このルートのアカマツ林
を外から眺めてみると...。 尾根筋には、枯れ残ったアカマツ
がくしの歯状に並んでいます。 斜面には、白骨のようなマツの幹が林立して見えます。 斜面下部では、アカマツはすでに見られず、常緑樹林へと遷移が進んでいます。
マツ枯れ
が進んで、アカマツがぽつんとしか残っていない所もあります。 アカマツが枯れても、林内には、まだまだアカマツ林の構成種がたくさん生育しています。
4月前半、日のよくあたる尾根を中心に、山をピンク色に彩るのが、コバノミツバツツジ
です。アカマツ林
を代表するツツジ科の低木です。
白いアジサイのような花は、コガクウツギ
です。5月ごろなら、ルート全体で花を咲かせていることでしょう。
これは、ウリカエデ
というカエデの仲間です。タネについた羽根に注目。風に乗ったタネは、離れた場所に飛んでいくことができます。
4~5月にかけて、白い花を咲かせるミヤマガマズミ
。10月ごろになると、果実も葉も真っ赤に染まります。果実は、焼酎(しょうちゅう)に漬けると、ぶどう色の果実酒ができます。
野生のクリ
です。もちろん、食べられます。
尾根に出ると、明るく、乾燥気味です。 このような立地では、尾根のアカマツ林
を特徴づける樹木を見ることができます。
細長く伸びた樹形のこの木は、ネズ
です。尾根のアカマツ林
の代表選手です。針のような葉が特徴で、ちぎると、すっとしたにおいがします。
ネズ
の姿を見かければ、近くにあるのが、ナツハゼ
。これも、尾根のアカマツ林
の代表選手です。ブルーベリーの仲間で、黒い果実は生で食べても、ジャムにしてもよいでしょう。10月ごろが食べ時です。
この木はシャシャンボ
です。常緑樹で、見た目は地味ですが、ナツハゼ の仲間で、果実は食べることができます。
山道への入り口付近や鉄塔の下、堰堤(えんてい)の近くの林の縁を観察してみましょう。道路脇は時々伐採されて、林の縁は低木林
になっています。そこには、木イチゴの仲間やトゲのある木、かぶれる木など、特徴的な木々がたくさん生えています。
木イチゴの仲間
、ビロードイチゴ
です。枝のトゲに注意して、葉っぱに触れてみてください。フワフワした感触です。
これは、イヌザンショウ
です。葉をちぎって、においをかいで下さい。山椒(さんしょう)のにおいとの違いがわかるでしょうか?
これは、山菜の王者とも言われるタラノキ
です。林の縁にたくさん生えています。春の味覚を味わう時には、木が枯れてしまわないように、全部の芽は採らないで、残しておいて下さい。
ウルシの仲間のヤマウルシ
です。樹液がつくと、かぶれるので、要注意。 枝の先で、葉を放射状に広げるのが特徴です。