アナジャコ
 Upogebia major
分 布
国内では、北海道から沖縄までの日本全国に広く分布する。国外では、朝鮮半島に分布する。
分 類 エビ目 アナジャコ科
形 態
体長約90 o。第1胸脚は左右相称で、可動指に比べ不動指が著しく短い不完全な鋏(はさみ)となる。腹部は平たく柔らかい。
類似種
近縁種としてヨコヤアナジャコがある。アナジャコでは、第1胸脚の可動指のかみ合わせ部分が根元近くに鈍く幅広い1歯があり、他の部分は平滑であるのに対し、ヨコヤアナジャコではこの部分に1〜2歯があり、他の部分にも刻み目があることで区別できる。また、分布域もヨコヤアナジャコは九州南部から沖縄に偏っている。
生息場所
干潟や内湾の泥底に30〜100 cmのU字もしくはY字形の巣穴を掘り、そのなかに生息する。
生活サイクル
繁 殖
繁殖:産卵期は春〜夏で、雌が巣穴内で受精卵を抱卵する。
食 性
付属肢を使って巣穴内に水流を起こし、水中に含まれる有機物を口縁部と第1胸脚に密生する羽毛状の毛とで、こしとるようにして摂食する。
瀬戸内海や有明海の干潟では、筆を巣穴に入れて釣り上げる漁法がある。
釣りの餌に利用されるが、食用にしても珍味である。
種の胸部の付け根にマゴコロガイと呼ばれる二枚貝が付着していることがある。
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