一般国道2号 福山道路

福山道路への主な質問及び回答

平成18年4月19日に頂いた御質問とその回答

【問】
福山道路のルートについて
2001年8月の第1回事業説明会で,初めて80km/hの4車線の高速道路が,山北地区の住宅地の中を通過すると説明があった。しかも,この福山道路は都市計画決定されており,住宅地を通るルートが事業者にとっては,最適ルートであるとして進められています。住宅地に4車線の高速道路を建設すれば,これまでに,国道43号線,阪神高速や川崎の高速道路のように,自動車排ガスや騒音等で道路沿線の住民に重大な健康被害をもたらすことは明らかです。沿線に住む人にとっては,健康や生命,財産権を脅かされる最悪のルートです。どうしても福山道路が必要なら住宅地を外し,山間地を通すとか,トンネル構造にするとか,公害の心配のないルートに変更すべきです。山北地区で行った意向調査で,ルート変更の要求,あるいは現ルートでは問題が多く,測量立ち入りの了解を出来ない多くの住民の意見,意向を無視しないで,ルート変更を行って下さい。既設の幹線道路の沿線では,今なお多くの人が,気管支ぜん息等で苦しんでいることを忘れないで下さい。
【回答】
 福山道路等の幹線道路網につきましては,都市計画決定の段階で関係学区における案の説明会を延べ47回開催した後,法の手続に従って縦覧期間を設け,市民全体への周知を図っております。
 事業説明会では,都市計画決定を受けて,事業概要をご説明しているもので,ルートについては都市計画段階の地元説明会と変わっておりません。
 なお,山北地区は,今回の幹線道路網のルート選定において,福山道路と国道2号・福山西環状線,及び福山西環状線と国道2号が接続する重要な結節点であることから,各関係道路が円滑に連結してそれぞれの道路が十分に機能し,安全かつ効率的に交通が処理できる適地として,現在のICやJCTの位置が決定され,このIC等の位置を主なコントロールポイントとして山北地区のルートが選定されています。
【問】
沿道の環境について
(1) 既設の高架道路の沿線では,低周波騒音公害が問題となっている。
過去の説明では,予測できないとのことでしたが,現在は予測を行っています。福山道路の高架部の低周波騒音の予測を行って下さい。
【回答】
低周波音は,1998年(平成10年)の建設省令において標準項目として位置づけられておりませんが,瀬戸町地頭分地区における福山道路の高架橋断面について,参考的に予測計算した結果は次のとおりであり,予測値は参考となる指標値を下回ります。 
50%時間率音圧レベルL50 G特性5%時間率音圧レベルLG5
予  測 (参考) 77dB 84dB
参考となる指標値 90dB ※1 100dB ※2

  • ※1 一般環境中に存在する低周波音圧レベルで「一般環境中に存在するレベルの低周波振動では人体に及ぼす影響を証明しうるデータが得られなかった」とされている(環境庁(1984年))。
  • ※2 平均的な被験者が知覚できるG特性加重音圧レベルでの低周波音(ISO7196(1995年))
【問】
(2)自動車からの排気ガス,騒音等の健康に及す影響について
騒音,低周波騒音,SPM(pm2.5),NO2等の人体に及ぼす影響について質問します。
今迄の事業説明会では,これらの人体への影響については,データ等に基づく,具体的な説明がなく,全く理解,納得できていきません。
騒音の大きさ(db)が人体に及ぼす,NO2,SPMの濃度別の人体に及ぼす影響,環境基準値は医学的見地からどうなのか,心配です。
医学的データや,各種研究機関のレポート等を調査して,データーや相関図等を用いて,出来る丈詳しく,住民が安心できるような説明をお願いします。

