チュウシャクシギ
 Numenius phaeopus
分 布
ユーラシア大陸と北米大陸の亜寒帯から寒帯に繁殖地をもち、冬はアフリカ大陸、ユーラシア大陸の温帯から亜熱帯、ニューギニア、オーストラリア、ニュージーランド、南アメリカに渡る。日本には旅鳥として北海道から沖縄まで各地に渡来する。
分 類 チドリ目 シギ科
生息環境区分 水辺の鳥
渡り区分区分 旅鳥
漢字名 中勺鷸
形 態
全長約42 p、翼を広げた大きさ約80 p。雌雄同色で成鳥は背からの上面は褐色で、淡色の細い羽縁と斑点がある。腹からの体下面は白っぽく、脇から下尾筒(げびとう)にかけて褐色横斑がある。眉斑と頭央線が白っぽく、頭側線と過眼線(かがんせん)は黒褐色。顔から胸は淡色で褐色の縦斑がある。嘴(くちばし)は黒く、脚は青灰色。飛翔時は背から腰は白っぽい。
 夏・冬羽ではそれほど差異はない。幼鳥は成長に似るが、上面や翼の羽縁の斑点が大きい。
鳴き声:飛び立つときは「ホィー、ピピピピピ」と鳴く。飛翔中にも鳴くことがある。
類似種
ハリモモチュウシャクは背面の斑点が明瞭であり、上尾筒は淡い橙褐色であることで区別できる。シロハラチュウシャクシギは頭側線がなく、下面が白っぽくて胸から脇にハート形の点があることで区別できる。
生息場所
干潟、河口、護岸の岩場、農耕地、河川に生息する。河川では、かなり内陸に入ることもある。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:日本では繁殖しない。
産卵場所:ツンドラ地帯で繁殖を行う。つがいでなわばりを持ち、地上に巣を作る。
卵・雛:卵数は普通4卵。抱卵日数は27〜28日である。雛は孵化後5〜6週間で独り立ちする。
食 性
泥の上や浅い水中を活発に歩きながら採餌し、長い嘴を泥の中に差し込んで、大型のカニをよく捕らえる。ホウロクシギなどと同様に、カニの足を落としてから飲み込む。また、昆虫、甲殻類、貝類、その他の小動物も捕食する。
長い距離を移動するときは隊列を組む。採餌中に他の個体が近づくと追い払うことが多いが、休息するときは密集した群れを作る。
太田川では、5月の渡りの時期によく見られる。
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