川のことが少し分かってきたかな?
ここではみんなから多くよせられた質問
(しつもん)にお答えしちゃいましょう!


19 なぜ 山の木を切ると、
魚がとれなくなるって本当なの?

解説 ●木の葉が腐葉土(ふようど)を作る
 秋になると葉を落とす落葉樹(らくようじゅ。ブナやクヌギなど)の、地面に落ちてたまった葉は、微生物(びせいぶつ)のはたらきで分解(ぶんかい)されて、ふかふかした腐葉土(ふようど)になります。腐葉土(ふようど)は、生物の栄養分になるものをたくさんふくんでいて、カブトムシの幼虫(ようちゅう)のえさにもなります。山に降(ふ)った雨水は、腐葉土(ふようど)の中の養分をとかしこみながら地面にしみこみ、地下を通って、わき水になり、川ができていきます。
 ですから、落葉樹(らくようじゅ)がたくさんある山から流れてくる川の水は、栄養分をたくさんふくんでいます。その栄養分をえさにする、川の小さい虫や生き物がふえ、さらに、これらをえさにする魚も、ふえます。ぎゃくに、山の木を切ると、川の栄養分が少なくなり、川で生活する生き物の数も減(へ)って、魚もとれなくなるのです。

●山の木は、洪水(こうずい)も防(ふせ)
 木は、根からたえずたくさんの水を吸(す)い上げ、葉から水分を空気中に出しています。木の根の近くには、ミミズやこん虫の幼虫(ようちゅう)、そのほかのたくさんの生き物が生活しています。これらの生き物のはたらきで、腐葉土(ふようど)からたえず、新しいやわらかい土ができてきます。そのため、大量の雨が降(ふ)っても、木の根が水を吸(す)い上げ、根の近くの土が雨水をつかまえています。そして、少しずつ地下に雨水が吸(す)いこまれ、地下水になります。ところが、植物が生えていないじめん地面や、岩だらけの所に降(ふ)った雨は、地面に吸(す)いこまれることもほとんどなく、そのまま川に土砂(どしゃ)とともに流れこみます。そのため、大雨が降(ふ)るたびに、川の水があふれ、洪水(こうずい)になりがちです。

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