第4回

資料

要旨

発言要旨

出  欠 氏  名
木幡 修介 氏
塩飽 浩一郎 氏
田江 泰彦 氏
野津 登美子 氏
福島 律子 氏
藤岡 大拙 氏
丸 磐根 氏
吉田 薫 氏

※五十音順


如泥石を使って水辺の整理を

山陰中央新報社相談役  木幡 修介 氏

宍道湖の景観を構成する気象の中で3月から10月までの日照時間は松江の方が東京よりは長いということを観光という観点からもアピールしてほしいと考えます。
宍道湖西端の宍道川から新建川までの法面にカラフルな草花を植え、自動車道から入ってくる人にも、空から入ってくるひとにとっても、「憩いのゾーン」としてすてきな造形が必要だと思っています。
鳥ヶ崎の国民宿舎は高いところから宍道湖の広さを感じる場所で、こんなに広いのかと宍道湖のスケールを感じる場所です。無料の足湯でもずらっと造って宍道湖を見下ろすと気持ちいいだろうと考えています。
また、「如泥石」は昔、白潟護岸や嫁が島周辺にたくさん並んでいたましたが、今は殆ど改修で姿を消してしまっています。歴史的にも貴重だが実際に見ることが少なく、水辺の整備で、波止めなどに復活させて、これが如泥石だという説明板もつけて欲しいと思います。


鳥が崎は鳥がきれいに、しかも良くみえる。

ホシザキグリーン財団企画交流課長心得  野津 登美子 氏

宍道湖西岸は、水鳥の個体数は少ないのですが種類は多くいます。昨日、子供たちとマガモのモーニングフライトを見る観察会をしたが、その時、17羽のコハクチョウが北山から日本海側を越えて帰っていく姿を見ました。
宍道湖全体を眺望できる場所は鳥が崎の国民宿舎跡だけだと思います。ここは上から宍道湖の端から端まで全体が見えるため、よくバードウォッチングで使用します。特に、順光で鳥を観察できる為、鳥がきれいに、しかも良くみえるところです。
鳥の分布についての表現ですが、鳥類、水鳥などの表現については、水鳥で統一した方が良いとおもいます。また、「えさ場」ではなく現在は「採食場」という表現が正しいことになっています。


短いフレーズで表現を

島根県立島根女子短期大学名誉教授  藤岡 大拙 氏=座長

宍道湖や大橋川をゾーニングしているは、個々のゾーンの特性を捉えて今後の整備に繋げていくのではないかと思います。
水辺のあり方(案)におけるゾーンのネーミングについて宍道湖の南岸と北岸はどちらも車や電車の車窓から眺めるところだと思うが、南岸については丸委員からの提案のように「歴史と自然の恵みを楽しむ水辺」がよいと思う。
大橋川の下流部の「古の流れを感じる水辺」は付近には中海大橋、団地や倉庫・工場などもあり、潮盾島や手間天神社など、確かに風土記を重視し過ぎかもしれない。「いにしえ」だけでまとめるには無理があるように思います。
また、玉造付近の「旅情を深める趣きある水辺」のように「深める」と「趣き」が2つ並べるとくどくなり、「自然と人がふれあう水辺」のように短いフレーズで表現した方が良いと思います。


宍道湖と大橋川周辺を九つのゾーンに区分するのは妥当

島根県商工会議所連合会会頭  丸 磐根 氏

宍道湖と大橋川を含めこの周辺を九つのゾ-ンに区分することには基本的には賛成です。また、大橋川を上流・中流・下流としているが、今後、改修の議論を進める上でも、大きく3つの範囲に分けて特色を認識することは適切だと考えています。
ゾ-ンのネ-ミングについてですが、大橋川上流部の「歴史を刻む暮らしの水辺」は、観光の目玉である水際の旅館や楽しみの場所、カラコロ広場などから、「歴史を刻む賑わいの水辺」といった方が特色を現しているように思います。
次に、宍道湖南岸の「車窓より自然と人の営みを楽しむ水辺」については、沿線にある来待ストーンは歴史的にも地質学的に意味のある場所であり、また、湖岸は商工業的な利用で道路と水辺の間は殆どないような場所や、一方では砂浜やヨシを楽しめる場所もあります。そこで、歴史という言葉と商業的・工業的、或いは景観的な恵みも含めて、「歴史と自然の恵みを楽しむ水辺」としてはどうでしょうか。


ネーミングは地名と特徴の組み合わせですっきりした表現を

風景研究室代表  吉田 薫 氏

宍道湖の風景は自然と人工の調和が良いと言われていますが、天地人のバランスが良いと思います。その中で、宍道湖の風景にとって気象が大事な要素となると思います。霧の発生は気象台で分かりますが、靄の場合は気象台でも把握していません。
ラフカディオ・ハーンが宍道湖の上を舟で通った時に記述している中に、近くの山は木の形が見えるが通り過ぎると見失ってしまうとあります。これは靄が木の陰を隠す訳ですが、この靄の距離は山陰と瀬戸内海では随分と違うと思います。宍道湖の風景について特徴を求めていくならば、靄を整理すると特性がみえてくるのではないでしょうか。
宍道湖周辺ゾ-ンのネ-ミングについては、例えば瀟湘八景(しょうしょうはっけい※1)のように地名と特徴の組み合わせで、わかりやす、すっきりした表現が良いと思います。