏切る当局の事業の進め方に対して地権者たちは納得していない。
さらに、今年2月28日に住民への説明責任を放棄する「事業説明会の打ち切り」を一方的に強行して怒りをかっている。今後、山北地区住居への理解を得るためにどのような対応策があるのかを示すこと。
【回答】
 瀬戸学区山北地区におきましては,事業説明会の状況やアンケート調査結果等を勘案し,事前に地権者個々へ現地調査における所有地立ち入りへの意向を確認した結果,全体の地形把握が可能な範囲の了解が得られたことから,地形測量等の現地調査を了解の範囲で実施したものです。
 瀬戸学区事業説明会については,2001年(平成13年)8月から先般の説明会まで延べ12回にわたって開催したところですが,この間,関係者の方々のご理解とご協力により,事業は一定の進捗が見られているところです。
 また,事業説明会においては,事業概要を理解された上と判断される専門的範疇の質問が目立つようになっており,事業概要に対する理解は深まっているものと考えております。
 さらに,説明会において質問の多かった環境保全に関しても,最新のデータ等を踏まえて環境影響の照査を行った結果,照査した全ての項目で環境保全目標を満足する予測となり,その結果については,先般の事業説明会において説明したところです。
 こうした状況を受けて,福山河川国道事務所,広島県福山地域事務所及び福山市は,事業概要をご説明するために開催してきた事業説明会は,一定の役割を果たしたものと判断し,先般の開催をもって終了したものです。
 しかしながら,事業説明会の終了をもって全ての関係者にご理解を得たと判断したものではなく,個々のご質問等へは説明手法を個別対応に変更し,より迅速かつ丁寧な対応を図るとともに,その質問・回答について公表できるものについては,福山河川国道事務所HPにおいて,広く周知していくこととしています。
【問】
③ 事業説明会も継続中なのに福山西環状線の計画路線にある地域で用地買収が終えたところがある。一人でも土地を買ってほしいという人がおれば土地を買収するのか、数軒が用地を買ってほしいという地域があれば道路建設の目途が立っていなくても用地買収に応じるのか。道路建設の目途が立っていない段階での一部分の用地買収は道路建設の既成事実の押し付けになるので中止してほしい。今後福山道路等の地権者・地域住居への理解が得られる具体的な対応を示せ。
【回答】
 福山西環状線については,計画延長が8.9kmと長いことから,町内会など生活圏等を一にする区域を基本とした11地区において,関係役員等との協議や関係者の了解を得る中で,事業説明会や測量,設計協議などを進め,総意として合意が得られた地区で,用地事務に着手しているものです。
【問】
④ 熊野地区の地権者に対しても「不在置手紙」を留守宅におき「3月3日までに連絡をせよ。連絡がない場合は県道熊野線の詳細設計を理解したものと判断する」と一方的に決め付けて地権者の財産を踏み躙ろうとしています。このような高圧的なやり方では住民への理解はでいません。今後どのような対応をされるのかの見解を示すこと。
【回答】
 熊野学区の鳴地区においては,2003年(平成15年)から設計協議を実施しているところですが,町内会による意見集約が困難とのご意見をいただいたことから,事業者による戸別訪問を実施して,詳細設計内容をご説明する中で,関係者の意見集約を図っているところです。
 不在置手紙は,不在者と再訪問の日程調整を図ることを主な目的としており,連絡方法の一つとして実施したものですが,既に詳細設計の内容をご理解いただいている方や,ご質問がない方などの場合には,再訪問は不要であることから,ご指摘の文章を記載したもので,文中にある「ご理解」とは,詳細設計の内容を理解されたことを意味するもので,連絡がないことをもって事業に賛同が得られたと解釈するものではありません。
 なお,置手紙の配布後の対応としては,一定期間に連絡がない方に電話連絡や再訪問を実施しているところです。
【問】
