呉市営バス「呉広島空港線」「広長浜呉駅線のノンステップバス」における
『バスロケーションシステム』の提供について
〜 11月1日からサービス開始 〜
最先端の情報通信技術による新しい道路交通システム「ITS」は、中国地方においても、「VICS」をはじめとして着実な進展を見せ始めています。 建設省では、「ITS」を推進していくにあたり、道路交通利用者の皆さんが「身近に利用できる便利なシステム」であることを実感していただくように、施策の展開を図ることとしております。
今回、呉市交通局のバス路線のうち、「呉広島空港線」「広長浜呉駅線のノンステップバス」について、建設省の「移動体インテリジェントロケーションシステム」を活用し、バスの位置情報の提供はインターネット上のパソコンで、バス停留所へのバス到着予測時刻の提供はインターネット対応携帯電話及びインターネット上のパソコンにより確認できる『バスロケーションシステム』の試験的なサービスを開始することとしましたので、お知らせします。
位置情報・到着予測時刻情報の提供は、空港への連絡バスとしては全国で初めて、ノンステップバスでは西日本で初めての試みです。
呉市営バス「呉広島空港線」「広長浜呉駅線のノンステップバス」における『バスロケーションシステム』の提供について
1.背 景
警察庁、通産省、運輸省、郵政省、建設省の関係5省庁により、最先端の情報通信技術による新しい道路交通システム「ITS」(Intelligent
Transport Systems)施策を推進していくこととしています。
「ITS」は、最先端の情報通信技術を用いて「人」、「道」、「車」を「情報」によって一体化しようとする新しい道路交通システムです。
「ITS」は、?@ナビゲーションシステムの高度化、?A自動料金収受システム、?B安全運転の支援、?C交通管理の最適化、?D道路管理の効率化、?E公共交通の支援、?F商用車の支援、?G歩行者等の支援、?H緊急車両の運行支援の9つの開発分野から構成されており、道路交通の安全性・運輸効率・快適性の向上、環境の改善、新たな産業の創出など、他地域・経済の活性化を含め、様々な期待が寄せられています。
一方、呉市では、呉市周辺地域を対象とした、「渋滞緩和」「便利」「安全」「環境」「福祉」「広域交流」の6項目からなる総合交通体系を目指すため、「呉都市圏交通円滑化計画」を策定することとしており、平成12年4月に「ITS都市宣言」を行うなど、「ITS」施策に積極的に取り組むこととしています。
特に、他都市と比較して高齢者の割合の高い人口特性、軌道系交通機関の存在しない南北方向の交通特性から、公共交通機関(バス路線)の重要性を考慮し、「ITS」を活用したバスサービスの向上が必要であると考えています。
また、近年高齢化社会が進む中、平成12年5月に交通バリアフリー法が成立するなど、高齢者や身障者などが積極的に社会活動に参加できるよう、今後、駅などの交通結節点へのエレベーター設置、公共交通機関における低床車両の導入等、バリアフリー化が進められることになっています。
バスについては、車椅子の方も乗降できる低床車両、いわゆる、「ノンステップバス」の導入が求められています。
2.検討内容
建設省広島国道工事事務所においては、「ITS」を推進していくにあたり、身近な技術を利用して出来るだけ早く皆さんに「ITS」を感じていただくように、各種のサービスを導入していくこととしており、GPSや携帯電話網といった通信技術を活用した「移動体インテリジェントロケーションシステム」により、8月10日に超低床路面電車「グリーンムーバー」、9月20日に長距離バス(広島松江間)で運行情報の提供サービスを開始しました。
今回は呉市と連携し、呉市営バスの一部の路線について、運行状況をインターネット上で、パソコンやインターネット対応携帯電話(iモード・J-スカイ・EZweb)に試験的に情報提供することとしました。
また、バリアフリー施策として、他のバス路線に先駆けて、「ノンステップバス」の運行状況を試験的に情報提供することとしています。
本システムは、車両にGPSによる位置情報装置と通信装置を搭載し、その情報をリアルタイムに収集するもので、道路上の車の流れを把握して今後の道路政策に生かすことが出来るとともに、バスの位置情報、到着予測の提供により、公共交通の利便性向上、利用促進にもつながります。
導入するにあたっては、各バス停留所での到着予測時刻に限らず、現在運行中のバスの位置をリアルタイムに提供することで、最寄りのバスが現在どこにいるのかを利用者が把握できる『バスロケーションシステム』としています。
3.現 状
・呉広島空港線
