土のはたらき



 土は個体(こたい)液体(えきたい)・気体、つまり土の(つぶ)とそのすき間を満たす水および空気からなりたっています。植物や作物の根がよくはっている土の表面近く、すなわち地面から20〜30cmの黒い色をした表土は、すき間も多く腐植(ふしょく)()ばれる有機質(ゆうきしつ)をたくさん(ふく)み、ミミズなどの住み家であるほか1立方センチメートル(小さじ一杯(いっぱい)ほど)の土の中に、千万から億単位という微生物(びせいぶつ)生存(せいぞん)しています。これは、日本の人口に匹敵(ひってき)するくらいの数なのです。
 このように作物栽培(さくもつさいばい)の面からみた土は土壌(どじょう)()ばれ、作物の体を(ささ)えまた作物の成長に必要な養分や水分を保持(ほじ)するとともに、地温を(たも)ち、根の伸長(しんちょう)呼吸(こきゅう)吸収(きゅうしゅう)などの生理作用を(いとな)む生きた環境(かんきょう)となっています。