⑤ 最近の国土交通省は道路政策の転換をはじめている。1999年に「公共事業の説明責任(アカウンタビリティ)の向上行動指針」を示して住民へ十分な説明責任を果たすことをもとめています。2002年に市民参画型道路計画プロセスのガイドラインについての通達でも市民との合意形成に努めることが示されている。福山道路や福山沼隈道路等に道路建設の進め方は国土交通省の示す方針と逆の方向にある。最近の国土交通省の道路建設政策の変化を福山道路等の道路建設にどのように反映しているのか具休的な例を示すこと。
【回答】
 「市民参画型道路計画プロセスのガイドライン」は,構想・計画段階の事業を対象としたものであり,既に事業着手している福山道路等は該当しませんが,その趣旨を踏まえ,瀬戸学区における事業説明会においては,より開かれた説明会とするため,開催方法の見直しを行い開催してきたところです。
 また,事業説明会は一定の役割を果たしたと判断したことから,先般の開催をもって終了としましたが,説明手法を質問内容に応じてより適切な対応が可能な個別対応に変更したものであり,国土交通省が示す方針と整合しているものと考えています。
 なお,市民参画型道路計画プロセスのガイドラインは,2005年(平成17年)9月に「構想段階における」という文章が表題に追記され,本ガイドラインが構想段階の事業を対象にしたものであることが明確にされています。
【問】
⑥ 当局は「瀬戸学区幹線道路対策協議会を窓口にしている」としているが、窓口の機能を果たしていると考えているのか。特に山北地区の地権者の意向をまとめることができると考えるのか、その実態(会議の種類・内容・開催回数など)を調べて回答すること。
【回答】
 瀬戸学区におきましては,幹線道路網整備について学区全体で対応することを目的に,各町内会から選出された委員や,土木常設員などの関係役員で構成された対策協議会が設立されたことから,現在はこの協議会に窓口をお願いしており,事業説明会や設計協議の事前協議等で,地元の窓口として対応いただいているところです。
 なお,対策協議会の実態については,回答すべき立場にありませんが,行政が設計協議や事業説明会に関する協議のため会合に出席した回数は,現在までに延べ9回です。
【問】
2 山北地区の地権者・住民の思い
① 当局によって福山道路・福山西環状線は一般住民が知らないうちに突然瀬戸町山北地区の人家密集地を通る計画が示された。そこで生活している住民にとっては「寝耳に水」の驚きであった。地域住民の先祖が営々と築いてきた家が取り壊されることへの悲痛な思い、そればかりか長年培ってきた隣近所との人間関係がずたずたに破壊され、挨拶さえ交わされない状態になりつつある。
なぜ住み慣れたまちや住宅地を分断させる道路建設をするのでしょうか。私は道路建設を白紙に戻し、再度地域住民の声を聴取する必要があると考えるが当局の見解を示せ。
【回答】
 福山道路は,都市計画決定の段階において,関係学区への説明会や計画縦覧などにおいて,市民全体への周知が図られているほか,説明会における質疑や意見書等による市民意見を反映する中で,福山市都市圏の安定的な発展に必要と判断され,都市計画審議会への諮問,国土交通大臣の同意など,都市計画法に規定される手続を経て都市計画決定されたものであり,現在,早期整備を推進しているところです。
 また,関係地域の合意形成については,事業の進捗に合わせて,事業説明・設計協議・用地説明・工事説明などを行う中で図ることとしており,地形測量・幅杭設置・用地調査などの各作業においては,関係地権者のご了解を得て実施しているところです。
【問】

② 2006年3月20日の国土交通省中国整備局の回答で「都市計画決定の手続きを経ている」のだから福山道路等の建設するのだという説明だけでは納得できません。道路建設のために移転を迫られている住民へ都市計画決定の経過を丁寧に説明すること。

【回答】
 福山道路の都市計画決定の経過は別紙1のとおりです。
【問】