  • ①自動車騒音及び低周波騒音の大きさ(db)と人体への影響関係の関係について「大阪に於ける自動車公害対策の歩み」の中で,騒音レベル55~59dbで,睡眠妨害,情緒的影響,身体的影響を訴える人が50%に達するという報告もあります。
  • ②SPMの濃度(mg/m3)と肺ガン,気管支ぜん息,アレルギー性鼻炎の発症率の関係について
  • ③NO2(ppm)の濃度と気管支ぜん息等の発症率の関係について
    環境庁大気保全局「1991」NO2濃度とぜん息様症状の発生率の関係では,濃度が高くなる程,発症率が高くなっているとの報告がある。
    これらの報告を見ると有害影響に閾値がなく,濃度騒音レベルが大きくなるについて,その傾向が徐々に増大している。
  • ④騒音,SPM,NO2について環境基準値以下なら健康で快適な生活ができるという根拠を示して下さい。
【回答】
浮遊粒子状物質,二酸化窒素及び騒音に係る環境基準の設定根拠については,環境省HPに掲載されていますので,参照願います。

 (騒音)中央環境審議会答申
http://www.env.go.jp/council/former/tousin/069805-1.html

 (浮遊粒子状物質)環境庁通達環大企27号
http://www.env.go.jp/hourei/syousai.php?id=1000018

 (二酸化窒素)環境庁通達環大企262号
http://www.env.go.jp/hourei/syousai.php?id=1000014
【問】
(3)沿線住民は環境については
高速道路が建設されると沿線住民は,騒音,低周波騒音,振動,NO2,SPM,日照阻害等自動車公害を全て,又永久に受けることになります。
住民にとってこの静かで,空気のキレイな現在の環境が大巾にゆるめられた,環境基準をもって,これをクリアーすれば良いというやり方では,山北の住宅地の環境は破壊されてしまいます。
アセスに使う環境基準値ではなく,現状の環境,生活レベルを破壊しないよう,今のレベルを維持する対策を講じて下さい。
【回答】
環境基準は「人の健康を保護し,生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準」として定められており,「備後地域公害防止計画」(平成17年3月広島県・岡山県)においては,大気汚染,騒音に係る対策は,それぞれ環境基準を達成することを目標としています。
【問】
(4)福島西道路の問題について
福島西道路の供用後に国土交通省が,住民に対して行ったアンケートの結果が発表されています。
このアンケートで環境面を見ると
  • 車の騒音がうるさくて,毎夜ねむれないため,頭痛で悩んでいる
  • 登坂に当たる所では,アクセルを踏んで登るため,排ガスと騒音で苦しんでいる
  • 白い洗濯物がすぐに黒ずんでしまう
  • ベランダや窓の桟に真っ黒な炭の粉のような「すす」がたまる
  • 締め切ったサッシの窓の内側にも,2~3日で黒いすすが溜まる等,騒音や排気ガスについて,環境面での問題が沢山提起されている。
福島西道路と同様の公害が心配されるところですが福山道路では,このような問題が発生しないための十分な対策がとられていますか。
【回答】
 福山道路においては,供用前に大気質・騒音の予測を行って,予測値が環境保全目標を超過する場合,並びに供用後に現地調査を行って環境基準を超過した場合には,地元協議の上,遮音壁設置等の対策を講じることとしています。
 なお,最新のデータ等を踏まえて環境影響を照査した結果では,騒音・大気質の環境基準は満足する予測となっています
【問】
