本格的な百間川改修に着手

旭川は流域の各地に豊かな恵みをもたらしてきた一方で、
人々は度重なる洪水の対策にも追われてきました。

旭川水系の過去の主要洪水

発生年月注1) 発生原因 下牧ピーク
流量(m3/s)
下牧上流域
2日雨量(mm)
被害状況注2) 備考
明治25年 7月23日 台 風 死者 3名
流潰家屋 2,728戸 浸水家屋 18,183戸
明治26年10月12日 暴風雨 死者 120名
流潰・被災家屋 27,315戸
昭和 9年 9月21日 室戸台風 約7,600*1 225.6 死者 60名
流潰家屋 2,929戸 浸水家屋 35,214戸
昭和20年 9月18日 枕崎台風 約4,800*2 169.0 死者・行方不明者 不明
流失家屋 77戸 浸水家屋 2,110戸
昭和47年 7月11日 梅雨前線 約4,610*3 268.7 死者・行方不明者 4名
流失家屋 25戸
床上浸水 1,225戸 床下浸水 3,084戸
平成10年10月18日 台風10号 約4,310*3 179.9 死者・行方不明者 3名
床上浸水 358戸 床下浸水 615戸
平成16年 8月31日 台風16号 約 760*3 72.0 床上浸水 9戸 床下浸水 7戸
沖元地点 T.P.+2.632m(既往最高潮位)
高潮被害
平成18年 7月19日 梅雨前線 約2,730*3 166.2 床上浸水 1棟
床下浸水 33棟
平成23年 9月 3日 台風12号 約3,140*3 239.8 床上浸水 77棟
床下浸水 339棟
平成30年 7月 7日 梅雨前線 約4,150*1 362.9 床上浸水 2,226世帯
床下浸水 3,842世帯
注1) 発生年月日は、実績最大流量の観測日。
注2) 被害状況は旭川水害史、水害統計による(水系内の集計値)。
平成30年7月豪雨は、岡山市内における御津国ヶ原及び砂川での外水被害や内水被害。
*1: 氾濫解析結果からの再現流量 *2:「河川総覧」記載値 *3:下牧地点実測値
昭和9年9月洪水(岡山市北区 内山下地区)
岡山市松浦氏提供
昭和9年9月洪水(岡山市北区 相生橋)
岡山市松浦氏提供
昭和47年7月洪水(岡山市北区 京橋地区)
昭和47年7月洪水(岡山市中区 海吉地区)
平成10年10月洪水(岡山市中区 東西中島地区)
平成10年10月洪水(岡山市中区 分流部)

昭和49年、
本格的な百間川改修に着手

百間川は、岡山城下を洪水から守るとともに、下流域の新田開発のために築造されて以来、約300年にわたり旭川の放水路として岡山平野を洪水の氾濫から守る大切な役割を果たしています。
国土交通省では、百間川の役割の継承と、百間川沿川における安全確保の両立をめざして、昭和49年に築堤等の本格的な百間川改修に着手し、平成9年には工事実施基本計画(平成4年改定)の百間川の計画高水流量(最大毎秒2,000トン)に対応した堤防が概成しました。
河川整備基本方針の流量配分図
旭川放水路(百間川)改修事業

堤防整備、河道掘削

整備前

操山-みさおやま-

整備後

操山-みさおやま-

橋梁整備

整備前

整備後

新設橋梁
陸閘の廃止

樋門整備

整備前

整備後

百間川史年表

年号 西暦 記    事
明治 4年 1871 洪水。
5年 1872 洪水。
13年 1880 洪水。
14年 1881 洪水。
19年 1886 洪水。
25年 1892 大洪水。
26年 1893 大洪水。
29年 1896 河川法制定される。
34年 1901 旭川は、国の直轄河川となった。
大正 14年 1925 旭川改修期成同盟発足。
15年 1926 旭川改修計画の樹立・直轄改修に着手。
昭和 元年 1926 旭川改修計画を樹立(計画高水流量
本川:3,3002m3/s、放水路:1,000m3/s)。
9年 1934 大洪水(室戸台風)、旭川改修計画を改訂。(計画高水流量 本川:3,500m3/s、放水路:2,000m3/s)。
15年 1940 後楽園東側に旭川支流を開通。
20年 1945 大洪水(枕崎台風)、用地買収に着手。
23年 1948 食糧増産政策により計画変更(計画高水流量:4,500m3/s、放水路:1,000m3/s)。
28年 1953 旭川、湯原ダム完成により計画変更(計画高水流量本川:3,800m3/s、放水路:1,000m3/s)。
36年 1961 遊水効果の見直しによる計画変更(計画高水流量本川:3,800m3/s、放水路:1,200m3/s)。
39年 1964 河川法改正。
41年 1966 4月、旭川一級水系に指定。
7月、工事実施基本計画策定(計画高水流量 本川:3,800m3/s、放水路:1,200m3/s)。
43年 1968 百間川河口水門完成。
45年 1970 旭川直轄河川改修事業(旭川放水路)採択。
47年 1972 7月豪雨。用地買収が本格化。
49年 1974 百間川改修工事始まる。
51年 1976 用地買収ほぼ完了。9月洪水。
56年 1981 庄内川水門・庄内川排水機場完成。
58年 1983 暫定通水断面(800m3/s対応)概成。
63年 3月 百間川緑地整備基本計画策定。
平成 元年 1989 3月、河川環境管理基本計画策定。
4年 1992 4月、工事実施基本計画改定(計画高水流量 本川:4,000m3/s、百間川:2,000m3/s)。
9年 1997 百間川築堤概成。
河川法改正。
10年 1998 10月洪水。
13年 2001 百間川河口水門増築事業の着手。
16年 2004 8月洪水。
20年 2008 1月、旭川水系河川整備基本方針策定。
23年 9月洪水。
25年 2013 3月、旭川水系河川整備計画策定。
27年 2015 1月、百間川分流部改築着手。
3月、百間川河口水門増築完成。
30年 2018 7月豪雨。
令和 元年 2019 旭川放水路事業完成。