③ コースの決定の疑惑、ある有力代議士の所有地を通るようになった経過や、周りに人が住んでいない山・畑があるのに」わざわざ住宅地を通るコースになった理由、コースが複数あることを隠していたことなど不明朗なことを明らかにすること。
④ 都市計画決定が公表される前に一部の不動産屋がコースを知って土地の買収する動きがあったことなどのうわさがあるがその疑念を明らかにすること。
【回答】
 山北地区は,今回の幹線道路網のルート選定において,福山道路と国道2号・福山西環状線,及び福山西環状線と国道2号が接続する重要な結節点であることから,各関係道路が円滑に連結してそれぞれの道路が十分に機能し,安全かつ効率的に交通が処理できる適地として,現在のICやJCTの位置が決定され,このIC等の位置を主なコントロールポイントとして山北地区のルートが選定されています。
 なお,噂または中傷に関する事項は,関知しておらず回答すべき立場にありません。
【問】
⑤ 瀬戸町■■■■■■■■■■の共有地および薬師堂は以前から山北上町内会の管理下にあるが、勝手に測量をした。今後は無断に立ち入らないで町内会の許可を得ることが必要だが当局の見解を示せ。
【回答】
 福山市瀬戸町■■■■■■■■■■の土地と思われますが,この土地については登記簿では所有者の欄に町名字名のみが登記されている土地であることから,集落や村などが所有していた土地と考えられます。
 現段階では,所有者が確定していませんが,一般的にこのような土地の場合はその村や集落が帰属している市町村の財産としての色彩が強いと判断されることから,福山市の所有地とみなし,現地調査を実施したものです。
【問】
⑥ 測量を了解していない地権者の詳細設計は公表できないと考えるが、今度どうするのか見解を示せ。
【回答】
 詳細設計の基となる地形図については,2004年(平成16年)12月から,公共用地及び立ち入り了解を頂いた土地において地形測量等の現地調査を行うとともに,立ち入り了解を頂けなった土地に関しては,空中写真を基にした地形図等で補完し,全体を完成させています。
 道路の詳細設計につきましては,完成した地形図をベースに道路構造令等に基づき行っており,今後,山北地区の設計協議に用いることとしています。
 なお,地形図には,立ち入り了解を頂けなかった土地も含まれていますが,上記作業により道路詳細設計を行うことは,法律その他に抵触するものではなく,都市計画決定に基づき,国・県・市が連携し一体となって事業を進めていく必要があることから,問題ないと考えています
【問】
3、大気汚染対策について
①1年7ヶ月ぶりの事業説明会で突然「平成22年を基調とした環境影響評価書の評価書」から「平成42年予想交通量」を利用して簡易的な「環境影響の照査の結果」を公表し、質問時間を十分にとらないで事業説明会を打ち切ったことは瀬戸学区の地域住民を欺くやり方であり、説明責任を果たしたとはいえません。瀬戸学区事業説明会の再開・継続を改めて要求します。
【回答】
問1②の2段落目に対する回答のとおりです。
【問】
②「環境影響の照査」を公表することは法的拘束のある環境影響評価書を軽視するものである。環境影響評価書に基づいて大気汚染対策等をすすめること。
【回答】
 福山道路の「環境影響評価書」は,策定時点の最新予測値である平成22年将来交通推計をベースに,一般大気測定局の気象データや大気質・騒音の予測手法を用いて,法手続きに従って予測評価を行ったものです。
 一方,「環境影響の照査」は,「環境影響評価書」における「事後調査」の一部として,現段階の最新である平成42年将来交通推計をベースに,2002~2003年(平成14~15年)に行った現地での四季大気質観測データや,更新された騒音予測手法を用いて予測したもので,予測時点の違いから予測条件は異なっていますが,両方とも全国的に確立された手法に基づいて予測した結果であり,どちらも行政が責任を持って提示したものです。
 また,実際に実施する環境保全対策は,供用開始の状況に合わせて再検討することとなりますが,現段階の最新データ等を用いている「環境影響の照査」に基づき検討していく考えです。
