「砂防」の語源
 「砂防(さぼう)」という言葉は古く、江戸時代には「砂防工事」を「土砂溢漏防止(どしゃいつろうぼうし)」と言っていましたが、これを簡単に表現して「砂防」としていたようです。

 土砂災害防止工事は、明治以前にも全国各地で行われていましたが、広島県東部では、江戸時代に普請(ふしん)※した堰堤(えんてい)が現存し立派に機能しています。写真は、「堂々川(どうどうがわ)第6番砂留(すなどめ)」(福山市神辺町西中条 堂々川)です。この砂留は、土砂の流出による下流の被害を防ぐ目的で普請されたものです。

※普請:土木工事のこと。
「砂防」とは
 砂防とは、山の土砂がくずれたり、それが一度にたくさん流れ出すのを防ぎ、土砂災害が起こらないようにすることをいいます。そのために行われるさまざまな仕事を、まとめて砂防と言います。
どうして「砂防」はいるの?
 台風などにより山の斜面が壊れるとそこから土砂が流れ出し、下流域で河川が氾濫したり、家屋が壊れたり、たくさんの人命や財産に被害を与えます。このような災害を防ぐために砂防事業を行っています。
世界に広がる「砂防」
 外国で砂防のことをSABOといいます。日本語がそのまま世界の共通語になっているのです。日本の砂防技術がすぐれていること、日本が海外のいろいろな国で砂防の技術指導をしていること、砂防にあたる適当なことばが外国語にはないこと、などが理由で、1950年ころから、SABOということばが使われるようになりました。
身近でできる砂防
 「土砂災害」への予防は、日々の観察から始まります。詳しくは、『「土砂災害」を防ぐために』の項目をごらんください。