ヒメオドリコソウ
4月中旬に、ダム周辺の日当たりのよい草むらで発見しました。
ヒメオドリコソウ(姫踊り子草、学名:Lamium purpureum)はヨーロッパ原産で、秋に発芽し、越冬し翌年に枯れる越年草です。
原産地以外でも道ばたや空き地、畑などのありふれた雑草として知られ、北アメリカでは地域によっては侵入植物種として扱われます。日本では、明治時代中期に帰化した外来種で、主に本州を中心に分布しています。
ヒメオドリコソウとは?
目:シソ目
科:シソ科
属:オドリコソウ属
種:姫オドリコソウ
茎は短い毛を持ちます。根元で枝分かれし、草丈は10cm~25cm。先端の葉の脇に、小さな唇形をした淡い紅紫色の花をたくさんつけます。
葉は卵形で、2枚ずつ向かい合って生えます。(対生)
葉の縁には鈍いぎざぎざ(鋸歯)があり、葉には柔らかい毛が生えています。上の葉は小さく、下へいくほど大きくなって下向きになっています。
動物の足跡
冬に、夢吊橋で動物の足跡を発見しました。これは、何の足跡でしょうか?
雪の上に残る動物の足跡
冬は、アニマルトラック(動物の足跡探検)の最適の季節です。
前夜の雪が降り止んだ朝に、巣から出て狩りをしたのか、食べ物を探しに移動したのか、休息の場所やねぐらに帰る途中なのか、見たこともない足跡があちらこちらに見られます。
この足跡の動物は?
足跡図鑑で調べたところ、イヌかタヌキではないか、というところまでしか判明できませんでした。
タラノキ
ダム周辺で4月上旬に発見しました。
樹高は2~4m程度、あまり枝分かれせずにまっすぐに立ち、幹にはトゲがだくさんあります。葉は先端だけに集中しています。この木は、タラノキでウコギ科の落葉低木。
新芽を「たらのめ(楤芽)」「タランボ」などと呼び、芽を食用に販売もされています。天ぷらにすると美味しいそうです。
タラノキとは?
目:セリ目
科:ウコギ科
属:タラノキ属
種:タラノキ
日本各地、東アジアに分布しており、林道脇など日当たりのよい山林に生えています。樹皮は民間薬として健胃、強壮、強精作用があり、糖尿病にもよいと言われています。また、芽を食べることで同じような効果が期待できると言われています。
タラの芽採取の注意事項
常は先端の芽のみが採取の対象。
側芽まで取ってしまうとその枝は枯れてしまうので、そのような行為はマナー違反とみなされることがあります。幼い一本立ちのタラノキ(高さがだいたい膝から腰くらい)の頂芽を取ると、その幼木全体が枯れてしまいます。
また、肌がかぶれるヤマウルシの新芽を、(トゲがない)タラの芽と間違える事例があるので、注意してください。
イタドリ
これは、イタドリです。
たくさんの節がある多年草で、道ばたや土手などに生えている植物です。タデ科の多年生植物。別名は、スカンポ、イタンポ、ドングイ、スッポン、ゴンパチ、エッタン。
イタドリの特徴は、繁殖力が旺盛なことです。風に運ばれた種子は、アスファルトを突き破って芽を出して生長し、群生地ができるほど爆発的に数を増やします。
イタドリとは?
目:ナデシコ目
科:タデ科
属:ソバカズラ属
種:イタドリ
北海道西部以南の日本、台湾、朝鮮半島、中国に分布する東アジア原産種。イタドリの特徴は、繁殖力が旺盛なことです。19世紀にイギリスに輸出された際、在来種を駆逐してしまう恐れがあることから、世界の侵略的外来種ワースト100に指定されました。
イタドリの利用方法?
4~5月に採取できる柔らかい新芽は、山菜として古くから煮物や炒め物にして食べられてきました。新芽は、皮をむいて生でも食べられ、かつては子供が道草途中にかじっていました。酸味と多少のえぐみもあります。
イタドリの新芽に含まれる酸味には、肝臓の働きを助けて体をデトックスし、利尿作用によって排出を促すそうです。
他にも、乾燥させた根と甘草を合わせて、咳を止める漢方薬としても利用されたり、葉に止血作用があったり、傷の痛みを和らげてくれる効果がある植物として「イタドリ」の名前がついたともいわれています。
モリアオガエル
この、木の枝にくっついている白い泡のような物は、モリアオガエルの卵です。ダム近辺の沢で見つけました。
モリアオガエルとは?
