岡山の大地に降った雨は山、田畑、町を通り瀬戸内海に流れていきます。山の中の小さな谷で生まれた川と川が出会い一つの流れとなり、多くの川が集まり大きな川となって海にたどりつきます。岡山には東から吉井川、旭川、高梁川という3つの大きな川があります。そのほか児島湖に入る川や、直接瀬戸内海に流れる小さな川もあります。ここでは3つの大きな川を中心に岡山の川とその土地について紹介します。
高梁川 | 旭川 | 吉井川 | |
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流域面積(水の流れ込んでくる広さ) | 2,670km2 全国で23位 |
1,810km2 全国で37位 |
2,110km2 全国で30位 |
幹川流路延長(本流の長さ) | 111km全国で44位 | 142km全国で23位 | 133km全国で30位 |
源流(本流の始まり) | 花見山(新見市) | あさなべわしがせん 朝鍋鷲ヶ山(真庭市) |
三国山(鏡野町) |
主な支川(本流に入ってくる主な川) | 小田川、成羽川 | 砂川、宇甘川、備中川、新庄川 | 金剛川、吉野川、加茂川 |
吉井川や旭川は岡山県内に降った雨を集めて流れますが、高梁川の上流部には広島県の一部が含まれます。
吉井川、旭川、高梁川は河口からそれぞれ中国山地のふもとに位置する津山市、勝山町、新見市まで比較的ゆるやかですが、それから上流は急な流れとなります。
岡山の気候は、背後の中国山地、前面の瀬戸内海、対岸の香川県の背後にある四国山地のおかげで、雨や雪も少なく非常に温暖です。特に海岸に近い平野部で年間降水量が1400mmと雨が少なく、中国山地に向かって雨が多くなります。県境付近の山岳部では年間降水量が2000mmと日本の平均降水量1800mmよりも多く降ります。
「岡山地方気象台 岡山県気象年報 平成11年(1999)」より
岡山平野は川が作り出した平地の前面に、浅い海を干拓したり埋め立てて人間が作り出した平地が広がっています。
ヨーロッパやアメリカでは土地のもっとも低いところを川が流れ、万一川の水が増えて洪水になったとしても、川沿いの土地が浸水するだけで被害は限られています。しかし岡山平野の場合、川からの洪水で上流から運ばれてきた土砂によりつくられた平地やもともと海だった場所の周りを堤防でかこみ陸地とした干拓地など、洪水がおこれば安心できない土地がたくさんあります。岡山平野は堤防で守られている平野です。
自動車や鉄道がなかった昔は川を舟で行き来していました。吉井川、旭川、高梁川の下流部にはそれぞれ西大寺(現在の岡山市西大寺)、岡山の城下町、倉敷という町があり、川と海の交通の中心でした。津山、勝山、新見や成羽まで川舟が上り、上流からは砂鉄、木材、米がくだり、下流から上流には塩などが運ばれました。
なお、岡山の川で利用された舟は高瀬舟と呼ばれ、江戸時代のはじめから京都や日本各地の川で使われるようになりました。