環境影響評価について
(1) 瀬戸町のような盆地状の複雑な地形では,風が複雑に変化し,大気汚染の拡散に大きな影響を与えるため,プルーム・パフ式は不適当であると言われている。
 瀬戸町の地形,風が複雑に変化する気象条件に合った,最適の三次元モデルで正確な予測をお願いします。
(2) 瀬戸町のような,風が複雑に変化する地域の大気汚染のアセスメントにプルーム・パフ式を適用しても良いという理由を説明して下さい。
【回答】
 プルーム式及びパフ式は,1998年(平成10年)の建設省令において二酸化窒素,浮遊粒子状物質の予測に用いる標準手法として位置づけられており,地域特性等を考慮した係数を適切に設定することにより,地形条件を考慮した予測ができる一般的な手法であることから,福山道路等の大気質の予測に用いています。このため,ご質問の「三次元流体モデル」を予測に用いる考えはありません。
【問】
(3)バックグランド濃度について
  • ①平成10年の建設省令に基づく,バックグランド濃度の測定方法は,最近の計画道路の環境影響評価のすべてに適用されていますか。
【回答】
 環境影響評価法の制定に伴い,2000年(平成12年)11月に「道路環境影響評価の技術手法」が発刊されています。環境影響評価法に該当する道路事業の環境影響評価は,この技術手法に基づいて実施されており,福山道路においても同技術手法に従って,環境影響評価並びに照査を行っています。
【問】
  • ②この方式で環境影響評価を行って建設した道路で,大気汚染の環境予測値と供用後の実測値の関係について検証した資料即ち事後評価したものについて,2~3例の資料を頂きたい。
【回答】
 中国地方整備局管内においては,大気汚染の環境予測値と供用後の実測値の関係について検証した箇所は現段階で該当がありません。
【問】
  • ③建設省令に基づき測定を行った場合,28個のデータからSPMの2%除外値,NO2の98%値をどのようにして算出するのかその方法を示して下さい。
【回答】
 今回の山北地区及び地頭分地区における大気質の四季観測結果からは,直接,二酸化窒素の年間98%値並びに浮遊粒子状物質の年間2%除外値を算出しておりません。四季観測結果は,四季平均値を求め,あくまで予測を行う際のバックグラウンド濃度として使用しています。
 なお,バックグラウンド濃度,年間98%値及び年間2%除外値等の関係は,2006年2月に開催した事業説明会において,資料を配布のうえ「照査のおおまかな手順」の中でご説明したとおりです。福山河川国道事務所HPにおいても資料掲載していますので参照下さい。
  (2006年(平成18年)2月 瀬戸学区自由参加型事業説明会資料
【問】
  • ④山北地区については,春,夏,秋,冬の四季に分けて,NO2,SPMの濃度を測定していますが,その際同時に測定した
    まるA赤坂バイパス東口 まるB赤坂バイパス早戸ランプ まるC山北バス停
    の3ヶ所について,四季の測定値資料を頂きたい。
【回答】
 赤坂バイパス東口,赤坂バイパス早戸ランプ及び山北バス停において,大気質現地観測した結果は,2003年1月の事業説明会で資料配布しています。福山河川国道事務所HPにおいて掲載していますので参照下さい。
 なお,これら3箇所については,2002年(平成14年)8月3日~同年8月9日までの1週間観測であり,四季観測は行っておりません。
  (2003年(平成15年)1月 瀬戸学区事業説明会資料
【問】
(4) 自動車からのNO2,SPMの寄与率について
今迄寄与率は大変小さいとされています。自動車からの寄与は,一般局の濃度+自動車からの寄与濃度=自排局の濃度であると考えます。

