水質用語解説
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環境基準

国や地方公共団体が公害防止対策を進めるために、環境の質をどの程度のレベルに維持しておくことが望ましいかという目標値をいう。
環境基本法によって、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音について定めることとされている。
水質汚濁に係る環境基準は平成5 年に改正され、人の健康の保護に関しては23項目・生活環境の保全に関しては、河川5項目・湖沼7項目・海域7項目の基準が定められている。

mg/l

汚染物質の濃度、含有量を示す単位で1mg/Lとは水1L当りに物質を1mg含む場合をいい、百万分の1を示します。

75%値

年間の日間平均値の全データ(n個)を値の小さいものから順に並べ、0.75×n番目のデータ(端数を切り上げ整数番目の値)をいいます。BOD及びCODの環境基準の達成状況の評価はこの75%値で行います。

濁度

水の濁りの程度を表す指標で、精製水1l中に標準物質(カオリンまたはホルマジン)1mgを含む場合と同程度の濁りを1度または1mg/lとします。
濁りの原因は粘土粒子やプランクトンなどの不溶解性微粒子で、濁度はSSとよく似た指標といえます。
しかし、SSが同じであっても粒子の種類や大きさによって濁度は異なるため、両者の間に常に相関関係があるとは限りません。

導電率

電気伝導率、電気伝導度、伝導率などともいう水が電気を通す能力をいい、面積がそれぞれ1cmの2つの電極を相対して沈めたときの溶液の抵抗の逆数で表します。
単位はmS/m(ミリジーメンスパーメートル) です。
水中の電解質(イオンになって溶ける塩類)濃度を一括して推定する指標です。
携帯用導電率計で迅速に測定できるので、地下水や感潮河川における海水の影響(塩水の混合状態など) を推定したりするのに用いられます。
わが国の河川の平均的なEC値は12mS/m、海水では約4500mS/mとされています。

アオコ

淡水の富栄養化したダム湖や湖沼等で、浮遊性の微細な生物の異常発生により水面を緑色に染める現象を一般的にアオコと呼んでいます。代表例としてしばしば優占種となる藍藻類のミクロキイスティスの異常発生があります。
なお、これらの水面を緑色や赤褐色に染める現象を水の華とも呼んでいます。

赤潮

海域で特定のプランクトンが異常発生し水面が赤褐色や横褐色などに変色する現象を呼んでいましたが、最近ではダム湖等の水面が赤褐色や横褐色などに変色する現象(水の華現象)も包括した意味に用いられる場合が多いようです。
なお、ダム湖等でこのような現象を「淡水赤潮」と呼んでいます。

環境ホルモン

正式な学術用語では内分泌かく乱化学物質という。環境ホルモンはその通称名で、一般向けに、よく用いられる。化学構造がホルモンに似ていて生体内に入り込むとホルモン類似作用などを引き起こす化学物質でホルモンバランスを崩し乳ガンや精巣ガン等を引き起こすといわれている。
環境ホルモンは、生殖や発生等生物の生存条件に様々な影響が懸念され現在その影響の整理が進められつつある。
環境庁は内分泌かく乱作用を有すると疑われている化学物質を約70種あげている。

病原性大腸菌O-157

大腸菌は人や家畜の腸内に存在し殆どのものは無害ですが、このうちいくつかのものが人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原性大腸菌といわれている。
この病原性大腸菌のうち出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症群を起こすものを腸管出血性大腸菌と呼んでいます。
O-157はその中の一種で一般的には病原性大腸菌O-157と呼んでいる。なお、正式な学術用語では、腸管出血性大腸菌O-157に統一されました。
感染源は、この菌を保有する家畜や保菌者の糞便中の菌により食品や井戸水等です。

糞便性大腸菌群数
大腸菌群の中には糞便に特異的に存在する大腸菌と、糞便からと元来土壌や水中を生息場所としている三つのグループに大別することができ、これを利用して糞便に特異的に存在する大腸菌(主にE.coli)のみを測定し糞便性大腸菌群数としている。
糞便性大腸菌群数は環境庁の「全国主要水浴場の水質保全対策について」の水質区分の指標のひとつであり、水浴場として「快適」は100個/100以下、「適」は100~1000個/ 、「不適」は1000個/100を超えるものとなっている。


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