記者発表
お知らせ(平成18年4月28日)

灰塚ダムの本格的な管理に向けて試験運用を開始します
 国土交通省江の川総合開発工事事務所が江の川水系上下川に建設を進めている灰塚ダムは、去る4月7日にダム本体及びそれを支える基礎岩盤並びに貯水池周辺斜面の安全性を確認する試験湛水が終了しました。
 その後、ダム本体工事用に設けられていた堤内仮排水路(高さ2.5m、幅2.0mのトンネル水路)をコンクリートで閉塞する工事が4月27日に完了し、これに伴い閉塞工事のために全閉していた洪水調節用の常用洪水吐きオリフィスゲート1門(全2門)を4月28日に全開します(写真)。
 灰塚ダムの本格的な管理の開始は事業が完了した後、平成19年4月からの予定ですが、ダムとしての水量調節が行える環境が整ったため、4月28日から灰塚ダムの試験運用を開始します。試験運用の主な内容は、次のとおりです。
(1) 洪水調節
   江の川上流部、馬洗川及び上下川沿川の水害を軽減するため、3,800万m3の洪水調節容量を用いて洪水調節を行います(別図1)。
(2) 既得用水の安定化と河川環境の保全(流水の正常な機能の維持)
   970万m3の貯留量のうち875万m3を利用して、江の川上流部、馬洗川及び上下川から取水されている灌漑用水等の既得用水の取水と河川環境保全のために安定した河川流量を確保するようダムから放流します(別図2)。
(3) 水道用水の供給
   970万m3の貯留量のうち95万m3を利用して、三次・庄原両市の新たな水道用水として日量最大5,300m3(※)の取水が可能になるようダムから放流します。
   ※:計画は日量最大15,000m3ですが、両市の水道用水の利用状況に応じて設定。
 また、上記のほか環境用水放流設備を用いて、人工的に河川流量の変動を創出し、ダム下流の河川環境の保全を図るための放流試験も併せて実施する予定です(別図3)。

堤内仮排水路の閉塞工事中
  【別図1】
灰塚ダム貯水池容量配分図
昭和47年7月洪水時の洪水調節図
  ■馬洗川1.2km地点
昭和47年7月洪水時の代表地点での水位低下効果
  【別図2】
■問い合わせ先
 国土交通省中国地方整備局 江の川総合開発工事事務所
  副所長(技術)
やまだ けいいち
山田 啓一
  調査設計課長
しょうじ しゅんすけ
庄司 俊介
  調査設計係長
いりかわ なおゆき
入川 直之
 TEL(0824)72−3301(代表)

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転写等の際にはあらかじめの江の川総合開発工事事務所に御連絡ください。