  • ①種々の報告をみると,自排局の濃度は一般局の濃度より約30%程度高い
  • ②「広島市の道路沿道における,大気微粒子(pm2.5)の特性」においても調査期間中の盆休みは自動車の交通量が減り,それに伴ってpm2.5の濃度も大きく低下している。
  • ③東京都が行ったディーゼル規制直後の調査でもSPMは大きく減少している。交通量が減少すればNO2,SPMは多く減少する。
    沿道における自動車からの寄与率は大変大きいと考えますが,環境影響評価では,4~5%と小さい数字になるのか理解できません。予測値と実測値の差について説明して下さい。

【回答】
 自動車排出ガスからの浮遊粒子状物質並びに二酸化窒素に対する影響は,単に交通量によるものではなく,排出係数からみても,特にディーゼル車からの影響が大きいと考えられており,都市の交通状況や気象等にも大きく影響を受けることから,他都市との単純比較はできませんが,環境影響評価に関しては,過去の事例や実験等を考慮して予測手法として確立されている技術手法が示されており,福山道路における環境影響評価並びに照査は,この技術手法に基づいて実施したもので,交通状況・気象等の自然条件・地形などの地域特性も考慮しているものです。
【問】
(5) 環境影響評価に用いる係数等について

①瀬戸JCT・IC付近の道路の高さ,道路の勾配を教えて下さい。

【回答】
 福山道路について,市道山北早戸線付近で本線の路面高さは約10m,本線縦断勾配は約1%です。
【問】

②走行速度が60km/hから80km/hに変わる場所はどこですか。

【回答】
 大気質の予測に用いる走行速度の設定として,瀬戸JCTランプ60km/h,福山道路本線80km/hとしており,走行速度が変わる箇所は,瀬戸JCTランプと福山道路本線の接続部となります。
【問】
  • ③瀬戸JCT・IC付近の大気汚染の拡散状況がわかるように,下記の(A),(B)の場合について,道路端から200mの範囲ついて,模試図でお示し下さい。 汚染物質の上昇と拡散の様相がわかるようにお願いします。
      (A)風速1m/sec・プルーム式の場合
      (B)風速0m/sec・パフ式の場合
【回答】
 大気質の予測は,風速が1m/sを超える有風時(プルーム式)及び風速が1m/s未満の弱風時(パフ式)の拡散濃度を計算し,これらを重ね合わせることにより求められますので,それぞれ個別に求めることはいたしません。
 なお,二酸化窒素,浮遊粒子状物質の拡散状況につきましては,2006年2月の事業説明会で資料配布した福山道路等の環境影響の照査結果において等濃度分布図を示しております。
【問】

④瀬戸JCT・IC付近の拡散式中のH,Wの値を教えて下さい。

【回答】
 排出源の高さHは,別紙2のとおり,平面は[路面高さ+1m],盛土は[(路面高さ+1m)/2],切土,高架,遮音壁のある場合は[仮想路面高さ+1m]を基本に設定しています。車道部幅員Wは上下車線各々約10mです。
【問】

④拡散式に使われているまるイ風速(u),まるロQ(QはNO2,SPMについて)の値を教えて下さい。

【回答】
 福山道路等の「環境影響の照査結果」において,大気質の予測に用いた風速は別紙3のとおりです。
 また,大気質(二酸化窒素・浮遊粒子状物質)の濃度については,連続して配置した各々の点煙源から排出される濃度を合成して求めますが,その点煙源の排出量Qは,車種別に設定した交通量及び排出係数により求めた車種別の排出量を合算して求めます。
【問】
  • ⑥風向きについて
    道路に直角に風下側で着地濃度を算出していると思いますが,風向きが道路に対して,45度,0度(道路に平行)の場合,沿道の着地濃度はどの程度増加しますか。
【回答】
 ご質問の条件では予測しておりません。
【問】
  • ⑦福山市内の環境の測定局において,各測定局間において,風速,風向きのちがいがあります。 今回の環境影響評価には,どこの測定値を用いていますか。
【回答】
 「福山道路環境影響評価書」(平成12年12月広島県)においては,予測対象区域が瀬戸町の場合,「一般環境大気測定局松永支所」の風向・風速を用いています。
 また,『「福山道路」「福山西環状線」「福山沼隈道路」の環境影響の照査結果』(2006年(平成18年)2月)においては,瀬戸町山北及び地頭分での現地四季観測結果を,「福山特別地域気象観測所」の通年データで補完しています。
【問】
(6)騒音について
昼間 夜間   
(A)現在の基準値 55db 45db
(B)幹線道路を担う道路に近接する空間 70db 65db

  • ①国道43号線の公害訴訟では,最高裁は65db以上は受認限度を超えているとしているが,何故未だに65db,70dbが環境基準として使われているのでしょうか。
【回答】
 騒音に係る環境基準の設定根拠について,問2(2)に対する回答でお示ししています。
【問】
  • ②赤坂バイパス沿線では,大気汚染もひどく,又騒音,振動もひどい。
    夜眠れない位騒音がひどくても,騒音の測定を行うと,環境基準値以内ということで処理されていると聞きます。山北の住宅地においても環境基準値をクリアーするための対策のみですが,これでは赤坂バイパスと同じことになると思いますが。
【回答】
 環境基準は「人の健康を保護し,生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準」として定められており,「備後地域公害防止計画」(平成17年3月広島県・岡山県)においては,道路交通騒音に係る対策は,騒音に係る環境基準を達成することを目標としています。
【問】
福山道路の必要性について
交通量の増加で,渋滞がひどくなるため,福山道路が必要としていますが
  • ①事業説明会では人口は平成30年がピークと予測していたが,人口減少はすでに始まっており,計画時の予想より13~14年早くなっている。
  • ②乗用車,貨物車の将来走行台は,2020年がピークでそれ以降減少。
  • ③乗用車,貨物車の将来保有台数は2020年がピークでそれ以降減少。
  • ④生産年令人口の減少はすでに始まっている。
  • ⑤新規運転免許証交付件数も年年減少している。
  • ⑥免許保有者数は女子,高令者に増加があると思われるが,これらの人々は交通渋滞には殆ど関係がない。

