浜田河川国道事務所 - しまねの道づくりみちづくりに関する最近の話題（その３）

　「高速交通網を活用した新たな地域づくりについて」をテーマにした、知事広聴会「みんなで語ろう島根の未来」を4回実施しました。

尾道松江線を産業の起爆剤に　～地域が独自のものを磨いて

　島根県内の高速道路は、計画延長２８３㎞のうち、開通部分は１３３㎞と開通率は４７％。全国平均の６９％に比べ、大きく遅れている。尾道松江線と日本海沿岸を縦断する高速道路の建設は、一地域の課題ではなく国家的課題と捕らえて早期開通に努力している。特に尾道松江線はできるだけ早く３次までつなげることが重要だ。
　高速道路は救急活動や災害時の備えとして必要だし、人、物の交流を活発にし地域活性化につながる。住民の方々も積極的に重要性を訴えてほしい。
　県出身者２万人に「島根に帰って暮らしませんか」と手紙を出したところ、返事をくれた人の圧倒的多数が「帰ったら農業をしたい」と希望していた。耕作放棄された田畑や空き家を都会の人に提供してはどうかとの提案があったが、ぜひ田舎に住み、ものを育てる喜びを味わってもらいたい。
　県としても、島根の歴史や風土、自然など、都会にはない地域資源を活用して「癒しの空間」を提供する「しまね田舎ツーリズム」事業に取り組んでいる。食文化をテーマにした地域おこしの提案もあった。地域ならではのものを磨き上げる必要があると思う。

山陰道開通で地域力向上を　～宍道－出雲間の早期建設要請

　山陰自動車道の供用率は、３４％と非常に低い状況だ。出雲から西につなげていかなければならない。仙山峠が交通の難所となっている。安全・安心な地域づくりのため高速道路がどうしても必要だ。１０月には、道路関係４公団が民営化されたが、宍道－出雲間は、早期整備を図るために来年度以降も新会社に引き続き建設していただきたい。強力な要請活動を展開する考えだ。尾道松江線は、新直轄方式で整備されているが、できるだけ早く３次まで開通させることが必要だ。
　高速道路を中心とした高速交通網の整備は地域振興の要だ。幸い出雲地域は古代からの文化があり、豊かな自然に恵まれて農業も盛んだ。また近代産業も立地しており、バランスのとれた地域といえる。地域の力を結集して臨めば、素晴らしい圏域になる可能性は高い。県としてもそのために支援していく。

銀山活用へ山陰道不可欠　～地域の財産活用に期待

　この地域では石見銀山遺跡の世界遺産登録に向けての取り組みが展開されている。趣ある街並みの大森や北前船の港があった仁摩、温泉津、さらに温泉もある。こうした魅力を売り込んでいこうという地元の意気込みを心強く感じた。登録を前に既に観光客は増えつつある。国内外からさらに多くの人に来てもらえるよう、地元と一緒になって取り組む。
　また県では、地域資源を活用して都市住民に「癒しの空間」を提供することなどを目的に「しまね田舎ツーリズム」を推進している。地域の誇りが高まり、地域が活性化する事業にも積極的に取り組んでいく。
　また、身近な道路、高速道路へのアクセス道の整備を求める声もあったが、高速道路同様にこうした道路の整備にも努力していく。

石見振興の鍵握る山陰道　～早期開通を目指す

　今年度の広聴会は、４地区で開催したが、何れの地域においても、観光や産業振興、また、救急医療体制など日常生活の面からも高速道路への期待が大きく、早期開通の必要性をあらためて強く感じている。
　道路特定財源の見直しが議論されるなど、地方の高速道路をめぐる情勢は厳しさを増しているが、高速道路は重要なネットワークであり、国土政策として国の責任で建設すべきことを訴えていく。県も「自立的に発展できる快適で活力のある島根」を実現するため、最優先で取り組んでいる。
　県内においても、既に開通していた地域は効果が現れてきている。今後整備が進むこの地域の皆さんの、高速交通網を活用した地域づくりに今から取り組もうとの意見に意を強くした。
　都市部に生活する人には、もう道路整備は十分との考えもあるようだが、島根ではまだまだであり、現状と必要性を強く訴えていきたい。