○ 「第29回中国地方ダム等管理フォローアップ委員会」において、「弥栄ダム定期報告書」の審議を行った。 　○ 審議は、「防災操作、利水補給、堆砂、水質、生物、水源地域動態」の6項目について、平成26年度から平成30年度までの期間を主な対象として行った。 各項目に関する審議結果は以下の通りである。 １．「防災操作」 評価期間である平成26年度〜30年度の間に、計5回の洪水が発生し、必要な防災操作を行い、所期の機能を発揮している。今後も気候変動の影響によって、水害の更なる頻発・激甚化が懸念されており、ダムの効果を最大限発揮できるよう、引き続き事前放流や特別防災操作などを含む防災操作を行うとともに、下流河川の整備を進められたい。 ２．「利水補給」 所期の機能を発揮し、受益地に大きな貢献をしている。今後もダム貯水位を適切に管理・運用し、ダム下流域への利水補給を行われたい。 ３．「堆砂」 管理上の問題は生じていない。今後も適切な方法により測量等を継続して実施し、堆砂状況を把握されたい。 ４．「水質」 利水上の影響はないが淡水赤潮が発生している。このため、ダムの管理・運用に必要な水質や底質の調査を継続するとともに、巡視などの日常管理を通じて淡水赤潮の発生など水質状況の把握を継続的に取り組まれたい。 また、水質保全対策については曝気循環装置によるアオコ抑制の効果が発揮されている。今後も施設の効果発現状況や維持管理状況を踏まえて効率的な運用に取り組まれたい。 なお、選択取水設備についても、利水補給の状況を踏まえながらより効果を発揮できるような運用を検討されたい。 ５．「生物」 生物の生息・生育環境に大きな変化は見られていないが、今後も河川水辺の国勢調査等を継続し、生物の生息・生育環境の把握に努められたい。 外来種のオオキンケイギクの駆除対策については効果を上げているため継続されたい。 土砂還元については、ダム下流の河川管理者とも協力しながら河川の物理環境と生物の生息状況を調査し、効果を確認しながら継続的に実施されたい。 ６．「水源地域動態」 弥栄ダムが果たす治水や利水の役割について、ダム下流地域への貢献状況を地域に認知していただくような「ダム管理の見える化」を促進されたい。 また、ダムを活用した様々な地域活性化の取り組みについては、協力体制を維持するとともに、ダム管理者の立場から施設等の安全性について施設管理者へ必要な助言を行われたい。 弥栄ダム定期報告書概要版