太田川の事業 小瀬川の事業 水質 洪水予報及び水防 電気通信
治水 利水 環境 高瀬堰 祗園・大芝水門 高潮対策事業
[事業紹介]
環 境
太田川(放水路)でのハゼ釣り
太田川(放水路)でのハゼ釣り
 近年、都市化の進展とともに、河川環境に対する需要も一層多様化する中で治水、利水はもとより河川空間が有している水と緑のオープンスペースに対する期待が高まっています。特に市内河川の河川空間が市街地の約20%も占める「水の都ひろしま」のシンボルとして重要な役割をはたしている太田川は、適正な河川環境の管理が重要な課題となっています。
 このような状況に鑑み、太田川の望ましいあり方を探るとともに、河川環境の保全と創造についての指針を示し、適正な管理に資するため昭和62年度に「太田川河川環境管理基本計画(河川空間管理計画)」を策定しました。
 太田川河川事務所では、これに基づいて、親水性、景観を考慮した高水敷や護岸などの整備を関係機関と調整を図りつつ、かつ、地元の方々に親しまれるよう、河川管理上支障のない範囲で積極的に推進していきます。

原爆ドームとリバークルーズ
原爆ドームとリバークルーズ
【「水の都ひろしま」構想】
 広島市は太田川のデルタに発達した都市で、古くは「水の都」と言われ、その水環境を生かしたまちづくりが行われてきましたが、時代や近年の急速な都市化の進展とともにその資質が失われつつあります。
 広島デルタ市街地のまちづくりに関して、太田川の水辺空間を優れた環境資源として魅力的にデザインし、市民生活の中で活用していくことは、21世紀の広島の都市づくりの重要な課題となっています。
 平成2年には、建設省(現 国土交通省)、広島県、広島市が協力して「水の都整備構想」を策定し、これに基づいて環境整備を進めてきましたが、策定から10余年を経過し、名実ともに水の都にしていくために構想の見直しが行われました。
 平成15年1月には、これまでの水辺整備に加えて、水辺の活用や活動を円滑かつ効果的に進めるためのネットワークづくりなど、ソフトな取り組みを重視した「水の都ひろしま」構想が新たに策定され、本構想実現に向けた環境整備を進めていきます。

太田川に遡上するサツキマス
太田川に遡上するサツキマス
【太田川の魚】
 太田川には、文献調査によると77種類の魚種の生息が確認されており、平成7年の現地調査では上流域でアマゴなどが中流域ではオイカワ、カワムツ、ムギツク、コイ、ギンブナ、アブラボテ、ナマズなどが、又下流域ではクロダイ、チチブ、イナダなど計42種類の魚が捕獲されました。さらに近年は、アマゴの降海型であるサツキマスの遡上が魚道調査で確認されています。このほか、ゴギ、オヤニラミ、シマドジョウといった珍しい魚もすんでいます。

親水性に配慮した古川せせらぎ公園(安佐南区川内)
親水性に配慮した古川せせらぎ公園
(安佐南区川内)
【古川の川づくり】
 太田川の支川、古川は広島市安佐南区西原付近で太田川に合流する延長6.1kmの河川です。 古川上流部一帯に設けられた「せせらぎ公園」は、全国でもいち早く整備が進められた河川公園です。 平成2年7月には、古川(対象区間約1.7km)がラブリバー制度の認定を受け、古川せせらぎ公園の美化推進と有効利用を図るため、 広島市とせせらぎ会がホタルの飼育、植樹等を行い、建設省(現 国土交通省)では、これらに対する支援事業として、生態系の保全を考慮した施設整備等を行ってきました。 さらに、平成7年から11年にかけて、第一古川において多自然型川づくりを行いました。
 また、現在、古川の下流では国土交通省、広島市及び市民が一体となった川づくりを行っています。 事業の実施にあたっては、市民団体の協力のもと古川の整備に関するアンケート調査等を行い地元住民の幅広い意見を取り込み、 潤いとゆとりある河川空間整備を実施しています。
[古川の多自然型川づくり]

