せんじょうちはどうしてできたの?



 山は、山地の(せま)峡谷(きょうこく)から開けた平地に出ると、急に川幅(かわはば)が広がり流速や水深は小さくなります。流速や水深が小さくなるほど、川が土砂(どしゃ)を運ぶ力も小さくなるため、洪水(こうずい)の時に山から運ばれてきた土砂(どしゃ)は、(あら)砂礫(されき)から順に流れに沿()って堆積(たいせき)していきます。こうして川底が土砂(どしゃ)堆積(たいせき)によって高くなっていくと、より低いところへ流れる川の性質(せいしつ)から、大きな洪水(こうずい)のたびに流れの向きを変え、長年の年月の間に放射状(ほうしゃじょう)()れながら流れ、土砂(どしゃ)堆積(たいせき)させて、扇状地(せんじょうち)をつくります。

 扇状地(せんじょうち)がつくられる条件(じょうけん)
  @上流の山地が浸食(しんしょく)されやすく、急斜面(きゅうしゃめん)である
  A下流の土砂(どしゃ)堆積(たいせき)する地域(ちいき)は、川が自由に流れを広げた
   り移動したりできるほど広いこと
  B砂礫(されき)がもっていかれたり、水面下に(ぼっ)してしまうような
   地形ではないこと