 なお,環境影響評価や照査はあくまで予測であることから,供用後には現地調査を行い,予測し得ない要因によって環境保全目標を超過する場合には,関係機関と連携のもと必要な対策を講じていきます。
【問】
③ 浮遊粒子状物質の平成22年と平成44年の比較について
(年平均値) 自動車交通 パックグランド 合計濃度 日平均値の2%
赤坂ICH22年 0.0018 0.045 0.8468 0.118
H42年 0.0018 0.027 0.0288 0.069
瀬戸ICH22年 0.0014 0.045 0.0464 0.117
H42年 0.0025 0.027 0.0295 0.07
 H22年のバックグランドの数値はH8年松永測候所の数値であり、H42年の数値はH14年からH15年にかけて瀬戸町山北での春、夏、秋、冬の各1週間を調べたものである。
 H17年の備後地域公害防止計画のH17年を見る浮遊粒子状物質の大気の測量のグラフを見ると松永測候所でのH8年数値は約0.097(日平均値2%除外値)ですがH15年の年松永測候所は数値が約0.07と大きく下がった年であり、この年をこの数値にとることには疑問である。当局の見解を示すこと。
【回答】
 ご質問にある「この年をこの数値にとること」の主旨が不明ですが,浮遊粒子状物質のバックグラウンド濃度に関するご質問と理解し,ご回答します。
 浮遊粒子状物質の予測は,地域のバックグラウンド濃度に自動車からの発生濃度を加算し年平均値を求め,環境基準における評価値とするため,換算式を用い日平均値の年間2%除外値を求めます。
 バックグラウンド濃度として,大気測定局の測定結果を用いる場合は年平均値を用いますが,その測定局における日平均値の年間2%除外値は,バックグラウンド濃度等の予測計算には用いません。
【問】
④ 瀬戸町内の地形は平野部が少なく、山北地区や地頭分地区は低地の谷間になっており、そこに人家が集中している。福山道路・福山西環状線はその谷間を通るようになっている。福山道路や福山西環状線等が通ると自動車の排気ガスによる人間への健康被害が懸念されている。
1)福山道路の環境測量はプルーム式の調査である。プルーム式の調査では複雑な盆地等の詳細さ環境測量はできない。盆地や谷間での詳細な環境測量が可能な三次元流体モデルで調査をすること。(横浜市では東京環境研究所が実施している)
2)ヨーロッパでは最高の科学技術を駆使して環境問題に対応しているのだから日本でも人命尊重の立場で新しい技術を使って実施すること。
【回答】
 大気質の予測式として用いられているプルーム式及びパフ式は,地域特性等を考慮した係数を適切に設定することにより,地形条件を考慮した予測ができる一般的な手法とされています。このため,福山道路の環境影響評価においても,大気質の予測にはプルーム式及びパフ式を採用しており,ご質問にある「3次元流体モデル」を採用する考えはありません。
【問】
⑤ 瀬戸町、赤坂町、津之郷町で年に何回逆転層が発生しているのか、風向、風量を調べてほしいということに対して、当局の回答は「環境影響予測は逆転層を考慮した予測式を用いている」との回答であった。まず、この地域に逆転層が発生している実態を調べることとまた、「考慮された予測式」を説明すること。
【回答】
 大気質の予測式として用いられているプルーム式及びパフ式は,地域特性等を考慮した係数を適切に設定することにより,地形条件を考慮した予測ができる一般的な手法であり,パフ式において拡散幅に関する係数γについて,実験等から導かれた昼間0.18,夜間0.09を設定することにより,逆転層の影響が考慮されています。
 環境影響評価や環境影響の照査では,これらの式を採用しており,適切な環境影響評価等が実施されていることから,逆転層の実態調査は考えておりません。
【問】
