中国地方の道づくりを考える懇談会

第3回懇談会の概要

日時 :
場所 :

平成14年 5月29日(水) 15:30〜17:30
合同庁舎2号館8階 中・西会議室

     第3回懇談会において各委員から出された主な意見・提案
今後増大する道路施設を管理していくためには、経営的視点や民間活力を導入するなど、より低くコストを抑えていく努力が必要。
国・県・市町村が各々管理するシステムに起因する弊害を解消するために、規模の大きな都市においては管理の一元化が必要。道路管理者と交通管理者(公安委員会)の一体化も必要。
都市部の中心市街地へ大量に流入している通過交通を抑制するため、環状道路等の整備を重点的に進める。また、通勤時間帯の有料道路料金の割引などタイムシェアの考え方を大胆に取り入れていくべき。
中心市街地においては、歩行者優先型のまちづくり・みちづくり(感性重視の道路整備)を進めることが必要。(ヨーロッパのような歩車共存道路の実現に向けて、広島で社会実験を実施してはどうか)
必要な道路をスピーディに整備するため、「公共の目的のための私権の制限」を可能とするシステムの導入が求められる。
 
第3回 懇談会では、「道路の管理・ストックの活用」「都市部・市街地の問題」をテーマとして活発なご議論をいただきました。
     第3回懇談会要旨
 

道路の管理・ストックの活用
・今後増大する道路施設をメンテナンスしていくためには、民間の経営的視点を取り入れ、より低いコストに抑えていく努力が必要である。(空いているスペースを有料駐車場として収益を生み出すなど工夫すべき)

・民間に任せていける部分は、民間の競争原理を導入し、ダイナミックにコストダウンを図っていくことが必要である。また、地域のボランティア組織等に道路の管理を委ねることも必要。(行政、民間、市民が一体となって取り組んでいくべき)

・厳しい財政状況を考えれば、多少の道路補修は我慢して(管理水準を下げて)、必要な道路新設に費用を充てる考え方もあるのではないか。また、国家として最低限必要な基幹ネットワークの整備に要す費用を先取りし、残りの財源をその他の道路整備と維持管理に振り分けていく考え方もあってよいのではないか。

・既存ストックの有効活用の観点からは、生活と経済を支える物流・業務交通は高速道路料金を下げていく考え方は合理的。

・国道、県道、市町村道毎に事業・管理の主体が異なっているために、急ぐべき事業が遅々として進まないケースもある。中核都市以上の都市においては、管理の一元化を図るべき。

・道路管理者と交通管理者(公安委員会)間の仕組みも縦割り的であり一体化が必要。

・直轄国道に代表されるように、道路の使用については規制が多く、手続きも非常に煩雑である。市民への道路空間の解放の視点から規制緩和を図るべきである。

・ITSの活用により、道路管理の高度化・効率化を図っていくことも重要である。
 

都市部・地方部の問題
・日本は高度経済成長期後、サービス産業中心の経済構造に転換した。サービス産業は生産地と消費地が一致しており、社会全体の動きが人の集まりやすい所へ集中する構造に移行することから、核となる都市と周辺地域を結ぶ道路整備が今後益々重要となる。

・市街地中心部に大量に流入してくる流入・通過交通を政策的に減少させていく必要がある。

・広島・岡山など都市の環状道路の整備は、全国的に見てもまだまだ不足している現状にあり、「一定の量的ストックは満たされた」とする中央の認識は容認できない。都市の環状道路の整備に、今後、重点的に取り組む必要がある。

・通勤時間帯に集中する交通に対して有料道路の料金を割引きするなど、道路政策にタイムシェアの考え方をダイナミックに取り入れていくべき。

・費用と早期効果発現の観点からは、ボトルネックとなっている交差点の立体化などを重点的に推進する必要がある。

・都市に流入する通過交通等を抑制したうえで、中心市街地の中の道路は歩行者優先のまちづくり、機能重視から感性重視の道路づくりに転換していくべきである。

・ヨーロッパのような歩車共存道路は、日本の道路整備においても考えていくべきであり、広島などはその実験の適地である。(国の主導的な取り組みが求められる)
 

その他
・生活道路の美装化などの面では相当整備が進んできた感がある反面、基幹ネットワークとして欠かせないはずの山陰自動車道や尾道松江線などの整備がまだまだ遅れている現実に、大きなギャップを感じる。中央においても、日本の国土を有効に活用する視点から広域ネットワークの必要性が議論されるべき。

・従来の合意形成は、市民ではなく利害関係者の合意形成を取って進めるシステムであり、今後は、真に情報を開示し広く市民の意見を聞く仕組づくりが求められる。

・必要な事業をスピーディに実現していくためには、「公共の目的のための私権の制限」が可能となるシステムが構築されるべきである。
 
     「中国地方の道づくりを考える懇談会」委員

平成14年5月29日現在

上田 みどり (うえだ みどり) 広島経済大学 教授
児嶋 祥吾 (こじま しょうご) 鳥取瓦斯(株) 取締役社長
小嶋 光信 (こじま みつのぶ) 両備バス(株) 代表取締役社長
櫟本 功 (とちもと いさお) 広島市立大学 学長補佐
橋本 宗利 (はしもと むねとし) (株)広島ホームテレビ 取締役社長
丸  磐根 (まる いわね) (株)山陰合同銀行 取締役頭取
村田 秀一 (むらた ひでかず) 山口大学 副学長
○は出席された委員

(以上、敬称略・五十音順)

 

 

 


 

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