土地収用法に基づく事業認定制度

事業認定制度の概要

 道路や河川の改修、学校等の建設、鉄道の敷設、送電線の設置など公共の利益となる事業を行うためには、通常は事業の施行者が、土地の所有者との間に売買契約を締結して、その土地を取得します。
 しかし、買収に応じていただけない場合や土地の所有者の所在が不明の場合には、事業の施行者はこれらの土地の取得をすることができず、事業の実現が不可能となり、社会にとって著しい支障を生じることとなります。
 そこで、国土交通大臣又は都道府県知事は、事業の施行者の申請に基づいて、その事業が真に公共のために必要なものかどうかを審査し、その上で事業の施行者にその土地を強制的に取得できる権限を付与することができます。これを「事業の認定」といいます。
 地方整備局においては、都道府県や民間事業者※などが行う土地収用法第3条各号に該当する事業について、事業の認定の処分を行います。

(※民間事業=”中国地方内にて県域を越える”事業)

事業認定の要件

  • 土地を収用し、又は使用することが出来る公共の利益となる事業
    申請に係る事業の法的根拠等が土地収用法に定める適格事業であること等。
  • 起業者が該当事業を遂行する充分な意思と能力を有するもの
    意思=議会議決等を受けていること。
    能力=財源や組織、人員の配置等事業を遂行できる体制があること等。
  • 事業計画が土地の適正、且つ合理的な利用に寄与するもの
    申請に係る土地が当該事業に供されることにより得られる公共の利益と失われる私的あるいは公共の利益を比較衝量し、前者が後者に優越していると認められること等。
  • 土地を収用し、又は使用する公益上の必要があるもの
    収用又は使用の対象の範囲が公益性を発揮するために必要な範囲となっていること及び公益性を発揮するための手段が相当なものであること等。

以上の4つの要件を全て満たすときは、事業の認定をすることができます。

事業認定の手続き(概略図)

事業認定の手続き(概略図)