⑥ 環境問題ではSPMやNO2、騒音の環境基準が高く設定されている。これをクリアー(満足している)できればいいということはおかしい。喘息に関してはディーゼル排ガスPM2.5の微粒子が影響している。PM2.5の測量をすること。
【回答】
 環境基準は「人の健康を保護し,生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準」として定められており,「備後地域公害防止計画」(平成17年3月広島県・岡山県)においては,大気汚染,道路交通騒音に係る対策は,それぞれ環境基準を達成することを目標としています。
 PM2.5については,試料の採取方法については確立されていますが,評価手法は確立されていないため,現地でPM2.5の測定だけ行うことは考えておりません。
【問】
⑦ 公開質問状の回答の中で「福山市の小・中学校の喘息の罹患率の微増傾向」が示されたが、このことについて福山市長か教育長の見解を示すこと。
【回答】
「福山市の小・中学校における喘息被患率については,近年の経年変化は全国平均や広島県平均より低位で推移している状況にあり,今後の推移を見守って参ります。」との福山市教育委員会の見解を,2005年(平成17年)6月28日に示させていただいております。
【問】

⑧ 大気汚染の軽減のための対策として「植栽や路面清掃等の適切な実施、道路構造面の対策、脱硝装置や集じん装置の採用、沿道大気負荷の低減に資する新技術の採用の検討などを適切に実施する」とあるがそれらの対策がどれだけ効果があるのか数値を示すこと。

【回答】
 道路対策の集じん装置等は研究段階であり,その効果については不確定であること,また,大気は常に流動しているため地域間でも常に流出入しているものと考えられる他,特に,浮遊粒子状物質については風向・風速・黄砂など自然界からの影響を大きく受けることから発生源が特定できないなどの理由により,現時点ではどの施策で福山市の数値をどの程度改善するという具体的な効果を予測することは困難であるため,現段階では数値等を示すことは困難です。
【問】
4、交通量・予想交通量、道路改良に関する質問
① 山陽自動車道の交通量の変化を調べて道路公団当初の交通予想量との差異を知らせること。特に平成14年以降の山陽自動車道の交通量の状況を知らせること。
【回答】
 現段階で確認できる山陽自動車道の計画交通量は,約3万6千台/日(福山市~尾道市,平成12年時点)です。
 また,山陽自動車道(福山東IC~福山西IC)の交通量の推移は次のとおりです。


(出典 道路統計年報)

【問】
② 広島市は交通渋滞の解消策として試験的に通勤時間帯だけでも利用しやすい措置がとられていると聞くが福山市としては当面渋滞解消策を示せ。
【回答】
 交通渋滞の対策手法には交通容量を拡大するハード施策と,交通需要を調整するソフト施策があり,福山市の渋滞対策もハード施策とソフト施策を組み合わせ,総合的に実施することで効果が上がると考えています。
 当面の渋滞緩和策としては,信号調整,交差点改良,既存道路拡幅などのハード施策を計画・実施しているほか,ソフト施策においても,地域への定着性が高く,かつ効果的な施策を模索しているところであり,どの施策がより多くの市民や企業に理解と参画を得られるかを把握するために,交通社会実験を実施しているところです。
 具体的なソフト施策案としては,ノーマイカーデー,パーク&ライドや時差出勤の推奨などがありますが,2003年(平成15年)度からは渋滞緩和と環境負荷の低減を目的とした「ノーマイカーデー」に取り組んでおり,2005年(平成17年)度からは,月に1回以上好きな日に自由な方法で年間を通じて,ノーマイカーを実践していく新たな取組みを展開中です。
 なお,これらの取り組みは,一時的あるいは部分的な渋滞緩和には効果があると考えておりますが,将来にわたって都市圏全体の交通渋滞を解消・緩和するためには,放射環状型の幹線道路網を構築する必要があり,現在,福山道路等の幹線道路網の早期整備を推進しているところです。
【問】
