我が国の道路では、これまで電気や通信事業に使用するための電柱、電線が道路用地内に設置されており、これらが道路、特に歩道の有効幅員を狭めてしまうとともに、都市中心部では、クモの巣状に張り巡らされた電線が都市の景観を悪くしています。また地震などの災害時には、電柱の倒壊による交通
の遮断、供給の停止など防災面で問題が発生します。
こうした状況を受け、国土交通省では、これら架空にある電線類を地中に埋める電線共同溝の事業を進めています。電線共同溝は、道路の地下に電線類を収容する施設で、電気、電話、CATVなどの通
信線など、これまで電柱に添架されていたものの他、今後増大すると思われる新たな通 信事業の光ファイバーや、ITS(アイティエス)に必要な道路管理用ケーブルも収容することができます。
また歩道を美装化し、都市景観の向上も図っていきます。
この他に、電線共同溝の機能に上下水道、ガス高圧管の収容機能を加えた共同溝の整備も行っています。我が国の電線類の地中化は、欧米主要都市と比較してまだまだ立ち遅れているのが現状ですが、こうした電線類の地中化は、平成10年までに主に大規模商業地域を中心に全国で3,400km(広島市では約60km)を実施してきており、今後はさらに対象地域を拡大し、平成15年までに約3,000kmを地中化する予定です。
*1 ITS <アイティエス>
(IntelligentTransportSystems、高度道路交通 システム)
ITSとは、ひと口でいえば自動車と道路交通における情報化を意味します。それは安全で円滑、快適な道路交通 環境を実現する総合的なシステムです。たとえば、ナビゲーションの高度化や道路通 行料金の自動収受、安全運転の支援などを行います。
*2 光ファイバー網
2010年までに光ファイバーの全国整備をめざす政府方針(情報ハイウェイ)に基づき、そうした高度情報通信社会の構築に向けて、情報基盤の収納空間として道路の地下空間を積極的に利用していきます。整備にあたっては、従来からの電線共同溝(C・C・BOX)等に加えて、通信(光)ケーブルのみを収容し、よりコンパクトで低コストの「情報BOX」を新たに導入。道路管理用の光ファイバー網の整備はもちろん民間事業者の光ファイバー網の整備促進のため、都心部・地方部を問わず全国的な光ファイバー網の構築を行っています。