ウミネコ
 Larus crassirostris
分 布
日本海付近の特産亜種で、日本国内では北海道、本州、九州に集団繁殖地があり、個体数は多い。非繁殖期には全国で見られ、1〜2歳の若鳥は一年中各地で見られる。
分 類 チドリ目 カモメ科
生息環境区分 水鳥
渡り区分区分 留鳥
漢字名 海猫
形 態
全長約47 p、翼を広げた大きさ約120 p。雌雄同色。成鳥夏羽は頭部からの体下面が白く、背や翼上面は黒灰色。初列風切(しょれつかざきり)はほとんど黒く、一部の羽先がわずかに白い。尾は白く黒帯がある。嘴(くちばし)は黄色く、先端が赤くてその内側が黒い。脚は黄色。冬羽は頭部に灰褐色斑がある。
 幼鳥は全体に暗色で黒褐色みが強く、肩羽や翼上面には淡色の羽縁があり、うろこ状に見える。顔前部は白っぽい。嘴はピンク色で先が黒い。脚は肉色。第2回冬羽頃から嘴が黄色みを帯び始め、先端に赤みが出てくる。
 日本産のカモメ類で、成鳥で尾に明瞭な黒帯が残るのは本種だけである。4年目で成鳥羽になる。
鳴き声:繁殖地では「ミャーオ」とか「ワーオ」と鳴きたてる。人などが近づくと「クワッ、クワッ」とか「クァーッ」という鋭い声を上げて攻撃してくる。「ミャー」とか「アー」とネコのような声で鳴く。
類似種
カモメに類似するが、尾に顕著な黒帯があること、背はやや濃色で石板青灰色であることにより区別できる。カモメの仲間では、本種よりからだが大きくて背の色が本種と同じくらい濃ければオオセグロカモメ、本種より淡ければセグロカモメ、本種と同じくらいの大きさで背の色が淡ければカモメである。
生息場所
繁殖期の成鳥は繁殖地の島の近くに生息する。非繁殖期の成鳥、若鳥は全国の沿岸、港、河口、干潟などに生息する。大河川に沿って内陸にはいることもある。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:4〜6月
産卵場所:繁殖地である島の草原、岩壁、岩礁上などに集団で営巣する。枯草、枯葉、海藻、羽毛など敷いた巣を作る。
卵・雛:卵数は普通2〜3個で、稀れに4個。大きさは約65.5×46 mmである。抱卵日数は24〜25日である。
食 性
食性は肉食で、魚類、両生類、イカ、昆虫などを食べる。他の海鳥の餌を奪い取ることも多い。
繁殖地が日本とその近海に限られるため、天然記念物に指定されているコロニーもある。
太田川では、冬期に少数が中流域まで飛来するのが見られる。
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