ダム湖に水が貯まると、ダムのいちばん下と土台の岩に、下から上に向かって力(揚圧力)が働きます。ダムはこの揚圧力を考えて設計していますが、設計で想定している値をこえると、ダムが浮き上がり崩壊する危険があります。このため、揚圧力を定期的に監視しています。
ゲートは洪水のときや水位を維持するために水を流す重要な施設です。必要なときに稼働しなければダムの機能が発揮できなくなり、苫田ダムの意義がなくなってしまいます。いつでも正常に稼働するよう点検・整備しています。
ゲートの開閉操作や計測設備や制御設備、監視設備をはじめ警報・通報設備など、ダム設備はすべて電気に頼った高度な技術が使われています。ダムの命綱であるこれら電気設備が常に正常に稼働しているかどうかを点検しています。
ダム湖に流れ込んでいる水の水質が悪化すると、下流の広い地域の環境まで影響します。貯水池である奥津湖の水質を調査し、水の安全性を確認しています。
ダムの周辺をみてまわり、危険な箇所があればすぐに対策を検討し対処しています。
奥津湖には大雨や台風によってたくさんの流木などが流れてくるため、放っておくとゲートなどの施設を壊してしまうおそれがあります。定期的に流木を回収して、ダム施設が健全に稼働するようにつとめています。
苫田ダムの警報施設はダムの下流で河川を利用されている方々にダムの情報をお知らせするための設備で、警報局18箇所があります。放流による増水が予想されるときには、警報局からサイレンなどを発してお知らせします。