第5回
百間川分流部周辺有効活用方策検討協議会開催
 平成18年1月12日(木)岡山三光荘において「第5回百間川分流部周辺有効活用方策検討協議会」が開催されました。
 第5回協議会では、百間川築造当時の治水に関する思想等を再確認した上で、一の荒手、二の荒手の保存の可能性を検討する観点からの治水計画案を基にした討議や、今後の進め方などについて協議されました。
 主な意見概要は次のとおりです。協議内容の詳細につきましては、協議録及び資料をごらんください。
※下記の(PDFファイル)をご覧になるためには、Acrobat Readerが必要です。※
●協議の骨子
 ○歴史性を踏まえた整備の方向性について
 ○今後の進め方について
 ○次回協議会について

 ※第5回協議会 議事録
  ○議事要旨     ○詳細議事録
第5回協議会の様子
●主な意見概要
治水に関する基本的な考え方について
・百間川への分流量を確定した上で、分流部の構造が計画されているが、想定以上の洪水に対する旭川側の危険性が心配される。旭川と百間川を含めた治水計画を提示していただきたい。

・本川には中州等があり非常に複雑で、本川の改修は百間川より難しいと考えている。本川がほぼ現状のままで、一の荒手が改修された場合、模型実験の結果が適用できないのではないか。

・治水については、これまで専門家に任せていたことにも問題がある。堤防強化の問題など基本的な部分も含め、専門家だけでなく、各委員の考え方に基づいた討議をお願いしたい。

一の荒手、二の荒手に関する基本的な考え方について

・一の荒手、二の荒手とも治水機能を持っているわけではなく、治水的には邪魔になっているが、今の技術でこの重要な文化財を残して、治水問題をクリアしたい。

・原則として、一の荒手や二の荒手は後世に残していく価値があるとの思いがあり、極力破壊しないよう対策しつつ、本来の治水目的とできるだけ一致するような方法で処理すべきと考えている。

一の荒手、二の荒手の保存の可能性を検討する試案について

・亀の甲の両サイドに、二の荒手の導流堤のようなものを設け、流れを中央にコントロールし、背後は、田原堰のように石による緩やかなスロープとする形はどうか。

・百間川へは、通常1m3/sの維持流量しか流れておらず、環境面からは、わずかな増水でも流入させたい欲求がある。スリット形状や越流部の下に穴を設けることはできないか。

・本来の機能を果たさせる意味では、4案(上流側亀の甲の活用案)の考え方はあるが、これがベストとは思えないので、亀の甲を保存できる最大限の治水対策という点から、もう少し考えるべきだと思う。

・越流堤の高さを少し下げる形や、背割堤の高さと補修強化の仕方も検討する必要がある。背割堤の嵩上げの方法には違和感、不自然さを感じる。

・一の荒手、二の荒手を含めたスケールの大きい環境を最大限に生かした形で、治水としての減勢機能を持たせつつ、洪水流入の自然撹拌により環境を更新するとともに、自然環境をゆったりと楽しめる空間として検討していただきたい。

・二の荒手の保存方法として、例えばサイホンで抜くなど、新しい方法があるのではないか。

今後の進め方について

・治水計画と有効利用との調整については、考え方や検討状況をキャッチボールする進め方をお願いしたい。なお、双方向のやりとりには時間がかかるが、先に討議可能な有効利用の部分は先に進めるなど、温度差をつけたやり方を、是非考えていただきたい。

・アンケート調査については、対象範囲、提示情報等に十分配慮し、再考する必要がある。特に、治水計画と有効利用は密接な関係にあり、ゾーニングも今後の治水計画の見直しの中で変化するため、現在の案を前提とした意見集約になると困る。また、一の荒手等の保存に関する質問も加えて欲しい。

・一の荒手、二の荒手というような論議を繰り返すよりも、できることから手をつけて欲しい。

・今日の議論を踏まえて、実験やシミュレーション等を含めた技術的な検討から保存の可能性を考えていく。同時に、地域の方々に有効活用の方向性を尋ねつつ、次回協議会にて、有効活用の方向性が出せるよう進めていく。
●資料
 1.百間川築造当時における治水に関する思想等について
 2.築造当時における分流部の構造等について
 3.歴史的構造物を保存する視点からの治水計画について
●追加資料
 ○空間配置(ゾーニング)の調整案
 ○地域住民への主な意識調査の項目案
質問・お問い合わせ
 岡山河川事務所 調査設計課
 TEL 086-223-5101 / FAX 086-234-2298
 E-MAIL /info-okakawa@cgr.mlit.go.jp
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