③ 福山道路等を建設するよりも山陽自動車道を利用し易くすることや国道2号線や各路線の道路の拡幅や立体交差など道路改良を優先すべきではないのか。見解を示せ。
【回答】
 福山都市圏の交通渋滞の大きな要因は,交通量が既存の幹線道路の処理能力を上回っていることや,幹線道路間の結節が弱く十分に機能していない点にあります。
 このため,都市圏の交通処理として大きな課題である南北交通の機能強化や東西交通の機能補完を図るとともに,最も効率的な処理が可能とされる放射環状型の幹線道路網を形成する必要があります。
 なお,既存の幹線道路拡幅は,沿線に大規模建築物が立地しており,多額の補償費や移築に長期間を要すこと,日交通量が多く工事期間中の交通処理が困難なことなど,バイパス道路の整備に比して非効率的かつ非経済的であると考えております。
【問】
5、当局は福山道路・福山西環状線等の道路建設の理由として「平成27年ごろに人口のピークになる」を主張していましたが昨年から予想を超えて人口の減少が始まった。道路建設の根拠が崩れたのだから道路建設を凍結すべきである。
① 自動車運転免許保有者数の予想%だけでなくその実数を示せ。
【回答】
 自動車の交通需要予測では,自動車運転免許保有者の実数は用いられておりません。
【問】
② 今後人口が急激に減少すると予想されているのにもかかわらず、新たな道路が必要な理由を示せ。
③ 15歳から64歳の働き盛りの人口(生産年齢人口)動向は減少傾向にあり、全人口の割合では2006年(H18年)の生産年齢人口が65.7%であるが、10年後の2016年(H28年)には60.8%に減少するといわれているが、それでも交通量が増加するという根拠を示せ。
【回答】
 人口が減少する中で交通量が増加すると予測している主な要因は,免許保有と自動車保有が一層増進するためとされています。
【問】
④ 高齢者は通勤時を避けて運転したり、ペーパードライバになったりするので免許保有率は車の渋滞にあまり関係がないと考えるが、データーで交通渋滞をする根拠を示せ。
【回答】
   福山市内における渋滞の主要因は,交通需要の増大に道路整備が追いつかない中,南北連絡路を受ける東西軸が国道2号のみであることや,既存の幹線道路が放射型であることから自動車交通が中心部に集中しやすいためと考えられます。福山河川国道事務所HPにおいて,渋滞を引き起こす要因についてデータとともに掲載していますので参照下さい。
  (渋滞を引き起こす要因 (福山道路パンフレットに掲載))
   福山道路パンフレット
 なお,ご質問の中で高齢者の運転について示されていますが,交通需要推計にあたっては,81才以上の高齢者は免許を持たないものとして,免許保有率が推計されています。
【問】
6、まちづくりの問題について
① 最近、民間のバス路線の廃止がいわれている。高齢者にとっては買い物や通院などのために交通手段としてバスは必要である。まず先に公共交通の確保を優先すべきだと考えるが具体的な方針を示せ。
② さらに広域合併になり公共交通の必要性が叫ばれるが、交通機関の確保をどのようにするのか。福山市も車優先の社会から人優先の社会へ転換すべきではないのか。
【回答】
 福山市の公共交通は,鉄道とバス等によって構成されていますが,自動車利用の増加が著しく,道路における交通渋滞の慢性化などの要因により,バスの定時制が損なわれ,特にバス利用の減少が深刻化しています。また,民間バス事業者による不採算路線の廃止や減便による運行の縮小などが行われ,今後,市民生活への影響が懸念されているところです。
 こうした状況を踏まえ,福山市においては,「福山市生活バス交通利用促進計画(2006年3月)」を策定し,地域特性に応じた運行形態や市民に利用しやすい路線の構築など,市民生活を支える交通手段の確保を図ることとしています。
【問】
7、財政問題(借金を増やしてまでも道路建設を続ける必要があるのか)
広島県は県債が   1兆8447億円 (県民一人あたり64,3万円)
福山市の市債が 1682億円 (市民一人当たり35,8万円)
