わが国は、四季折々の季節の変化に富み、山や緑、川や海など豊かな自然に恵まれた国です。しかしその一方で、この美しい自然は、時として私たちに災害をもたらす厳しい自然へと姿を変えます。 |
わが国は、国土の約70%が山地で占められており、大変険しい地形となっています。そのため、川は、もろくて崩れやすい岩や土から出来ている山々を深く削りながら、山の上から海までの短い距離を一気に流れ下ります。 |
また、世界全体の1割を超える活火山が分布し、大きな地震にも見舞われるなど、地球全体で見れば大変せまい地域のもかかわらず、大きな自然のエネルギーが集中しています。 |
このような地形や地質などの条件に加えて、梅雨(つゆ)や台風などによりたびたび大雨が降るため、わが国では土砂災害や洪水などの自然災害が発生しやすいのです。 |
さらには、山を背後に抱えたせまい平地が多くの人々の暮らす場となっており、特に都市部では山を切り開いて開発され、がけのすぐそばや谷の出口にまで住宅地が形成されている例が多く見られます。 |
このことも、わが国で土砂災害が多いひとつの大きな要因となっており、土砂災害のおそれのある箇所は増え続けています。 |