鉄の歴史村交流推進会議(島根県雲南市吉田町)
中国地方の活動報告2
団体名:鉄の歴史村交流推進会議
事業名:「たたら製鉄」の歴史と交流を活かしたコミュニティ創生事業
活動地域:島根県雲南市吉田町
活動報告
島根県雲南市吉田町は、「たたら製鉄」という古来の製鉄で栄えた地域で、S59から製鉄文化の保存・公開等、「鉄の歴史村」として、歴史に基づくまちづくりを行ってきました。文化面では博物館開設、研究、シンポジウム、出版等に取組み、産業面では農産物加工で卵かけご飯専用醤油というヒット商品を生み、住民活動としても、鉄山師のまちなみづくり、ガイド活動を行っています。
しかし、地域の人口減少はとまらず、町村合併により役場機能が低下していく中、民間団体でも何か公益的な役割を担えないだろうかと思い、H16に「鉄の歴史村交流推進会議」を組織し、H20に「新たな公」モデル事業に取り組みました。モデル事業では、都市住民をターゲットに、地域資源や魅力を発信するテストツアーを実施し、鉄の歴史村交流推進会議として地域の情報をまとめて発信するWEBサイトを開設、またそれらを踏まえた有効なPR方法を検討しました。モデル事業終了後は、得られた知見を踏まえ、地域の受け入れ体制の充実を図るとともに、都市部ニーズの的確な把握のため「鉄の歴史村松江応援団」の結成、「鉄の歴史村」を紹介する新しい芸能の創作や「鉄の歴史美術館」開設等、引き続き地域資源を活かした発信を行っています。今後も、尾道松江線の開通をにらみ、山陰山陽を結んだストーリー性ある地域の魅力を伝えること等に取り組んでいくとともに、「新しい公共」としても発展していきたいと思っています。
こうした活動を通じて、高齢者の方々は、生き甲斐・やり甲斐について、真剣に考えていると実感しました。しかし、やる気はあっても、何をしたらいいのかわからないというところもあるので、今後とも地域に対するサポート活動を続けていきたいと思っています。

発表者
鉄の歴史村交流推進会議
高木朋美氏
発表資料

質疑応答
Q 行政へのプレゼンスに苦労されているのではありませんか?
A 合併により、かつての役場が支所となり、厳しい状況にあるが、支所の皆さんにも、地域でどう活動していったらいいかを一緒に考えていただきたいと思います。
Q テストツアー後、旅行代理店等のツアーへの採用数は増えていますか?
A まだまだ、これからです。「環境をテーマにした鉄の旅」などを切り開いていきたいと思っています。
Q 多くの事業を進めておられますが、役割分担や意思決定が大変では?
A
意思決定は理事会での合議で行っています。
アイディアが出て、その思いを伝えて関係者の方に賛同していただければ実施するし、賛同がなければ無理はしません。どうしても、意識の高い方が一人何役もこなすことになり、その負担も大変なため、担い手を拡大していく必要があると感じています。
問い合わせ
国土交通省中国地方整備局 建政部 計画・建設産業課
TEL:082ー221ー9231