国の負債   (国民一人あたら866万円)
合計   福山市は一人あたり966万円の借金を抱えている
① 財政問題で上のような計算をしたが、国・県・市としてどのように考えるか。それぞれの機関で負債・県債・市債の金額を示し、見解を聞きたい。
② 現状が福山市民一人あたら966万円の借金漬けになっているのに道路建設でさらに借金を増やすことになると考えるが当局の見解を示せ。
③ 国は公共事業が日本はGDP比で3.7%を占めている。フランスが1.3%、米国が1.1%、ドイツが0,9%、イギリスが0.5%などと比べると3倍ほど高い。財務省が公共事業を今後「現状の1/3に圧縮」案が出されている状況のもとで福山道等建設を推進することを中止すべきであると考えるが、当局の見解を示せ。
【回答】
 財務省主計局「我が国の財政事情(18年度政府案)(平成17年12月)」によれば,2006年(平成18年)度末公債残高については,約542兆円(見込み),国民一人当たり約424万円とされており,財政健全化のため,歳入・歳出両面からバランスのとれた財政構造改革が推進されているところです。公共投資をみても,2006年(平成18年)度の公共事業関係費は,1998年(平成10年)度と比べ半減している状況ですが,コスト縮減等を行いつつ,真に必要な道路は計画的に整備を進めていく必要があると考えています。
 また,質問の中で海外との比較がなされていますが,我が国は欧米と比べて脆弱な国土・自然条件であり,社会資本の整備水準も異なることから,両者を一概に比較できるものではないと考えています。福山道路等は,市民生活の安全性・利便性向上,社会・経済活動や都市間交流の活性化,環境負荷の軽減等を図るため,真に必要な道路として,計画的,重点的に整備を進めていきます。
 広島県の「平成18年度当初予算の概要」によると,2006年(平成18年)度末県債残高は,1兆8,447億円(見込み)となっており,健全な財政基盤の確立に向けて,2006年(平成18年)度は,内部努力の徹底や施策の見直し,歳入の確保など,引き続き,計画的かつ着実に財政健全化に取り組みます。なお,広島県の道路整備については,「広島県新道路整備計画」に基づき,選択と集中による効率的・効果的な事業実施を行っているところです。その中で福山西環状線は地域高規格道路として,福山沼隈道路は交流促進型広域道路として,本県の中枢性の強化,産業振興の基盤強化,物流の効率化に資する重要な道路と位置付け,重点的に整備を推進することとしています。
 福山市における地方債については,2006年(平成18年)度末の現在高見込額で,168,199百万円となっており,公債費元金償還額の範囲内での新規市債の発行,及び繰上げ償還による現在高の縮減など,公債費対策に取り組んでいるところです。
 また,市全体としての財政健全化については,行財政改革大綱を制定して,施策・事業の選択と重点化による経費の節減・合理化などに,全庁で取り組んでいるところであり,福山道路等の幹線道路整備は,将来にわたって交通渋滞を解消・緩和し,市民生活の利便性・安全性の向上や,社会・経済活動の活性化などを図るものであることから,その必要性・重要性・緊急性などを勘案して重点施策に位置づけ,早期整備を推進しているところです。
【問】
人口減少、大量赤字国債発行(お金がない)、山陽道路(無料化)の利用など既存の設備有効活用未実施の段階でこの道路をなぜ作る必要があるのか。
【回答】
 問7①②③に対する回答のとおりです。
【問】
具体的な説明資料の提示をせず、又沢山の質問を無視し事業説明会を一方的になぜ打ち切ったのか。
【回答】
 問1②の2段落目に対する回答のとおりです。
【問】
瀬戸学区幹線道路対策協議会は誰が作ったのか、その目的は何か、会議の内容を具体的に説明せよ。
【回答】
 回答すべき立場にありません。
【問】
道路が出来れば色々な問題が出てくる。
例、トラックの騒音 バイクでの騒音
一定の統計で基準値を満足すれば事が足りるのか、基準値をオーバーした時住民はその場に居ないのか。
