散気式曝気循環装置
1.湖内の水を循環させます。
 散気式曝気循環装置の散気孔から気泡を出して、この気泡の浮力により周囲の水塊を連行させます。 このとき、下層の冷たい水を上へあげるので表層の水温が下がります。 さらに、この表層の冷たい水が再び周辺の水塊を連行しながら下層へ移動します。この現象が湖内へ伝播していき結果として湖内の水が大きく循環することとなります。
条件 諸元等
装置タイプ 湖底設置式フロートヒンジ方式
曝気敷高
(散気孔
 の位置)
散気孔1:水深10m
散気孔2:水深15m
散気孔3:水深25m
散気孔4:EL.62m(固定)
空気量 700L/min (1基あたり)
基数 4基
位置 ダムサイトから弥栄大橋にほぼ等間隔
散気式曝気循環装置は、フロートヒンジ方式となっています。長所を次に挙げます。
1.水位の上下変動に対して散気孔の位置も追従します。
2.水位低下時にもフロートが湖面に露出するだけで湖面利用の障害となりません。
3.最低水位時にも露出するのは、タワーの一部、フロートのみで装置重量が軽くてすみます。
最下層の散気孔は、盛夏時に表層の水温を効果的に下げたい時や、主放流設備(コンジットゲート)に濁水を誘引したい時に使用します。
2.アオコの発生を抑制します。
 夏季には日射により温められ表層が高温、下層は低温となっており、強い水温成層※が形成されます。 特に表層が高温となるため植物プランクトンが増殖しやすくなり、アオコが発生しやすい状況になります。
 散気式曝気循環装置を運転することにより水を循環させ、植物プランクトンを光合成が起きにくい下層へ移動させ、アオコの発生・増殖を抑制します。
※水温成層;水は高温ほど軽い(密度が低い)性質を持っています。日射で水面が温められ表層水温が高く、
        下層が冷たいといった水温の層が形成されます。これを「水温成層」と呼びます。
散気式曝気循環装置を運転
 なお、春季には下層では水温が低くなっているため下層から揚水すると、湖内の水が一度に冷えすぎてしまうため、水深の浅い散気孔から順次運転します。 また、出水後は下層で濁度が高いので濁度が低い上層の散気孔から順次運転します。
 −アオコとは?ー
アオコ構成種
「Microcystis(藍藻類)」

アオコ回収状況
 湖沼や池では富栄養化が進み、植物プランクトンの大量発生が起こることがあります。 それらが池や湖の表面に浮かび上がり、水面に緑色の粉を浮かべたような、あるいはペンキを流したような状態になることを「アオコ」と呼びます。
 アオコを作る種類の中にはカビ臭を発生するものがあり、レクリエーションの場としての水辺の環境を悪くするばかりでなく、上水道の水源となっている場合に問題を引き起こす可能性があります。