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中国地方の活動報告4

団体名:貴和の里につどう会
事業名:廃校・空き家と耕作放棄地を活用した田舎体験プロジェクトによる都市農村交流と人口定住
活動地域:山口県下関市菊川町樅の木・道市・轡井

活動報告
  私たちが活動している樅の木・道市・轡井の3集落は、割と交通の便のいいところですが、人口は145人、高齢化も進み、耕作放棄地も拡大しています。その状況を憂えた定年退職した人を中心に村おこしを目指し、「貴和の里につどう会」をH19に結成しました。「貴和」とは、この地で寺子屋を開き、小学校開設の礎を築いた貴い和尚さんのことで、貴和小学校の名の由来でもあります。
  H19は、山口県の「高齢者参加型コミュニティ創設支援モデル事業」に採択され、アンケート調査、イベントのためのサツマイモ植え付け、竹林整備等を行いました。H20は、「新たな公」モデル事業により、廃校・空き家と耕作放棄地を活用した田舎体験「地域塾」、耕作放棄地の調査等に取組みました。廃校となった貴和小学校を事務所として借り受けましたが、手続きが大変でした。空き家も借り、自分たちの手で改修し、囲炉裏や梁のある昔の農家を再現しました。続くH21は、引き続き「新たな公」モデル事業により、地域塾を継続し、空き家も「貴和の宿」として整備を続けました。和牛を2頭、放牧することでセイタカアワダチソウに覆われていた150アールの耕作放棄地を草地に変えることができました。
  しかし、H22は、受けていた補助事業が全て無くなってしまいました。ここでやめてしまったら、2度と立ち上がれない、踏ん張らねば、と思い、地域塾も回数を縮小し、手作りで続けました。山口県から助成をいただき「貴和の宿」に五右衛門風呂を2基設置し、宿泊所の機能を整えました。さらに、山口県から「中山間地域元気創出支援事業」として、県職員の方をお手伝いのため派遣していただき、バイオ燃料のための菜種植え付け等を手伝っていただきました。
  そして、12月には、貴和の里で育てた白菜、大根を使って、韓国の人々を招いてのキムチづくりの交流行事「きむじゃん交流in貴和の里」を実施しました。宿泊所として機能が整った「貴和の宿」にて、韓国の人々に4泊5日滞在していただき、言葉は通じないながらも一緒にキムチを作って試食をし、歓迎会・交流会・送別会と、熱心で盛大な交流となりました。いずれ私たちも韓国の田舎を訪れて勉強してみたいと思ったものです。
  このように活動を続けていますが、地域の今後は難問山積です。できることから実践し、地域外からの知恵と応援をいただき、まちの人と喜びを共にしていきたいと考えています。
  (補足情報:中国地方整備局)
  貴和の里につどう会様から、2012年間行事予定をご提供いただきました。下記をご覧下さい。
  2012年間行事予定
貴和の里につどう会:発表者

発表者
貴和の里につどう会 吉村利道氏
発表資料

活動報告
質疑応答
質疑
いわゆる自治会機能との関係はどうですか?会として、自治会機能を担うことを視野に入れていますか?
応答
自治会と私たちの会とは別と考えていますが、中身や活動は自治会とほとんど変わりません。
例えば、菜種の間引きは老人会にお願いしています。組織としては別でも、やることや考え方は一緒、ということです。
質疑
地域としての目標、ビジョンはどのように考えていますか?また、後継者はいますか?
応答
最大の目標は、耕作放棄地を減らすこと、そして皆がお互いに絆を築いていくことです。
交流行事でも、最初は住民の方にこちらから声をかけていましたが、最近は住民の方からお手伝いの申し出をいただくようになりました。
後継者については、アンケート調査では、他出している人が「定年退職になったら地元に帰り、活動したい」と言われています。
その人たちが帰ってくるまで私たちも頑張りたいと考えています。
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国土交通省中国地方整備局 建政部 計画・建設産業課