(1)流域及び河川の概要(1/4)

天神川流域図
天神川流域図

 天神川は、その源を鳥取県東伯郡三朝町の津黒山(標高1,118m)に発し、福本川、加谷川、三徳川の小支川を合わせて北流し、 倉吉市において小鴨川と合流後、北栄町・湯梨浜町において日本海に注ぐ、幹川流路延長32km、流域面積490km2の一級河川である。
その流域は、倉吉市をはじめとする1市3町からなり、流域の土地利用は山地が約89%、田畑等の農地が8%であり、宅地等の市街地が3%となっている。
天神川
天神川
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 天神川流域では古くから農業や繊維製品の生産がさかんであるとともに、豊富な山林資源を利用した林業、家畜の飼育などが行われてきた。 鳥取県は梨の生産で有名であるが、特に「二十世紀梨」は国内収穫量の約5割を同県が占めている。 その主産地は、倉吉市を中心とする県中部地域が生産の拠点である。
大山
大山 東壁
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また、流域の中上流を構成する三朝町や倉吉市では、ラジウムの含有量が多いことで知られる三朝温泉、関金温泉といった温泉地が川沿いに位置している。 また、大山隠岐国立公園および三朝東郷湖県立公園の一部が流域に位置しており、自然の観光資源にもめぐまれるとともに、 鳥取県中部の社会経済の基盤をなしていることから、本水系の治水・利水・環境についての意義は極めて大きい。

 流域の地質は天神川と小鴨川の合流点から上流の山地部と下流部の沖積平野に大別され、本川の上流部の地質は中生代末期の花崗岩類、支川小鴨川上流部は大山の 火山噴出物で覆われており、流出土砂が多い。 流域の東西南部は1,000mを越える山々に囲まれており、特に、西部には中国地方の最高峰大山(標高1,709m)の裾野から続く比較的なだらかな傾斜が海岸まで伸びているが、 東南部は平地の少ない峡谷となっている。流域上流部の小鴨川・国府川筋および天神川・三徳川筋とも直轄砂防区域に指定されている。
 流域の気候は日本海側気候に属しており、年間降水量は平野部の倉吉で約1,700mm、山地部の関金で約1,900mmであり、小鴨川流域が多雨傾向にある。

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