 まず、昨年を振り返っていかがでしたか?
一昨年は、全国的に台風による水害が多く、千代川の流域でも大きな被害を受けた年でした。昨年は、反対に夏場の雨が少なくて、特に四国では深刻な渇水となりました。千代川でも規制が検討されたりもしましたが、千代川流域は人口に対して水が多いこともあり、大きな被害にはなりませんでした。私たちは豊富で、よい水を飲むことができる千代川の流域に住んでいるということを改めて感じました。「飲水思源」という言葉を知っていますか?
インスイシゲンですか?
そうです。中国に古くから伝わる、「水を飲む時、源を思え」ということわざです。私たちが飲む水はどこから来るのか?どんな人たちの、どんな苦労を経て、こうして水を飲むことができるのか?そんなことを思うように、という意味です。普段は当たり前のように蛇口から水が出てくるように思いがちですが、昨年の状況のような時に、ふと水のことを思ってみることが大切だと思います。物質的な満足や便利さばかりではなく、これからはもっと「心」を大事にしていくことが必要ではないでしょうか。
また、近年は地球の温暖化が問題となっていますが、それも便利さばかり求めてエネルギーを消費してきた私たち人間への地球からの警鐘だと思います。便利さばかり求めるのではなく、「変だな」と思ったときに自然に目を向けてみること、そして自然と上手につきあっていくことが、これからは大切だと思います。そうすることで、例えば川は私たちの心も、そして気温も和らげてくれるようになるのではないでしょうか。
2006年は、千代川流域圏会議が10年目となりますね。
そうですね。今年は「地域のみんなが一緒にできる川づくり」をもっと進めていきたいと思っています。そのため、10周年を記念して、また川の文化を再考する機会として「かっぱサミット」を開きたいと思っています。
「かっぱサミット」ですか?
「かっぱ」をテーマに、研究や川づくりの取り組みなどを行っている全国の方々を招いてイベントを実施したいと思っています。正式に決まれば、また皆さんにお伝えしたいと思っています。 |