現在でも福山市内主要道路沿い家屋1万1千戸中14%が騒音基準値を超えているものがあるがこれらの対策はどうしたのかその内容を説明せよ。
【回答】
 環境基準は「人の健康を保護し,生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準」として定められており,「備後地域公害防止計画」(平成17年3月広島県・岡山県)においては,道路交通騒音に係る対策は,騒音に係る環境基準を達成することを目標としています。
 一般国道2号の現道に対する道路交通騒音対策については,沿道状況を踏まえ,低騒音舗装の敷設や遮音壁の設置を実施し,沿道環境の改善に努めています。
【問】
昨年(平成17年)10月頃赤坂バイパス終了地点東側の遮音壁の高さを上げる工事実施しているが、これの事情説明を。なぜこの工事実施にいたったのか? 工事した結果?デシベルになったのか。
【回答】
 赤坂バイパス早戸交差点東側付近において騒音測定を行った結果,騒音に係る環境基準が超過していたため,道路交通騒音対策として既設遮音壁の嵩上げ等を行ったもので,対策後の騒音レベルは,最大で昼間63dB,夜間59dBであり,環境基準を満足しています。
【問】
西環状線の一部は有料になる? 具体的な説明を求めます。
【回答】
 福山西環状線は,有料道路事業の導入を前提として,都市計画決定していますが,料金設定を含めた採算性の検討を行って,適切な時期に有料道路事業の導入に関して判断することとしています。
【問】
第1回瀬戸町山北クラブでの説明会でこの工事代金の殆どは国又は県から出費され福山市からの出費は殆どないとの説明であったが、この内訳を示せ、又全国での同様の事業についてどれだけが都市計画決定済みのものがあるかを質問し、すぐに回答する旨は約束されたがいまだに一切回書がない。
【回答】
 福山道路の費用負担につきましては,概ね国2/3・県1/3です。
 福山西環状線及び福山沼隈道路の費用負担につきましては,原則として,国庫補助事業で実施するため,概ね国1/2・県1/2です。
 福山市については,原則として,本線整備への費用負担はありません。
 また,2つ目の内容につきましては,第4回瀬戸学区事業説明会での地域高規格道路計画についてのご質問と思われますが,2004年6月4日付け「福山道路等幹線道路網に関する事業説明会の開催方法見直しについて(お知らせ)」の中で回答しております。福山河川国道事務所HPでも掲載していますのでご参照下さい。
地域高規格道路計画
福山道路都市計画決定の経緯

1990年(平成2年)
備後・笠岡都市圏パーソントリップ調査開始
(学識経験者,建設省,運輸省,日本道路公団,JR西日本,広島県警,岡山県警,広島県,岡山県,福山市,笠岡市等) 
1993年(平成5年)
備後・笠岡都市圏将来道路網基本計画策定
1994年(平成6年)
地域高規格道路「倉敷福山道路」計画路線指定
1995年(平成7年)
第三次福山市総合計画策定
1996~98年(平成8~10年)
公安委員会及び各施設管理者協議調整
1998~1999年(平成10~11年)
地元説明会(98年11月5日~99年3月11日,19小学校区延べ47回実施)
1999年(平成11年)
都市計画案の公告・縦覧(5月20日~6月3日)
2000年(平成12年)
福山道路環境影響評価準備書に係る知事意見(4月7日)
福山道路(広島県)に係る環境庁長官意見(11月17日)
福山市都市計画審議会(12月5日)
広島県都市計画審議会(12月20日)
2001年(平成13年)
国土交通大臣の同意(広島県決定分) (3月21日)
広島県同意(福山決定分) (3月22日)
広島県告示(広島県決定)(3月29日)
福山市告示(福山市決定)(3月29日)
福山道路 環境影響評価書の公告・縦覧(3月29日~5月1日)

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