中国地方の道づくりを考える懇談会

第1回懇談会の概要

日時 :
場所 :

平成14年3月29日(金) 15:00〜17:00
合同庁舎2号館8階 中・西会議室

     新たな道路行政の方向性6つのポイント 【「基本政策部会」中村部会長試案(抜粋)】
1. 「量的拡大」重視から、既存のストックの改善と活用を最大限に考慮した「峻別した新規投資と既存施設の有効活用」へ
2. 市街地において「車中心」の施策から、自動車利用抑制、生活道路の復権、沿道環境・地球環境の改善も考慮した「歩行者・自転車など生活者重視」の施策へ
3. 「道路単独主義」から、鉄道等他の公共交通機関との適切な役割分担を考慮した「インターモーダルな総合的交通システム」の構築へ
4. 「全国一律の"均衡ある発展"」から「地域ブロックを主体とした個性ある地域づくり」の支援へ
5. 「事業量確保のための事前評価システム」から「成果を重視する評価システム」へ
6. 環境改善、物流効率化、モビリティの向上等の観点に立って、料金を変えるなどの「弾力的な料金政策の導入」へ

詳細は基本政策部会のページをご覧下さい。

基本政策部会での議論をふまえ、中国地方の有識者の皆様から活発なご議論をいただきました。
     第1回懇談会要旨
 

@

高速ネットワーク整備の考え方
(山陰自動車道の存在意義)
・従来の道路整備は、効率性・採算性を優先する考え方で進められてきており、結果として中国地方、特に山陰地方の道路整備の遅れを招いていると考えられる。外交・国土防衛上、災害時への対応、国民の安全・安命、国富の増進・経済発展などの観点から、山陰自動車道の整備を考える必要がある。
(経済的な視点)
・これまでの道路整備の考え方は、如何に作るのかが中心となっており、コストのかからない道路を効率的につくり、多くの人に利用してもらうといった経営的視点が不足しているのではないか。また、なぜ、その道路が必要なのかを一層明確にし、整備を行っていく必要がある。
(広域連携の必要性)
・山陽だけ、山陰だけの視点ではなく、中国地方全体、さらには四国といった広域(ブロック)の問題として捉えていく必要があるのではないか。
 

A

高速料金の問題
(料金設定)
・高速道路の料金設定は、画一的であり、また、高すぎるのではないか。地域特性(中山間地の積雪や線形等)や時間特性(夜間交通量が少ないこと等)に合わせた設定や、需要価格(デマンドプライス)からの設定など、フレキシブルな設定が必要ではないか。
(無料高速)
・尾道松江線などは有料では採算がとれないのではないか。70km/h程度の無料の高規格な道路として整備すれば、利用者も増加し、整備する意義が高まるのではないか。
(その他)
・高速道路を効率的に使うため、ETCの利用促進(普及)に向けて自動車業界などと連携する必要があるのではないか。
 

B

都市部・市街地の問題
(都市内の幹線道路の交差方式)
・都市部の幹線道路は基本的に平面交差ではなく、立体交差にすべきではないか。短時間で立体交差が可能となるような技術・工法の開発に努力すべきである。
・都市部においては、通過車両をいれない道路網の整備・制限、トラックの排除、立体交差をするなど、市民に相当開放されたものでなければならないのではないか。
 

C

管理の問題・ストックの活用
(どう使うかの視点)
・バイパス整備が完了するまでは高速道路の有料料金を引き下げるなど、道路を効率的に利用するためにダイナミックな施策が必要ではないか。
・既存道路を有効に活用するための工夫について考えていく必要がある。
(管理の一元化)
・国道、県道、市町村道、あるいは国土交通省が整備する道路と農林水産省が整備する道路など、道路管理が必ずしも一元化されていない。これが非効率な道路整備を生んでいる要因ではないか。
(歩く道としての視点)
・高齢化社会の中、歩いてどこでも行ける街が理想である。歩く視点からの道路整備が必要である。
 

D

重点投資・戦略性
(効率性・経済性)
・道路予算は単年度予算ではなく、プロジェクト的に重点投資をすべきではないか。少しずつ整備するよりも一気に整備すれば効果を発揮する道路もある。整備の重点化が必要である。
・採算がとれる道路はPFIで整備し、国は採算のとれない道路を整備するなどドラスティックな方法を考えていかなければならないのではないか。
(優先順位)
・整備優先順位を決定する際、部分的な箇所での議論となると、地域エゴ的な議論になりやすい。優先順位は、小さな地域の中で行うのではなく、中国・四国を含む大きな地域の中で決定して行くべきである。
(市町村合併・道州制)
・補助金制度のシステム化(見直し)が必要であり、少なくとも市町村合併や道州制が進む前に見直すことが必要である。
 

E

特定財源についての議論
(税制改革)
・道路特定財源の一般財源化が議論になっているが、特定財源の枠の中だけで論じるのではなく、税制改革という日本の国税のあり方全体の中で、道路料金の値下げや無料道路の仕組みなどを議論していくべきである。
・受益者負担の考え方からすれば、自転車利用者へも課税が必要ではないか。
 
     「中国地方の道づくりを考える懇談会」委員

平成14年3月29日現在

上田 みどり (うえだ みどり) 広島経済大学 教授
   児嶋 祥吾 (こじま しょうご) 鳥取瓦斯(株) 取締役社長
小嶋 光信 (こじま みつのぶ) 両備バス(株) 代表取締役社長
櫟本 功 (とちもと いさお) 広島市立大学 学長補佐
橋本 宗利 (はしもと むねとし) (株)広島ホームテレビ 取締役社長
丸  磐根 (まる いわね) (株)山陰合同銀行 取締役頭取
村田 秀一 (むらた ひでかず) 山口大学 副学長
○は出席された委員

(以上、敬称略・五十音順)

 

 

 


 

中国地方の道づくりを考える懇談会」トップページへ
社会資本整備審議会道路分科会「基本政策部会」ホームページへ


中国地方整備局 道路部 道路計画課 douro-keikaku@cgr.mlit.go.jp

All Rights Reserved, Copyright (C) 2002, Chugoku Regional Development Bureau, Ministry of Land, Infrastructure and Transport