こうずいから身を守るためのれきしてきなしせつやくふうについて



 むかしの人々が洪水(こうずい)から身を守る工夫をしてきたものには、「水屋(みずや)」と「輪中(わじゅう)」といったものがあります。

水屋(みずや)
 水屋は、屋敷内(やしきない)石垣(いしがき)を高く(きず)いて、その上に建物を()せたものです。石垣(いしがき)の高さは洪水時(こうずいじ)にも水がつからないように3〜5m以上に(およ)び、建物には非常用(ひじょうよう)の米や味噌(みそ)などの食料のほか、生活用の雑貨(ざっか)保管(ほかん)して長期の洪水(こうずい)でもしのげるようにしました。

輪中(わじゅう)
 輪中は、水屋が家族単位の水防対策(すいぼうたいさく)であるのに対して、地域(ちいき)ぐるみで水害に対処(たいしょ)したものです。たびたびの水害による農作物の被害(ひがい)防止(ぼうし)し、また、地域(ちいき)の生活を守るために、地域全体(ちいきぜんたい)堤防(ていぼう)輪中堤(わじゅうてい))でかこい、周辺が浸水(しんすい)しても堤防内側(ていぼううちがわ)の集落や農地は、浸水(しんすい)をまぬがれたのです。