ふるさとの美しき川高津川にすむ魚たち 高津川の歴史
 高津川の水源地田野原(たのはら)には雨乞い(あまごい)の記録が残されています。大正10年頃、どんな干ばつでも絶えることなく清水がわきでる池、通称「大蛇ヶ池(おろちがいけ)」で雨乞いは行われました。わらで編み上げた胴周り45センチ、長さ数十メートルに達する蛇体を持ち、人々は「大蛇ヶ池」へと飛び込むのです。水を掛け合い、清水で体を清め、夕方帰路に着くころになると、にわかに雨が降り始めたとされています。また、高津川河口には、万葉の歌人柿本人麿呂(かきのもとひとまろ)を祭った神社「柿本神社」が建ち、農業の神として厚く信仰されています。万葉を代表する歌人でありながら、出生や没年など、全てが謎に包まれている人麿呂ですが、終焉(しゅうえん)の地は、高津川河口の鴨島とされています。

高津川−せいさく発祥の碑
 碑文によると、高津川にあまねく棲息して人びとに親しまれるギギは、もともとこの川にはいませんでした。
明治31年、日原町曽庭(そにわ)の松浦清作が山口県島地村から2尾ほど持ち帰り放流してから繁殖したもので、人呼んで清作ごりといい、さいさくといわれるようになったと記してあります。
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