ヒヨドリ
 Hypsipetes amaurotis
分 布
全国に広く分布している。国外では台湾、フィリピンに分布する。
分 類 スズメ目 ヒヨドリ科
生息環境区分 陸鳥
渡り区分区分 留鳥
漢字名
形 態
全長約28 cm、翼を広げた大きさ約40 p。尾が長めで体形はやや細身。雌雄同色で成鳥は全体に灰褐色。頭部や喉、頚は青灰色みが強い。耳羽は茶色で、翼や尾は褐色。胸から腹は灰色で、細かい白斑が密にある。脇は橙褐色味を帯びる。下腹は白っぽく、下尾筒(げびとう)は軸斑が灰褐色で、白い羽縁がある。嘴(くちばし)は黒く、脚は暗赤褐色。
鳴き声:「ピーヨ、ピーヨ」と騒がしく鳴く。飛びながら「ピーッ、ピーッ」と鳴く。
類似種
太田川周辺に類似種の確認はないようである。
生息場所
平地の都市部から山地の森林まで、極めて広く生息している。樹木のある環境であれば、いたる所に生息する。市街地の街路樹や公園の木に営巣するようになったのは1970年以降のことで、都市化への適応の例として注目されている。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:5〜7月
産卵場所:低山帯、平地の深い森林中の樹枝上に営巣する。市街地の公園、庭園などでも繁殖する。巣は枯枝、樹皮、枯松葉、枯草、落ち葉などを主材として、内部に細根、細木、松葉などを敷く。
卵・雛:卵数は4〜5個。大きさは約29.5×20.5 mmである。卵は地色帯赤灰白色で赤褐色、紫黒色、紫灰色などの斑点が散在する。斑点の量は巣により、多いものと少ないものとがある。
食 性
繁殖期である春夏にはコガネムシ、カマキリなどの大型昆虫を好んで捕らえることが多いが、秋冬は主に柔らかい果肉を持った木や草の液果である。実は丸呑みするため、種子は体内に入り、糞とともに排出されるので、ヒヨドリによって遠くへ運ばれることになる。またヤブツバキの蜜を好んで吸い、花粉を媒介する。時には農作物や果樹に被害を与えることもある。
山林から市街地まで広く生息しているため、いたる所で見ることができる。もっとも身近な野鳥のひとつである。
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