川の生き物がかせんの工事によって
 少なかったり、いなくなったりしないの?



 河川工事(かせんこうじ)が行われた後の川では、魚の数が()った、種類が少なくなった、あるいは水鳥がいなくなった、などという話をよく聞きます。極端(きょくたん)な例として、農業用水路などでみられる「三面()り」といわれる両岸と川底の三方を全てコンクリートで固めてしまったような川では、ほとんどの生物が激減(げきげん)するといわれています。
 これまでの河川工事(かせんこうじ)では、洪水被害(こうずいひがい)防止(ぼうし)や人間の利用が優先(ゆうせん)され、川の生き物の生息環境(せいそくかんきょう)が失われることも少なくありませんでした。現在(げんざい)では、生態系(せいたいけい)に悪い影響(えいきょう)(およ)ぼすような河川工事(かせんこうじ)のやり方を反省し、生き物とその生息環境(せいそくかんきょう)を守りながら、河川工事(かせんこうじ)を行う方法が試みられており、代表的なものに「多自然型(たしぜんがた)工法」があります。