和名:モリアオガエル
モリアオガエル(森青蛙、学名:Rhacophorus arboreus)は、両生綱無尾目アオガエル科アオガエル属に分類されるカエルです。
山地で多く見られ、非繁殖期はおもに森林に生息していますが、繁殖期の4月から7月にかけては、生息地付近の湖沼や水田、湿地に集まります。
成体は他のカエルと同様に肉食性で、昆虫類やクモ類などを捕食します。
モリアオガエルの特性として、カエルは水中に産卵するものが多い中、モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝や草の上、地上などに粘液を泡立てて作る泡で包まれた卵塊を産み付けます。
約一週間ほど経って卵がふ化します。ふ化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へ次々と落下します。
オタマジャクシは1ヶ月ほどかけて成長しますが、この間の天敵はヤゴ、ゲンゴロウ、タイコウチなどです。前後の足が生えてカエルの姿になった幼体は上陸し、しばらくは水辺で生活をしますが、やがて森林で生活を始めます。冬眠は浅い土中やコケの下で行われます。
セイヨウタンポポ
桜が満開の頃に見つけました。道路や川沿いでよく見かけるタンポポです。
この花はセイヨウタンポポで、キク科タンポポ属の多年草です。ヨーロッパ原産の帰化植物で、環境省指定要注意外来生物です。生命力の強い植物で、アスファルトの裂け目から生えることもあります。
セイヨウタンポポとは?
目:キク目
科:キク科
属:タンポポ属
種:セイヨウタンポポ
あまり季節を問わず、黄色い舌状花を長い期間にわたって咲かせます。葉や茎を切ると、白いゴム質の乳液が分泌され、これによって虫に食べられるのを防いでいるそうです。
日本の在来種との見分け方は?
花弁の下にある緑色をした総苞(そうほう)の外片に注目すれば簡単に分かります。
在来種は、総苞外片が上向きで内片に完全に圧着しているものが多いです。総苞外片が内片と離れて垂れ下がっているものが、外来種に多い特徴です。
ブタナ
わたしたちはブタナ。なぜそんな名前がついたか知っていますか?
1933年に札幌市で初めて発見された時は、タンポポモドキという名前を付けられたのだけど、翌年の1934年に兵庫県六甲山で見つかった、同種の植物にブタナと名付けられ、現在はブタナの名称が主流になっているのよ。
ブタナとは?
和名:ブタナ(豚菜)
科名:キク科(多年草)
開花時期:6~9月頃
ブタナの原産地はヨーロッパで、日本では外来種(帰化植物)として各地に分布しています。原産地ではハーブとして食用にもされています。
日本には昭和初期に入ってきたとされ、北海道および本州の広い範囲に分布しています。道路脇、空き地、牧場、草原、農耕地の周辺で生息しています。
ブタナの特徴とは?
外観はタンポポに似ていますが、ブタナは30~60cm程度の花茎が途中で数本に枝分かれし、それぞれの頭に直径3cmほどの黄色い花をつけるのが特徴。また、花茎に葉はついていません。
葉はロゼット状で裏にびっしりと毛が生えており、根は深いです。たくさんのブタナが隙間なく群生し、さながら黄色い絨毯を広げたような光景は美しいですが、群生した地域では芝生が枯れてしまうなどの被害も発生するため、害草として駆除されてしまうことも多いです。
ギフチョウ
このチョウは、世界の中でも日本の本州の里山に生息している「ギフチョウ」です。
ギフチョウはアゲハチョウ科に属しています。成虫は年1回3月末~6月頃に発生し、その美しさから「春の女神」と呼ばれています。
ギフチョウとは?
和名:ギフチョウ
目:チョウ目
科:アゲハチョウ科
属:ウスバアゲハ亜科ギフチョウ属
日本の固有種で、本州の秋田県南部の鳥海山北麓から山口県中部にいたる26都府県に分布します。
下草の少ない落葉広葉樹林に生息し、成虫は年に一度だけ、3月下旬~6月中旬に発生します。カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレ類、サクラ類などの花を訪れ、蜜を吸います。
成虫の翅(はね)を広げた大きさは、4.8~6.5cmほど。成虫の翅の色は、黄白色と黒の縦じま模様で、後翅の外側には青やだいだい、赤色の斑紋が並びます。さらに後翅には尾状突起を持っています。
ギフチョウの保護活動
八田原ダムでは、ダム完成前の平成8年5月に水没予定地区の雑木林で発見された貴重種「ギフチョウ」を、適地となる保護区へ移植を行いました。
移植後現在に至るまで、八田原ダムでは地域の方々のご協力をいただきながら、毎年行われるギフチョウの観察会や保護区の下草刈りに参加し、ギフチョウの保護活動を継続して行っています。