(1)福山道路全線の開通はいつ頃の予定ですか。
【回答】
 福山道路の瀬戸町長和から赤坂町までの延長3.3km区間については,平成20年代前半の暫定2車線供用を目標に事業を進めます。瀬戸町長和以東については,関係機関と調整を図りつつ,事業進捗や予算状況をみながら,順次,事業を進めて行く予定です。
【問】
(2)福山道路が全線開通する頃には,交通量が減少し,道路の必要性がなくなるのではないですか。
【回答】
 道路は,計画時点における将来予測交通量を基に計画することとなり,福山道路の都市計画決定時の基となった平成22年予測交通量,及び最新の平成42年予測交通量のいずれにおいても,現在より交通量は増加する予測となっています。
【問】
(3)算用自動車道の交通量について(H12年以降)教えて下さい。
【回答】
山陽自動車道(福山東IC~福山西IC)の交通量の推移は次のとおりです。

山陽自動車道交通量推移グラフ
(出典 道路統計年報)

【問】
(4)広島・山口・島根等の各地で渋滞対策として、高速道路の割引実験等行っていますが、福山市はどのような計画がありますか。
【回答】
 交通渋滞の対策手法には交通容量を拡大するハード施策と,交通需要を調整するソフト施策があり,福山市の渋滞対策もハード施策とソフト施策を組み合わせ,総合的に実施することで効果が上がると考えています。
 当面の渋滞緩和策としては,信号調整,交差点改良,既存道路拡幅などのハード施策を計画・実施しているほか,ソフト施策においても,地域への定着性が高く,かつ効果的な施策を模索しているところであり,どの施策がより多くの市民や企業に理解と参画を得られるかを把握するために,交通社会実験を実施しているところです。
 具体的なソフト施策案としては,ノーマイカーデー,パーク&ライドや時差出勤の推奨などがありますが,2003年(平成15年)度からは渋滞緩和と環境負荷の低減を目的とした「ノーマイカーデー」に取り組んでおり,2005年(平成17年度)からは,月に1回以上好きな日に自由な方法で年間を通じて,ノーマイカーを実践していく新たな取組みを展開中です。
 なお,これらの取り組みは,一時的あるいは部分的な渋滞緩和には効果があると考えておりますが,将来にわたって都市圏全体の交通渋滞を解消・緩和するためには,放射環状型の幹線道路網を構築する必要があり,現在,福山道路等の幹線道路網の早期整備を推進しているところです。
【問】
全国の道路公害裁判について
  • ①神戸地裁での国道43号線・阪神高速では道路端から50m以内。
  • ②名古屋地裁では,国道23号線の沿道20m以内の患者。
  • ③尼崎訴訟では,沿線50m以内の気管支ぜんそく患者。
  • ④東京訴訟では,沿線50m以内の未認定患者。

等において患者と自動車排ガスとの因果関係を示した判決となっている。
福山道路の沿線では気管支ぜん息,肺ガン等の発症の心配がないと言えますか。
又何故沿道はこれ程患者が集中するのですか。

