2004年(H16年)の水害
 2004年8月27日〜8月31日/台風16号による氾濫と高潮災害
大型で猛烈な勢力を持って九州を縦断し、7月30日17時半頃、山口県防府市付近に再上陸した後、中国地方を横断して日本海へ抜けた。速度が遅く、大規模な雨雲を伴っていたことから、27日から31日にかけての期間降水量は、西日本の太平洋側で500mmを超え、台風上陸、接近に伴い各地で暴風となった。また、30日夜には、台風接近と大潮期間の満潮とが重なり、高潮災害も発生し、高松港、宇野港などでは観測開始以来最も高い潮位を観測した。
  (資料参照/『災害をもたらした気象事例(平成元年〜本年)>台風第16号』他より
/気象庁ホ−ムペ−ジ他資料)
  香川県では高松市を中心に、年間で最も潮位が高くなる時期と台風の襲来が一致したうえ、気圧低下の吸い上げ効果による海面上昇、強い風による吹き寄せという3つの条件が重なり、高潮による大きな被害が発生した。高松港では従来の最高潮位1.94mを上回る、観測史上最高の2.46mを記録し、対岸の岡山県宇野港でも、観測史上最高の潮位に達した。愛媛県では県内全域で大雨となり、大洲市では、1979年以降の観測史上最高となる日雨量179mmを記録した。山間部でも大量の降雨があったことによって肱川が増水し、30日の午後10時過ぎに氾濫、町の川沿い一帯が泥水の湖のような状態になった。高知県では強風の影響が大きく、窓ガラスの破損、家屋の屋根の破壊、樹木の倒壊などが相次いだ。
  (資料参照/『災害列島2005 2004災害を振り返る』より/国土交通省)
主な被害地域  香川県・愛媛県 人的被害(名) 死者     4
住宅等被害(棟) 家屋全壊     8 負傷者    45
家屋半壊    23 行方不明     3
一部損壊   639 環境等被害(箇所) 崖崩れ     −
床上浸水  8842 橋梁流出     −
床下浸水 15108 河川損壊     −
その他       その他     0
(資料参照/『平成16年 台風第16号による被害状況(第11報)』より/平成16年9月15日 消防庁)
   
台風16号の経路(気象庁台風経路図より)
高松市の高潮浸水区域図〔資料提供/四国地方整備局〕
(資料参照/『災害列島2005 2004災害を振り返る』より/国土交通省)
  香川県の様子
高潮により浸水した高松市街(福岡町)
〔写真提供/四国地方整備局〕
街中が浸水しボートで救助される人たち
(高松市松福町)〔写真提供/毎日新聞社〕
(写真/『災害列島2005 2004災害を振り返る』より/国土交通省)
高潮による浸水状況(香川県高松市)
(写真/『水害レポ−ト2004』より/(社)日本河川協会)
  愛媛県の様子
肱川大洲盆地の浸水状況(愛媛県大洲市)
肱川水系久米川からの浸水状況(左)と越水状況(右)(愛媛県大洲市)
(写真/『水害レポ−ト2004』より/(社)日本河川協会)