志津見ダム page 2/4

志津見ダム

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概要:
志津見ダム

流域の移り変わりと治水対策三瓶山島根半島大山〈縄文期〉出雲大社斐伊川志津見ダムの目的●『国引き神話』と流域の移り変わりやつかみずおみつぬのみこと「八束水臣津野命」が国をつくるのに、「出雲国は小さすぎるので各地から引いてきて継ぎ合わせた」・・・というのが『国引き神話』です。これはあくまでも神話ですが、斐伊川流域は長い年月を経て、地球規模の環境の変化や局地的な自然現象、人的開発の影響などを受けて地形が変化し、島根半島、出雲平野、宍道湖、中海などを形成してきました。『たたら製鉄』と『鉄穴流し』斐伊川下流部(出雲平野)は典型的な『天井川』『鉄穴流し』により大量の土砂が河川に流されたため、斐伊川下流部は川底が周囲の平野より高くなる『天井川』になり、洪水になると大きな被害が発生する2斐伊川放水路の建設とひいかわほんせん斐伊川本川の改修神戸川斐伊川放水路斐伊川中海・宍道湖への洪水の流入量をほうすいろひい減らすため、放水路を建設し斐伊かわかんどがわぶんりゅう川から神戸川の洪水の一部を分流かんします。洪水を安全に流すため、神どがわかわはばひいかわほんせん戸川の川幅を拡げ、斐伊川本川のかいしゅう改修も行います。太田市神戸川流域面積470km 2ようになりました。斐伊川・神戸川における治水対策日本海かんななが江戸時代から明治時代にかけて島根は全国屈指の鉄生産地であり、斐伊川のさてつ上流域では、『たたら製鉄』のため、土砂を川に流し、重さのちがいにより砂鉄かんなながを採取する『鉄穴流し』が盛んに行われていました。たたら製鉄ひいかわかんななが松江駅前昭和47年7月の梅雨前線豪雨でひいかわは、戦後最大の被害を斐伊川流域は受けました。ひいかわてんじょうがわその結果大社湾志津見ダム出雲ドーム神戸川長浜(神戸橋付近)斐伊川水系流域面積2,540km 2飯南町出雲市斐伊川斐伊川放水路馬木上島神戸川女亀山出雲市役所ひいかわかんどがわちすいたいさくひいかわほうすいろなかうみしんじこりゅうにゅうりょう広島県日本海出雲縁結び空港中尾国道横断松自江動線車道出雲市体育館川の流れ斐伊川(網状砂州)ひいかわ斐伊川(大津付近)直江~平成のおろち退治!(※志津見ダム)~宍道湖山陰自動車道雲南市てんじょうがわ荘原佐陀川尾原ダム島根半島松江市大橋川松江道路宍道湖奥出雲町しんじこ20m10m0m中海なかうみ境水道境港市安来道路鳥取県船通山斐伊川流域面積2,070km 2美保湾米子鬼太郎空港3りゅうかひいかわしんじこりゅうしゅつこう抜本的な対策が必要流下能力が小さい大橋川宍道湖の流出口となる大橋川は、りゅうかのうりょく流下能力(断面)が小さいため、しんじこ洪水になると宍道湖の水位が上昇し、一度氾濫すると洪水が長期間に及び甚大な被害が発生します。やまたのおろち米子市米子道路尾原ダム・志津見ダムの建設尾原ダム〈奈良期〉出雲大社〈現代〉出雲大社斐伊川宍道湖斐伊川1大橋川改修と中海・しんじここがんてい宍道湖の湖岸堤の整備宍道湖中海大橋川なかうみ洪水を安全に流すため、中海・しんじここがんおおはしがわていぼう宍道湖の湖岸や大橋川に堤防おおはしがわだんめんを築きます。大橋川の断面がかくふく不足する箇所では、拡幅を行います。志津見ダム弓ヶ浜弓中海※八岐大蛇伝説と関連づけたキャッチフレーズです。おばらでんせつ宍道湖斐伊川本川(宍道湖流入部付近)▽約400mのうりょく宍道湖大橋川約6m宍道湖と中海をつなぐ大橋川おおはしがわかいしゅうなかうみしつみ中海大橋川(矢田付近)下流へ流れる洪水を調整するため、洪水をちょりゅう一時的にダムに貯留します。