あなぶくろのはじまり


太田川流域図

太田川流域図

 穴袋(あなぶくろ)(広島県山県郡加計町穴袋)の開拓(かいたく)の始まりというのは、そこにある「おちでん」というのがはじめなんだという話です。
 「おちでん」というのは、津浪(つなみ)(加計町津浪)の人が、津浪(つなみ)のそら(山の上の方)の入野山へ上がって、北西方向をみたら、何かこう少し平たく窪地(くぼち)のような所があって、そこの木の色ががわ(近辺)より一際(ひときわ)良かったと。そのころは、その近辺は開拓(かいたく)しているところだったので、木の色が良いところには必ず水があり、何か作物ができるのではないかと思ったそうです。後日そこに来てあれこれ(さが)すうちに、一カ所平たいところがあって、そこにもってきた種をまいて帰りました。
 そして、秋になって、またそれを見に来てみると、みごと(いね)ができていました。これなら、ここは開拓(かいたく)できるだろうということで、その人がそこへ移住(いじゅう)して、開拓(かいたく)を始めたのが穴袋(あなぶくろ)のはじまりだと言われています。