魚道(アイスハーバー式)が設置された 久日市堰堤(加計町)
魚道(アイスハーバー式)が設置された
久日市堰堤(加計町)
【魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業】
 太田川は、国土交通省が推進する「魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業」の全国で最初のモデル河川の一つとして、平成4年3月に指定されました。
 この事業は全国の河川の中で、地域のシンボルとなっている河川等についてモデル河川として堰、床固等の河川横断工作物周辺の改良、魚道の設置改善、魚道流量の確保等を重点的に行うものです。
 太田川本川には25箇所の堰等がありますが、そのうち18箇所において魚道の設置、あるいは十分に機能していない魚道の改善が必要でした。
 建設省(現 国土交通省)では、学識経験者からなる委員会を設置し助言等を頂き、魚道の設置・改築を行った結果、平成10年度末までにが管理している本川区間(河口から70.8km)全ての魚道が完成し、河口から太田川本川上流端まで「魚がのぼりやすい川」が実現しました。
 その後平成12年5月には、(社)土木学会より地元及び官民が協力し一体となって河川環境の改善・復元に取り組み、効果を発揮した先導的プロジェクトとして、「土木学会環境賞」を受賞しました。
[魚がのぼりやすい川づくり]

流水流下や船舶の運航の支障になるプレジャーボートの係留(旧太田川)
流水流下や船舶の運航の支障になる
プレジャーボートの係留(旧太田川)
【河川利用推進事業】
 太田川の市内派川には、現在、約2,000隻のプレジャーボートが不法係留されており、治水上及び管理上の支障が生じています。このため、平成9年度から太田川放水路下流右岸において、河川マリーナ整備(350隻収容)を推進しています。
[太田川河川マリーナ事業]

【堀川浄化事業】
 広島城のお堀(内堀)の水は、明治時代までは太田川から導水していましたが、その後埋め立てなどにより、閉鎖性水域となりました。そのため水質が悪化し悪臭が立ち、アオコやユスリカの異常発生や、魚が大量に死ぬといったことが、繰り返されるようになりました。そこで、平成元年が広島城築城開始400年に当たることや、平成6年にアジア競技大会が、広島市を中心に行われる事を契機に、昔の広島城のお堀の環境を復元するために、旧太田川から導水することとしました。
 この事業は広島市と共同で実施し、建設省(現 国土交通省)は、平成2年から着手し、平成5年度に完成しました。
中央公園内の掘川導水路
中央公園内の堀川導水路
堀川浄化事業により旧太田川の水が導入された広島城のお堀とその周辺
堀川浄化事業により旧太田川の水が
導入された広島城のお堀とその周辺


基町環境護岸
親水性や景観に配慮した基町環境護岸
(旧太田川 空鞘橋上流左岸)
【基町環境護岸】
 旧太田川(本川)左岸の基町地区は、都市域での水と緑のオープンスペースとして、景観的にも配慮した、 人々に親しまれ憩いの場となるような、治水機能と環境機能との整合がはかられた護岸整備が行われています。
 護岸などのデザインには、曲線を活かし景観的にも柔らかみを持たせ、親水性を高めるため種々のタイプの護岸とし、 階段、水制工などにも工夫を凝らしました。さらに、植樹、張芝、自然石のベンチなどを設けて憩いの場として活用いただけるよう配慮しています。

元安川親水護岸
元安川親水テラスでの灯籠流し
(元安川原爆ドーム対岸)
【元安川親水護岸】
 元安川親水護岸は、原爆ドームと平和記念公園の間を流れる元安川に位置しており、水の都広島のシンボル的な景観を形成している場所でもあります。
 このような周辺景観と整合をはかりながら、階段護岸や水辺に近い位置にテラスを設けるなど、人々が水辺に親しめる護岸整備を行っています。 この地は、平和を願う特別な場所として世界各国から多くの人々が集まり、また、毎年8月6日には多くの人々により「灯籠流し」が行われ、 平和への祈りが捧げられています。
太田川の事業 小瀬川の事業 水質 洪水予報及び水防 電気通信
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