国土交通省中国地方整備局 広島国道事務所 [to TOP]

平成20年1月25日

ITS公道実証実験in広島 順次スタート
〜産学官連携によるITSの新しい交通支援施策の実証〜


●最先端のITS技術を活用し、ドライバーに適切なタイミングで必要な情報を提供することにより、運転の安全・安心に寄与することを目的としたITS公道実証実験を1月末から順次スタートします。

●まずは1月28日(月)から、一般国道2号・平野橋および新明治橋の付近において、信号待ち車両追突防止支援システム、出合い頭衝突防止支援システム (いずれも仮称)の予備的実験を開始します。また2008年度からは山陽道や一般国道2号・観音高架橋でも公道実証実験を実施する予定です。

●2007年度は、予備的な実験として数台のテスト車を走行させシステムの動作確認や基礎データの収集を行い、これらの成果を踏まえ2008年度は数十台のモニター車を投入し本格的に公道実証実験を行います。

●本実験は、産学官が連携して政府の掲げる「世界一安全な道路交通社会 〜交通事故死者数5,000人以下を達成〜」の実現に向けて進めているもので、「広島地区ITS公道実証実験連絡協議会」および「社団法人UTMS協会」が協力して実施していきます。
各実験は、マツダ株式会社が実験用に開発したITS車載器およびナビゲーションシステムを搭載した車両(別紙2〈PDF 616KB〉)を使用して、社団法人UTMS協会、西日本高速道路株式会社、国土交通省及び広島県警察などが協力して実施するものです。
なお、2月26日から28日の3日間には社団法人UTMS協会主催の試乗会およびイベントがそれぞれ広島市内で開催されます。奮ってご参加下さい。(別紙3〈PDF 32KB〉)



ITS公道実証実験in広島について

2007年度から2008年度の2ヵ年にわたり広島市内の公道で産学官が連携してITS※1による新たな交通支援施策の効果を実証する実験を行います。

【背景】
広島市周辺は以下のような固有の道路交通上の課題を有していますが、全ての課題を道路整備で解消させることは多大な時間と費用が必要となります。
・デルタ地帯で橋梁が多数あり、いわゆる太鼓橋では前方の状況が視認しづらい。
・路面電車と自動車が共存することにより、交通が錯綜している。
・平野部と山地部との距離が短く、気象・路面状況が変化しやすい。

そのため、最先端のITS技術を活用し、ドライバーに適切なタイミングで必要な情報を提供することにより、運転の安全・安心に寄与することを目的とした公道実証実験を行います。なお、本実験は政府の「IT新改革戦略」※2に基づき実施するものであり、広島での公道実証実験は地域性を踏まえた多彩なメニューを有しています。


【実験内容】
以下の実験を順次開始します。なお、詳細は(別紙1〈PDF 948KB〉)をご覧ください。

(1)山陽道1箇所及び国道2号3箇所において、速度超過の注意喚起、渋滞末尾情報の提供、路面電車の接近情報の提供、歩行者・自転車の通行情報の提供、出合い頭衝突防止の警告を行います。警告や情報提供は、ITS車載機※3(新型のカーナビ)を搭載した車両に対して光ビーコン※4やDSRC※5ビーコンから行います。
(2)直轄国道管理区間と高速道路における通行規制情報を集約して携帯電話データ通信(FOMA)により、広島市内を走行するITS車載機(新型のカーナビ)を搭載した車両に対してタイムリーな情報提供を行います。

実験場所 実験メニュー
(名称はいずれも仮称)
整備主体
(1)  山陽道 志和IC〜
 広島東IC間(下り)
 速度注意喚起
 システム
西日本高速道路(株)
(2)  一般国道2号 観音高架橋
 (上り)
 渋滞末尾情報提供
 システム
(社)UTMS協会
(3)  一般国道2合 平野橋(上り)  信号待ち車両追突
 防止支援システム
 一般国道2合
 平野橋東交差点
 右折時衝突
 防止支援システム
(4)  一般国道2号
 新明治橋東詰交差点
 出会い頭衝突
 防止支援システム
 一般国道2号 新明治橋
 (下り)
 信号待ち車両
 追突防止支援システム
(5)  直轄管理区間及び
 高速道路全域
 走行支援情報提供
 システム
国土交通省