現在、呉市営バスにおいて広島空港行きのバス運行が行われていますが、バスの時刻表はあるものの運行行程が長いため、事故などの道路状況により途中のバス停留所において予定の到着時刻になってもバスが来ない時、また、バス停留所に着いたが定刻に少し遅れてしまった時、「もう、バスは行ってしまったのか?」などの運行状況の問い合わせが数多く寄せられているところです。
・広長浜呉駅線のノンステップバス
現在、呉市営バスにおいて数多くのバス運行が行われていますが、バリアフリー対策として導入された低床車両「ノンステップバス」は広長浜呉駅線の2両のみの運行となっているため、当車両を利用したい方から呉市交通局に「ノンステップバス」の運行状況の問い合わせが数多く寄せられているところです。
また、交通バリアフリー法も成立しており、公共交通機関のバリアフリー化は、エレベーター設置、低床車両の導入等のハード面の整備は基より、ソフト面での取り組みも必要になってきています。
4.システム概要 (別頁参照)
GPS(全地球測位システム)とパケット通信網を利用したバスの位置情報及び到着予測時刻の提供を行うシステムです。(別頁1を参照)
バスの位置情報の提供はインターネット上のパソコンで、バス停留所へのバス到着予測時刻の提供はインターネット対応携帯電話及びインターネット上のパソコンで確認できます。(別頁2及び別頁3を参照)
5.導入メリット
・呉広島空港線
本システムを導入することにより、インターネット対応携帯電話(iモード・J-スカイ・EZweb)に各バス停留所へのバスの到着予測時刻を提供できますので、バス利用者のバス停留所で定刻になっても来ないバスを待ちながら、「もう、バスは行ってしまったのか?」「目的地に何時に着くのか」
といった不安な状況がなくなります。
特に、事故や冬期の積雪等で大幅にバスの運行ダイヤが乱れる場合、当システムによる到着予測時刻提供によるバス利用者にとってのメリットは、非常に大きいものと考えています。
また、パソコンによる提供では、リアルタイムのバスの位置も表示されますので、自分の利用しようとしているバスが今どこを走っているのかを確認することもできます。
・広長浜呉駅線のノンステップバス
本システムを導入することにより、数多く運行されているバスの中でも幅広い需要がある低床車両「ノンステップバス」の運行状況を、家にいながら、若しくは外出中でも知ることが出来ますので、車椅子を利用される方やベビーカーでお子さんと一緒に買い物される主婦の方などが自分の時間を有効に使いながら、「ノンステップバス」で気軽に移動できるようになります。
特に、当該車両を利用したい方をソフト面から支援し、タイムリーなバス利用が可能となることで、より移動しやすくなるものと考えられ、外出する機会も増えることが考えられます。
また、夏の暑い炎天下や冬の非常に寒い日など高齢者の方にとっては厳しい天候の日でも、バス停留所での待ち時間を最小限にすることが出来ます。
6.今後の展開
今後、呉市営バスの他の路線(郷原黒瀬線など)についても、利便性向上を支援する目的で、順次、提供を図っていく予定です。
また、情報入手方法についても、インターネット上のパソコンやインターネット対応携帯電話以外の方法(通常の電話を利用した音声による情報提供)について、検討していきたいと考えています。
7.導入スケジュール等
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平成12年11月1日 |
バスの位置情報、各バス停留所への
到着予測時刻提供開始 |
8.サービス提供のアドレス
参 考)
超低床バス(ノンステップバス)
- 地面から床までの高さが30?p(従来の車両より55?p低い)と低く、乗降口にはステップ(階段)が無いため、電動式のスロープ板を利用することによって、車椅子の方も自力で乗車することができます。また、乗降の際には、車体を傾けることにより乗降口をさらに7?p下げることができます。
車内にはシートを跳ね上げて車椅子2台を固定することができます。
- 排気ガスの低減のため、信号待ちなどでエンジンを停止させる「アイドリングストップ・アンド・スタートシステム」も備わっており、環境にも配慮したバスといえます。
- 呉市では、平成11年3月24日より広長浜呉駅線において2両を運行しています。
- 外観も車体の低さを強調したデザインとなっており、一目見てノンステップバスであることがわかります。
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[当資料に関するお問い合わせは]
国土交通省 中国地方整備局 広島国道工事事務所
TEL (082)281-4131 FAX(082)286-7897
E-mail Address:hirokoku@cg.moc.go.jp |
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