▽約120m中海約6mこうずい●洪水調節●河川環境の保全●工業用水の供給●発電ちょうせつこうずいちょうせつ志津見ダムの洪水調節のしくみ平常時最高貯水位流入利水放流設備平常時最高貯水位貯留常用洪水吐き志津見ダムの特徴と工夫堤頂構造の簡素化志津見ダム建設地点における計画高水流量1,400m3/sのうち、900m3/sの洪水調節を行い、神戸川のひいかわほうすいろひいかわ洪水のピークを低減するとともに、斐伊川放水路とあいまって斐伊川下流部の洪水を低減します。ダム下流で利用される用水の安定供給に寄与するとともに、河川に生息・生育する動物・植物の保護のために必要な水を流します。島根県に対し、馬木地点において工業用水として、新たに日量10,000m3の取水を可能とします。志津見ダムの建設に伴って、島根県が設置した発電所において、最大出力1,700kwの発電を行います。志津見ダムの大きさ・かたち志津見ダムは、ダム本体に放流量を調節するゲートが無いゲートレスダムです。ちょすいちようりょうはいぶず●貯水池容量配分図とダムの構造総貯水容量50,600千m3志津見ダムは、自然調節方式を採用しています。流入平常時洪水時ダムの貯水位が平常時最高貯水位以下の場合には、利水放流設備から放流します。ていちょうさんりんほぜんせいど志津見ダムにおいては、山林保全制度の適用より、左右岸を行き来する必要がなく、また、洪水の調節方式が自然調節方式ていちょうぶ(ゲートレス)であることから、堤頂部を洪水時最高水位と一致かんりようつうろさせ、管理用通路として利用可能な形状にすることで、管理橋を取りやめ工期の短縮やコスト縮減を図っています。従来の方式洪水調節容量有効貯水容量40,200千m346,600千m3平常時最高貯水位標高245.7m利水容量6,400千m3(うち、河川環境の保全4,300千m3最低水位標高232.3m工業用水700千m3堆砂容量発電1,400千m3)4,000千m3こうぞうしぜん洪水時最高水位標高276.2mちょうせつ基礎地盤高標高199.5m放流ほうしきほうりゅうりょうけいかくこうすいりゅうりょうこうずいちょうせつかんどがわまきしゅすいちょうせつ常用洪水吐き平常時最高貯水位洪水によりダムの貯水位が平常時最高貯水位を超えて上昇すると、ダムへの流入量の一部をダムに貯留し、残りを常用洪水吐きから放流します。なお、洪水により放流量が急激に増加する恐れのある場合には、放流警報を鳴らします。ちょうせつほうしきしぜんちょうせつこうずいじ志津見ダムの方式7m堤体積41.6万m3さいこうすいい堤敷幅70mほうしきかんりきょう81.0m48.9m下流地盤からの高さ59.5m放流143m出雲ドーム減勢工ダム湖側よりダムを望む266mダム堤頂高標高280.5m貯水池の水位が上昇するとここから水が流れます。非常用洪水吐き22m100m計画を上回る洪水時流入ダム高81m81m貯留■高さ…出雲ドームの約2倍■幅……出雲ドームの約2倍■貯水量…出雲ドームの約106杯分■貯水池の広さ…出雲ドームの約140倍工業用水(1%)河川環境の保全(8%)そうちょすいようりょうひ総貯水容量比グラフ発電(3%)非常用洪水吐き常用洪水吐き放流計画を上回る洪水※が発生して、ダムの貯水容量が満杯になると、ダムの上部(非常用洪水吐き)からも水が流れます。このときには、流入量と放流量が等しくなります。※2日間で399ミリの豪雨(1年間に、この規模を超える降雨が発生する確率が150分の1の豪雨)非常用洪水吐き堆砂(8%)洪水調節(80%)計画を超える規模の洪水が起きたときに水が越流します。選択取水設備貯水池の上層~下層の任意の水深からの取水が可能な設備です。非常用洪水吐きからの放流状況(試験堪水時H23.3.30)