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日野川の紹介

自然環境

日野川は、中国山地最高峰である大山の麓を流下する一級河川であり、礫が多く流れの強い直線的な川と言えます。河川の水質は環境基準にほぼ適合しており清浄な川で、近年の5ヶ年間についても水質は安定しており横ばいの状況にあります。

自然植生の特徴としては、おもに上流域から中流域にかけて、頻繁に高水が生じる厳しい環境に適応できるヤナギタデ群落やツルヨシ群落が広く発達しています。また、下流域になると、低水路内の流れは緩くなり土砂が堆積することから、オギ群落やヤナギ等の河畔林が広く発達するほか、高水敷は公園、グラウンドなどとして市民に広く活用されています。

オオサンショウウオ

オオサンショウウオ

コハクチョウ

コハクチョウ

両生類、哺乳類では、カヤネズミなど河川敷を代表する種のほか、ノウサギなどの山林性種も河川敷に現れます。また、上流域では、初夏には渓流の指標種カジカガエルの鳴き声が聞かれるほか、国の特別天然記念物でもあるオオサンショウウオの生息も確認されています。

鳥類では、コハクチョウが流れの緩い開けた場所をねぐらとして利用しています。また、日野川河口には砂州が発達しており、砂地に営巣して、集団で繁殖するコアジサシも見られます。

魚類は、河口付近でサヨリやヒラメ、スズキといった海水魚が生息しているほかカマキリ(アユカケ)、サケ・マス、アユもたくさん海から遡上してきます。中流域ではオヤニラミや、山陰地方ではめずらしいアカヒレタビラといった希少な種も生息しています。さらに上流域ではヤマメなどの冷水に生息する種が見られます。

昆虫類は、河口の砂地に生息するヒョウタンゴミムシをはじめ、中流から上流ではヤナギ林に生息するコムラサキやノコギリクワガタのほか、ゲンジボタルやハグロトンボなどが確認されています。希少種としては下流から中流のイネ科草地に生息するギイチモンジセセリや中流から上流に生息するアオハダトンボなどが確認されています。

日野川水系の河川水辺の国勢調査によると、植物483種、魚介類44種、底生動物約200種、鳥類117種、両生類8種、爬虫類10種、哺乳類16種、昆虫類約2,300種が確認されており、流域の大部分が山間部であることや、平野部の自然豊かな環境を反映して、希少な動植物を含む多くの生物が生息していることがうかがえます。