浸水想定区域図

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浸水想定区域図と氾濫シミュレーション

吉井川・旭川・高梁川流域では、これまで幾度となく洪水被害に見舞われておりますが、このWebサイトは国が管理する区間において、河川整備の長期的目標としている規模の洪水により、堤防が破堤(決壊)した場合の洪水氾濫状況をシミュレーションした結果を示したものです。

このWebサイトに示したものは、概ね150年に1回程度起こる大雨が降った場合を想定してシミュレーションしています。

吉井川の場合は、2日間の総雨量が270mm、旭川は257mm、高梁川は248mmの大雨を想定しています。

1.破堤位置

─ 実際には必ずしもそこから氾濫するわけではない

このWebサイトに示した氾濫シミュレーションは、洪水を流しにくい場所のうち、氾濫による被害が最も大きくなると思われる場所を破堤点に選んで浸水範囲を予想しています。
実際に氾濫が起きる場合にも、このシミュレーションと同じ場所で堤防が破堤(決壊)するとはかぎりません。したがって、実際に氾濫が広がる方向はこのシミュレーションと異なる場合があります

2.破堤現象

─ 実際には川から溢れ出る量は計算とは異なる場合がある

「破堤」という現象は、破堤箇所の堤防の土質や河道の平面形状によって異なり、氾濫する流量は洪水によっても異なります。それを、計算上では統計的に作成した破堤幅の計算式を使って、堤内地盤高までの越流水深で算定しています。だから…

3.越水現象

─ 破堤は生じなくとも越水の危険性もある

このWebサイトに示した氾濫シミュレーションでは、破堤による浸水範囲を示しましたが、実際の氾濫は、破堤だけでなく、越水(水が川の堤防を越えて流れる)が原因となる場合もあります。
右に示した図は、破堤を想定した場所以外にも流れにくい場所で越水が生じる可能性があるため、それによる氾濫を示したものです。

また、このシミュレーションでは、150年に1回程度の洪水を想定しておりますが、これを越える規模の洪水が生じる可能性はゼロではありません。
したがって、たとえ国が目標にしている河川整備が終了したとしても、洪水に対する防備は万全ではないのです。このような大規模洪水が生じた場合でも、被害を最小限に食い止めるため、水防活動が重要となります。

越流説明図
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を複製したものである。(承認番号 平21総複、第88号)

4.内水氾濫

─ 実際には、本川があふれる前に支川の下流で浸水が始まることがある

ご存じのように、本川に合流する小さな支川の末端には、図のような水門が設置されていて、本川水位が高い場合には逆流を防止するためにこの水門が閉められます。その後は支川を流れていた水は本川へポンプ排水されます。
しかし、このポンプの能力よりも大きな水量が支川に集まってきた場合、本川へ排水できない水が溜まっていきます。この現象を「内水」と言います。

このWebサイトに示した氾濫シミュレーションは、国が管理する川のみの破堤(あるいは越流)による氾濫を予想したものです。したがって、「内水」による氾濫は示していません。「内水」による浸水範囲は、破堤による浸水範囲よりも狭いと考えられますが、本川の破堤が起きる前に内水氾濫が起きる可能性は大きいので注意が必要です。

5.対象洪水

─計算とまったく同じ洪水は2度と来ない

このシミュレーションでは、150年に1回程度の洪水を対象にしています。しかし、雨の降り方はそのときの気象条件に左右されますから、今後発生するかもしれない洪水は、そのピークの水量が同じ程度であっても、時刻ごとの波形が異なります。水量の波形が異なれば、氾濫する水の量も異なってきます。
したがって、実際に氾濫する水の量はこのシミュレーションと異なる場合があります。

6.計算単位

─氾濫計算は、家屋1軒1軒の浸水の有無を再現したわけではない

実際の地形
実際の地形

計算のための模擬地形
計算のための模擬地形

このWebサイトに示した氾濫シミュレーションは、岡山三川の氾濫域を約50m四方の四角形に区切り、その平均的な地盤高を用いて氾濫の広がり方を予想しています。したがって、家屋1軒1軒の土地の高さを反映しているわけではありませんが、もっと広い範囲での氾濫の広がり方は、おおむね表わせています。