平成11年度
岡山県笠岡市
 笠岡市には、明治5年に当時の小田県の県庁が設置され、現在その跡地は笠岡小学校として利用されており、かつての県庁門は小学校の正門として現存している。笠岡市では、笠岡駅前土地区画整理事業を進めており、周辺地域の姿も大きく変わってきたことから、この旧県庁門を活かしながら地域の歴史的背景を取り入れた「小田県庁門せせらぎの道」の整備事業を行った。
 整備にあたっては、建設省のふるさとの顔づくり計画事業を導入し、新しい都市の中に郷土の誇る文化財を活かしながら、笠岡市の地場産品である石材の御影石を利用した景観づくりが進められた。
 旧県庁門の周辺は、笠岡駅前地区街づくり懇談会からの提案を受け、せせらぎを設け以前の掘割をイメージさせたほか、地域の歴史を解説した案内板、代官所跡を知らせる石碑、常夜灯、白壁などを設置したり、黒松並木の復元と桜の植栽を行っている。また、地域の人々や子供たちに親しまれる空間とするために、せせらぎに鯉を放流したり、音響装置による足踏みピアノの設置を行っている。
 整備後は、郷土の文化や歴史にふれることのできる場所が生まれ、夜間にはライトアップも行われるなど、新しい景観もつくり出されている。また、市街地の中心部にあることから、景観を楽しみながら旧県庁門の前を通る人も増えている。
所在地 岡山県笠岡市笠岡
諸元 延長:190m、幅員:4.0m〜12m
イベント 笠岡みなと祭り