千代川流域圏会議通信
千代川ニュース
千代川流域圏会議通信
[2004年5月号 vol.71]
[ページ1][ページ2]
「3年目の植生浄化実験 in 智頭」報告
鳥取大学工学部土木工学科 矢島 啓
 平成13年度からスタートした植生浄化実験も3年目を無事終えることができました。これもひとえに千代川流域に住む多くの人々に支えられたからこそ続いたのだと思います。感謝!ここで、「植生浄化実験って何だったっけ?」という人のために、少し復習しておきましょう。

 実験は、智頭町芦津地区にある奥山形浄化センター(集落排水処理施設)に隣接する休耕田一反を用いて行っています。集落排水処理施設とは、一般家庭からの下水を処理し、きれいな水を放流する施設です。しかし、この放流水は、まだかなりの栄養分(窒素やリンなど)を含んでいます。そのため、川や海が栄養いっぱいすぎる不健康な状態となるのを防ぐため、植物にこの栄養分をすってもらいます。実際の浄化効果には、土壌や植物への吸着・沈殿効果や窒素ガスとなって減る効果も含まれます。
 実験場の様子は、写真のような感じで、キショウブ・ショウブ・カキツバタ・ガマ・ハス・スイレン・ヒメガマの7種類を育てています。ハスは夏にきれいな花をつけました。また、一番背が伸びたヒメガマは、春先に数十cmであったものが、8月には2.5cmにもなりました。このヒメガマは、地元のガマ工芸保存会の資材として品質の良い手織りのムシロになる予定です。
 さて肝心の浄化効果ですが、昨年は冷夏という植物にとっては悪条件の年でしたが、休耕田の出口において、植物が利用できる形態の窒素とリンが除去された割合は昨年度の実験期間の平均でそれぞれ33%と9%と大きな効果を得ることができました。
「千代川をより良くしたい」「流域をもっと元気にしたい」
千代川流域圏会議では平成16年度賛助会員を募集しています
 鳥取県東部を貫流する「千代川」は流域住民の生活を支え、命を育んできました。この千代川の清流を次世代に引き継ぐため、千代川流域圏会議では「清流を守る行動計画」を策定し、数々の活動を実施しています。

 この清流を守る行動計画を実行する際に、多くの流域の皆様に千代川の清流について関心を持っていただくとともに、皆様による行動の参加がありますと、清流を守る行動をより充実させることができます。
 つきましては、当流域圏会議では賛助会員を募集いたしておりますので、趣旨に賛同していただける方は、ご加入いただきますようお願い申し上げます。
千代川流域圏会議 会長 道上 正規

年会費:賛助会員(個人)1,000円 (団体)10,000円

※申込用紙は圏域内にある郵便局に置いてあります。
 
 春まっただ中です。千代川沿いの道路を走っていると、川のきらめきや緑のまぶしさが心をわくわくさせてくれますね。今年のゴールデンウィークは11連休の方もいるとか。もう過ぎてしまってからこれを読んでおられる方は、どんな過ごし方をされたでしょうか。もし千代川で楽しい思い出を作られた方は、お便り下さいね。
 さて、暖かくなってこれから千代川流域圏会議でも様々な催しを予定しています。この千代川newsで紹介しますので、お見逃しないように!

[←前号へ] [↑千代川流域圏会議TOP] [次号へ→]