道路整備による二酸化炭素排出量の削減

花岡拡幅の渋滞緩和で年300トンのCO2削減

 平成17年3月12日に、下松市切山から山田を結ぶ国道2号花岡拡幅のバイパス区間が開通しました。この開通で周南市峠から下松市武末中までの全長7.1キロにわたる花岡拡幅事業が開始から30年で全て完了しました。本事業は渋滞緩和や交通安全対策を目的に1974年度着工し、2車線を4車線(一部6車線)に拡幅する工事を進めてきました。切山−山田間はカーブや急こう配が多いため、現国道の北側にバイパスを新たに整備しました。

 バイパス開通による渋滞解消は地球温暖化防止に貢献しています。渋滞がなくなり交通がスムーズに流れることで燃費が向上し、CO2排出量が低下します。花岡拡幅のバイパス区間の開通により、年301.5トンのCO2排出量が削減されます。これは東京ドーム6個分の森林が1年間に吸収するCO2に匹敵します。

 また、バイパスの開通により、車の流れは大きく変化し、県道と交わる二ノ瀬交差点付近の渋滞が緩和され、騒音も低下しました。また、通勤時など渋滞が発生する時に抜け道として使われていた沿線の久保団地内の交通量が半減し、交通事故の危険性が低くなりました。花岡拡幅全区間の通過時間も10分程度短縮され、交通アクセスが向上し、地域間ネットワークが強化されました。

主要渋滞ポイント「二ノ瀬交差点」の渋滞が解消。

渋滞解消

一般国道2号線花岡拡幅の供用効果(速報値)

運輸部門におけるCO2排出削減に向けた今後の取り組み

 総排出量のうち、運輸部門のCO2排出量は21%で、その約9割が自動車、さらにその過半が乗用車からの排出であることから、運輸部門でのCO2排出量削減のためには、自動車からの排出量削減対策が急務となっている。

 また、目標達成のためには、「交通円滑化対策」や「公共交通との連携」等が必要不可欠であり、これらの施策により1997年(平成9年)以降微減しているこの傾向を定着・加速させることが必要である。

運輸部門におけるCO2排出量の見通し

運輸部門におけるCO2排出量の見通し

自動車排出CO2抑制のための施策体系

自動車排出CO2抑制のための施策体系

地球温暖化防止のための道路政策会議

 目標達成計画の目標達成のためには、その前提条件である道路政策の推進が必要であることから、道路政策によるCO2抑制効果の把握、CO2の抑制のための道路政策の体系化、それに基づいた道路政策の推進のどについて、幅広く総合的に検討することを目的として、平成17年4月に、専門家で校正される「地球温暖化防止のための道路政策会議」(座長:石田東生筑波大学大学院社会工学系教授)を設置した。

 今後、地球温暖化防止に向けて、道路政策による二酸化炭素の抑制効果の把握、二酸化炭素の抑制のための道路政策の体系化、それに基づいた道路政策の推進などについて、幅広く総合的に検討を行い平成17年7月の中間とりまとめを経て、平成17年12月に最終とりまとめを行う。
(「地球温暖化防止のための道路政策会議」http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/ondanka/index.html