
平成27年11月26日
今冬の円滑な道路交通の確保に向けた
中国地方整備局の取り組みについて
経緯・概要
中国地方整備局管内では、平成22年12月31日の大雪で、国道9号鳥取県東伯郡琴浦町から大山町において、記録的な大雪により交通が麻痺し、最大約23kmの区間において立ち往生車両が発生しました。
また、最近では平成26年12月5日の大雪で、国道54号島根県飯石郡飯南町上赤名地内においても立ち往生車両が発生し、通行止めと災害対策基本法に基づく区間指定を行い、立ち往生車両の移動措置など行っています。
このような長時間にわたる通行止めを防止するには、冬用タイヤ装着指導等の実施に努めるとともに、過去の立ち往生車両の発生箇所など重点監視に努め、早い段階で道路の通行止めを行い、集中的な除雪を実施することが有効です。
中国地方整備局では、これらの教訓を踏まえ、以下の取組方針を取りまとめました。(H27.11.26 記者発表 今冬の円滑な道路交通の確保に向けた中国地方整備局の取り組みについて)
- 取組方針1. 早期通行止めの実施及び集中除雪による道路交通の確保
- 取組方針2. 除雪・雪害対応の強化
- 取組方針3. 関係機関との連携強化
- 取組方針4. 道路利用者に対する情報提供の充実
この取組方針のもと、関係者が連携・協力し、円滑な交通の確保に取り組んでいきます。
取組方針1. 早期通行止めの実施及び集中除雪による道路交通の確保
①立ち往生車両が発生する恐れのある区間をあらかじめ「通行止め予定区間」に設定し、重点的な監視に努めます。
- 過去の立ち往生車両(スタック車両)の発生箇所やスタック車両の発生する可能性の高い峠部等の勾配の急な区間などについて、あらかじめ「通行止め予定区間」として設定し、周知します。
- 降雪の際には「通行止め予定区間」を重点監視します。
- また、気象状況や道路利用状況を踏まえ、除雪機械を早めに配備していきます。
大雪時通行止め予定区間位置図

※図をクリックすると拡大します。 [PDF: 544KB]
大雪時通行止め予定区間一覧表

②立ち往生車両による通行途絶の恐れのある場合は、早期に通行止めを行い、集中除雪による早期交通開放に努めます。
- 立ち往生車両に伴う長時間にわたる通行不能を防止するためには、立ち往生車両が多数発生する前に、早い段階で通行止め措置を行い、集中的に除雪作業を行うことにより迅速に交通を確保するよう努めることが重要です。
- 「大型車等の立ち往生が発生」もしくは、「大規模な立ち往生の発生の恐れがある場合」には、各県警察と連携のうえ、早い段階で通行止め措置を行い、集中的・効率的な除雪作業を実施することにより、迅速に交通開放するよう努めます。
- 交通開放にあたっては、警察と連携をとり、冬用タイヤ装着規制等の実施により、再度の立ち往生の防止に努めます。
- 緊急車両の通行を確保する必要がある場合には、災害対策基本法に基づき道路の区間を指定し、道路管理者自らが立ち往生車両の移動措置等を迅速に行います。
平成26年12月5日 島根県飯石郡飯南町上赤名での雪害対応写真

除雪作業状況

除雪車による牽引状況
取組方針2. 除雪・雪害対応の強化
①除雪機械等の資機材の強化と適切な配置を行います。
②車両移動等に関する災害時の協定を結び体制を強化しています。
-
立ち往生車両の移動措置を速やかに実施できるよう、JAF及び災害応急対策協定業者と車両移動措置に関する協定を結び体制を強化しました。
- (1)各事務所とJAF各県支部で協定を締結
- (2)各事務所と災害応急対策協定業者で協定を締結


③立ち往生車両の移動訓練等を全事務所で実施します。
- 立ち往生車両等の車両移動訓練、通行止め図上訓練等を実施し、実働能力の向上を図ります。
《訓練の実施状況》
机上での情報伝達、DIG訓練※及び車両移動用機器を利用して移動・牽引する実動訓練を実施しています。年内までに各事務所1回は訓練を実施する予定です。
※DIG訓練:Disaster Imagination Gameの略で災害図上訓練手法の1つ
各事務所の訓練実施状況

※実施時期は変更となる場合があります
~災対法に基づく実働能力の向上に向けた訓練~
【車両移動、車両移動用機械操作訓練】

フォークリフトによる車両移動状況

車両移動用機械設置状況

人力よる車両移動状況

バックホウによる吊り上げ状況
取組方針3. 関係機関との連携強化
- 通行止めを実施する時は、警察や並行する道路管理者等と情報を共有し、通行止め区間やタイミングについて調整を図り、道路の円滑な運用に努めます。
- 冬期道路管理を適切に行っていくため、関係する道路管理者、警察等と冬期道路管理に関する連絡会議を開催し、除雪出動基準や情報連絡先の確認などを行っています。
- 冬期道路管理に関する連絡会議の開催状況は以下のとおりです。
各事務所の開催状況

※開催時期は変更となる場合があります

鳥取県除雪対策協議会 会議状況
取組方針4. 道路利用者に対する情報提供の充実
①冬タイヤ・チェーン等の装備の準備を呼びかけます。
- 冬用タイヤ装着といった雪道支度や不要不急の外出の控え、外出にあたっての気象情報、道路情報の確認について一層の普及啓発を図ります。
- 本格的な降雪期を迎える前の雪が降り始める時期(12月~1月上旬)に冬用タイヤ装着指導を実施して、道路利用者へ冬用タイヤ装着の協力をお願いします。
- 今冬は、各県1~5回、のべ9回の新聞広告を実施します。また、チラシやポスター、道路情報板などを活用するとともに、雪氷出陣式を実施し、周知・啓発活動を実施していきます。
冬装備の呼びかけ 実施例
チラシ

新聞広告

啓発活動

②通行止め状況、ライブカメラ画像の提供などの情報提供を実施します。
- 引続き道路情報板や記者発表、ホームページを活用するとともに、直轄国道を管理している道路事務所において、路面画像の提供、通行止や迂回路等の防災情報を発信します。
- これにより、通行止めや気象の情報を適切に提供していきます。