天気のことわざと生活



 加計町など広島県内陸部に古くから言い伝えられてきたことわざのうち、天気や災害(さいがい)に関するものを紹介(しょうかい)します。

(はち)の巣が低いと台風が多い」
 台風の強風を()けるためにあらかじめ低いところに巣をつくる(はち)習性(しゅうせい)から、長期予報(ちょうきよほう)ができると言うことです。

「寒中の(かみなり)は夏日照り」
 冬に大陸の高気圧(こうきあつ)威力(いりょく)が強い年に夏に日照りになりやすいということです。

(とび)()うと雨」
 雨雲をもたらす上昇気流(じょうしょうきりゅう)に乗って(とび)などが空を()うので雨が()るということです。

「こうぞうの葉の(あつ)い年は大雪」
 その夏の成長の良い年の冬は大雪になりやすいということです。ゴマの実入りの良い年は大雪、麦の芽だしの足の長い年は大雪などという地域(ちいき)もあります。

「月が(かさ)をさすと雨、(かさ)の中に星が見えると晴れ」
 (かさ)をさした月とは「おぼろ月夜」のことで、温暖前線(おんだんぜんせん)低気圧(ていきあつ)が近づくと、すじ雲(絹雲(けんうん))がまず発生し、次にうす雲(絹層雲(けんそううん))が(あらわ)れ、次第に低い雲となり雨が()り始めます。一方、(かさ)の中の星というのは、星のまばたきを意味しています。これは、空気の波動が(はげ)しいときにみられ、移動性高気圧(いどうせいこうきあつ)などの前面から中心近くにおける天気を表しています。

子供(こども)の長遊び、明日は雨」
 「夕方、子供(こども)がはしゃぐと雨になる」という地方もあります。低気圧(ていきあつ)が近づき雨になる前日は、一般(いっぱん)に南風が()いて(あたた)かいので、子供(こども)は陽気にルンルン気分になるという。しかし、暗くなるまで遊ぶのは危険(きけん)などもともなうので、早く帰宅(きたく)するようにという、(いまし)めとも考えられます。