2004年(H16年)の水害
 2004年10月18日〜10月21日/台風23号による河川増水と高潮
18日18時に大型で強い勢力となって沖縄の南海上を北上した台風は、20日13時頃、大型の強い勢力を保ったまま高知県土佐清水市付近に上陸した後、15時過ぎ、高知県室戸市付近に再上陸した。その後、18時前、大阪府南部に再上陸して、近畿地方、東海地方、関東地方へと至った。台風と前線の影響による期間降水量は、四国地方や大分県で500mmを超えたほか、近畿北部や東海、甲信地方で300mmを超え、広い範囲で大雨となった。
  (資料参照/『災害をもたらした気象事例(平成元年〜本年)>台風第23号と前線』他より
/気象庁ホ−ムペ−ジ他資料)
  台風23号と前線による総雨量は、四国地方で500mmを超える大雨となった。この大雨により四国地方の各地で河川の氾濫や内水により広い範囲で浸水被害が発生し、四国一円で人的被害27名を含め甚大な被害となった。
  (資料参照/『水害レポ−ト2004』より/(社)日本河川協会)
  台風23号は10月23日、高知県土佐清水市に上陸し、高波による被害が発生した。同県室戸市では13.5mの有義波高を記録し、これは全国港湾海洋波浪情報網(ナウファス)の観測史上(昭和45年〜)最大となった。この波が堤防を約30mにわたり倒壊して、流失したコンクリートとともに堤防沿いの民家13件を直撃し、住民3人が死亡した。この人的被害、家屋被災の原因は、堤防を乗り越えた水塊が背後の家屋を被災させるとともに、堤防の倒壊・流失により被害を拡大させた。この堤防の被災形態は、これまでの海岸災害では見られないものであった。
  (資料参照/『災害列島2005 2004災害を振り返る』より/国土交通省)
主な被害地域  徳島県・香川県・愛媛県・高知県 人的被害(名) 死者    27
住宅等被害(棟) 家屋全壊    67 負傷者    37
家屋半壊   107 行方不明     0
一部損壊   344 環境等被害(箇所) 崖崩れ     −
床上浸水  6534 橋梁流出     −
床下浸水 16794 河川損壊     −
その他      その他     0
(資料参照/『平成16年台風第23号による被害状況について(第17報)』より/平成18年8月9日 内閣府)
   
台風23号の経路(気象庁発表台風経路図より)
  徳島県の様子
那賀川の氾濫による浸水状況(徳島県鷲敷町)
(写真/『水害レポ−ト2004』より/(社)日本河川協会)
新池川の氾濫による浸水状況(徳島県鳴門市大津町)
(写真/『水害レポ−ト2004』より/(社)日本河川協会)
吉野川の増水による内水氾濫(徳島県脇町)
(写真/『〜四国地方整備局と取り組みと今後の対応〜平成17年3月』より/国土交通省)
  香川県の様子
本津川の氾濫後の状況(香川県高松市鬼無町)
(写真/『水害レポ−ト2004』より/(社)日本河川協会)
香川県さぬき市大川町田面(たづら)通谷川(とおりだにかわ)の土石流災害状況
(写真/『平成16年 台風23号による災害について』より/(社)全国治水砂防協会ホ−ムペ−ジ)
  愛媛県の様子
小屋谷川の氾濫後の状況(愛媛県新居浜市清住町)
(写真/『水害レポ−ト2004』より/(社)日本河川協会)
  高知県の様子
高波で破壊された堤防と住宅(高知県室戸市)〔写真提供/読売新聞社〕
(写真/『災害列島2005 2004災害を振り返る』より/国土交通省)
後川の氾濫による浸水状況(高知県中村市安並)
(写真/『水害レポ−ト2004』より/(社)日本河川協会)