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台風の脅威 今に残る大洪水の記録

昭和9年(1934年)9月21日、室戸台風により旭川、百間川が氾濫し、岡山市内で過去例をみない大洪水が発生しました。
その後河川の改修、ダム建設が進められてはいますが、現在でも降雨によっては同じような水害が起きる可能性もあります。
そのため、現存する昭和9年の洪水の浸水位を記録した標識などを紹介することにより、洪水の危険性を再認識していただき、普段から水害に備えていただきたいと思います。

保存されている水位標識



国土地理院地図に水位標識設置場所を追記して掲載

番号 設置者 場所 東京湾中等潮位上(m) 道路面よりの高さ(m)
1 内務省設置 烏城(岡山城)公園 7.50 2.90
2 内務省設置 中国銀行本店 6.13 1.60
3 内務省設置 NTTクレドビル 4.61 2.30
4 内務省設置 就実学園 4.58 0.60
5 内務省設置 三勲小学校 5.06 1.04
6 内務省設置 後楽園 7.84 1.98
7 私設 朝日高校 - 1.68
8 就実高等学校放送文化部設置 大林寺 - -
9 国土交通省設置 おかやま信用金庫 - 0.60
10 国土交通省設置 山陽新聞社 - 0.60
11 国土交通省設置 天満屋 岡山本店 - 1.50
12 国土交通省設置 中国電力 岡山支社 - 1.60

※個人宅に設置している水位標識は除く

ここでご紹介している水位標識は、昭和9年室戸台風により、市内の各地点でどこまで水に浸かったかを示しています。
これは、もともとは旧内務省等によって設置されましたが、光延英夫・畑野房子両氏により、昭和50年に調査結果がまとめられるまで、長い年月の間に忘れ去られ、その存在までも消されてしまうところでした。
平成16年には就実高等学校放送文化部の皆さんの活動で、新たに水位標識と説明板が設置されました。また、三勲小学校校門と後楽園内白壁塀には既存の水位標識の下に説明板が設置されました。
平成19年には国土交通省岡山河川事務所が、新たに水位標識と説明版を設置しました。

室戸台風(昭和9年)の概要

2階に避難する人々の写真
2階に避難する人々

冠水した道路の写真
冠水した道路

昭和9年9月21日に911.6hpaという猛烈な強さの台風が室戸岬付近に上陸し、淡路島を通って大阪に進みました。
この台風の影響は凄まじく、台風が通過した後に岡山市内は大洪水に見まわれました。

天気図(室戸台風時)

当時の被害

発生年月日 雨量
(2日間)
(mm)
出水量
(m3/秒)
(下牧地点)
死者(人) 流潰家屋(戸) 浸水家屋(戸)
S9.9.21室戸台風 226 ※1 7600 ※2 60 2,929 35,214

※1 雨量は2日間の流域平均雨量
※2 氾濫解析結果からの再現流量

被害の状況

流失直前の今津屋橋と漂流家屋の遭難民の写真
流失直前の今津屋橋と漂流家屋の遭難民

後楽園西門の決潰箇所の写真
後楽園西門の決潰箇所

因備線河井駅・知和駅間の鉄道線路の被害
因備線河井駅・知和駅間の鉄道線路の被害

大洪水による家屋の水没
大洪水による家屋の水没

洪水時の通りの状況
洪水時の通りの状況

小橋の流木。中央に見える白線は旭川濁流
小橋の流木。中央に見える白線は旭川濁流

崩壊する橋
崩壊する橋

増水し荒れる河川
増水し荒れる河川

家屋流失の跡
家屋流失の跡

下之町浸水の状況と工兵隊の活動
下之町浸水の状況と工兵隊の活動

真庭郡川東村の家屋倒壊の状況
真庭郡川東村の家屋倒壊の状況

上房群高梁町の惨状
上房群高梁町の惨状