消えたしゅううん



 太田川の流域(りゅういき)はほとんどが山地であり、本流の谷といえども可部(かべ)までは(せま)急勾配(きゅうこうばい)です。太田川は国内の同規模(どうきぼ)河川(かせん)(くら)べて、平地に(とぼ)しく勾配(こうばい)が大きいので、舟運(しゅううん)のために利用するには多くの制約(せいやく)がありました。しかし、陸路の運送の困難(こんなん)往時(おうじ)にあっては、夏でも()れることのない太田川の(ゆた)かな水流は、内陸地域(ないりくちいき)からの物資輸送(ぶっしゆそう)には欠かせない存在(そんざい)でした。陸路が発達(はったつ)した今日では使われることがなくなりました。