【回答】
 ご質問にある4件の判決をもって,一般論として「沿道」と「患者」の方々の関係に関して回答することは困難です。
 また,「沿道に患者が集中する」とする科学的知見については承知しておりません。
【問】
財政について
先日の新聞では国の借金813兆円と報告されている。更に地方(広島県,福山市)も借金をかかえている。
増え続ける借金に対し,国民は増税,増える保険料等,苦しい生活を余儀なくされている。
このような時代に更に借金して渋滞解消のための高速道路をつくるべきではないと考える。
【回答】
 財務省主計局「我が国の財政事情(18年度政府案)(平成17年12月)」によれば,2006年(平成18年)度末公債残高については,約542兆円(見込み),国民一人当たり約424万円とされており,財政健全化のため,歳入・歳出両面からバランスのとれた財政構造改革が推進されているところです。公共投資をみても,2006年(平成18年)度の公共事業関係費は,1998年(平成10年)度と比べ半減している状況ですが,コスト縮減等を行いつつ,真に必要な道路は計画的に整備を進めていく必要があると考えています。
 また,広島県の「平成18年度当初予算の概要」によると,2006年(平成18年)度末県債残高は,1兆8,447億円(見込み)となっており,健全な財政基盤の確立に向けて,2006年(平成18年)度は,内部努力の徹底や施策の見直し,歳入の確保など,引き続き,計画的かつ着実に財政健全化に取り組みます。なお,広島県の道路整備については,「広島県新道路整備計画」に基づき,選択と集中による効率的・効果的な事業実施を行っているところです。その中で福山西環状線は地域高規格道路として,福山沼隈道路は交流促進型広域道路として,本県の中枢性の強化,産業振興の基盤強化,物流の効率化に資する重要な道路と位置付け,重点的に整備を推進することとしています。
 福山市における地方債については,2006年(平成18年)度末の現在高見込額で,168,199百万円となっており,公債費元金償還額の範囲内での新規市債の発行,及び繰上げ償還による現在高の縮減など,公債費対策に取り組んでいるところです。
 また,市全体としての財政健全化については,行財政改革大綱を制定して,施策・事業の選択と重点化による経費の節減・合理化などに,全庁で取り組んでいるところであり,福山道路等の幹線道路整備は,将来にわたって交通渋滞を解消・緩和し,市民生活の利便性・安全性の向上や,社会・経済活動の活性化などを図るものであることから,その必要性・重要性・緊急性などを勘案して重点施策に位置づけ,早期整備を推進しているところです。
【問】
高速道路が大変普及してきています。大型車について予測に用いられる100km/h,110km/hの排出係数を教えて下さい。もしデータがなければ,その理由を説明して下さい。
【回答】
 「道路環境影響評価の技術手法」では,「大型車について予測に用いられる100km/h,110km/hの排出係数」の具体的な数値は設定されていませんが,「平均走行速度が90km/hを超える大型車類の排出係数は,シャシダイナモ試験等により自動車の排出ガス量のデータを取得し,排出ガス規制を加味した上で車種構成比及び平均半積載重量を用いることによって算出することができ,別途調査結果に基づいて適切に車種別の排出係数が設定できる場合には,その値を用いることができる」とされています。
 なお,ご参考まで,「国土技術政策総合研究所資料第141号(平成15年12月)」に,第二東名,第二名神を対象とすることを念頭に置いた,高速域における将来排出係数の研究結果が次のとおり示されています。
高速域における将来排出係数
【問】
福山道路は法定速度の80km/hで予測を行っています。実走行速度が100km/hになると,排出係数は2倍近くになると予想されますが,その増加分は計算式のどの部分に安全率として組込まれていますか。
【回答】
 「道路環境影響評価の技術手法」によれば,「予測に用いる走行速度は,道路交通法施行令で定める法定速度,又は規制速度を予め設定できる場合にはその速度を基本とする」とされており,福山道路の大気質予測はこれに従って設定しています。
【別紙1】瀬戸町山北地区 風向・風速・温度
風向 ・ 風速 ・ 温度

【別紙2】排出源高さ


排出源高さ図

出典:道路環境影響評価の技術手法
【別紙3】予測に用いる年間時間別の風向出現頻度と平均風速

測定局 :瀬戸町地頭分現地調査結果(福山特別地域気象観測所データで補正:高さ10m)
測定期間: 2002年(平成14年)3月1日 ~ 2003年(平成15年)2月28日
表
注)有風時は風速1m/sを超える場合,弱風時は風速1m/s以下の場合


予測に用いる年間時間別の風向出現頻度と平均風速
測定局 :瀬戸町山北現地調査結果(福山特別地域気象観測所データで補正:高さ10m)
測定期間: 2002年(平成14年)8月1日 ~ 2003年(平成15年)7月31日
表
注)有風時は風速1m/sを超える場合,弱風時は風速1m/s以下の場合

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