なお、今回の取組は、産学官が連携して最先端のITSを活用した公道実証実験を実施するため、計画立案や各種調整を行うことを目的に2006年9月に設立された「広島地区ITS公道実証実験連絡協議会」、および社団法人UTMS協会※6が協力して進めてきたものです。
 各実験は、マツダ株式会社が実験用に開発したITS車載機及びナビゲーションシステムを搭載した車両別紙2(PDF 616KB)を使用して、社団法人UTMS協会、西日本高速道路株式会社、国土交通省及び広島県警察などが協力して実施するものです。


【経緯および今後の予定】

2006年
 9月28日  第1回広島地区ITS公道実証実験連絡協議会
 【主な議事】協議会の設立、取組方針 など
2007年
 3月15日  第2回広島地区ITS公道実証実験連絡協議会
 【主な議事】実験内容の提案・調整 など
 6月8日  報道発表
 12月7日  第3回広島地区ITS公道実証実験連絡協議会
 【主な議事】各実験システムの開発・準備状況の報告 など

また、今後の予定は以下のとおりです。
2008年
 1月28日  国道2号・平野橋および新明治橋の付近にて
 予備的実験を開始
 2月3日  実践的ITSシンポジウム(主催:土木学会)
 2月26日〜28日  試乗会およびイベント(主催:社団法人UTMS協会)
 4月以降  順次、エリアや実験内容を拡大しつつ本格実験へ移行

用語説明
※1 【ITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport Systems)】
最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とを情報でネットワークすることにより、交通事故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システム。

※2 【IT新改革戦略】
2006年1月に内閣のIT戦略本部が決定した2010年までの国のIT(情報技術)戦略で、世界一安全な道路交通社会の実現を目指し、2010年から安全運転支援システムの全国展開を図ることが位置づけられている。

※3 【ITS車載機】
VICS交通情報やETCサービス、安全走行支援などの様々なITSサービスを一つの機器で受信/提供できるようにした車載用通信機+カーナビ装置。

※4 【光ビーコン】
赤外線技術を応用してVICS車載機、ITS車載機との双方向通信を行うことにより、ドライバーに交通情報を提供する装置。

※5 【DSRC(Dedicated Short Range Communication)(専用)狭域通信】
ETCや商用車管理システム等の路車間通信に用いられる無線通信。通信可能な範囲は一般に路側機から数m〜数10mである。

※6 【社会法人UTMS協会(社団法人新交通管理システム協会)】
高度情報通信技術を活用した交通管理システム(以下「新交通管理システム」という)に関する調査、研究及び開発、新交通管理システムに関する国内外における標準化の推進等を行うことにより、新交通管理システムに関する事業の発展を図り、もって道路交通の安全と円滑の確保及び道路交通と環境の調和を図り、公共の福祉の増進に寄与することを目的として設立された社団法人。

※7 【安全運転支援システム】
車両からは直接見えない範囲の交通事象に対処すべく、車両がインフラ機器(路側設備や他車両に搭載された機器や歩行者が携帯する機器も含む)との無線通信等により情報を入手し、必要に応じて運転者に情報提供、注意喚起、警告等を行うシステム。

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広島地区ITS公道実証実験連絡協議会 委員一覧
 
会     長: 広島大学大学院国際協力研究科教授 藤原 章正
委     員: 国土交通省中国地方整備局広島国道事務所長
委     員: 国土交通省中国地方整備局道路部道路計画課長
委     員: 国土交通省中国地方整備局道路部交通対策課長
委     員: 広島県警察本部交通部交通規制課長
委     員: 広島県土木部土木整備局長
委     員: 広島市道路交通局道路部長
委     員: 広島高速道路公社理事
委     員:  西日本高速道路株式会社管理事業本部管理事業部交通グループリーダー
委     員: 西日本高速道路株式会社中国支社管理事業部次長
委     員: マツダ株式会社技術研究所長
委     員: 広島電鉄株式会社電車カンパニープレジデント
オブザーバー: 総務省中国総合通信局無線通信部企画調整課長
オブザーバー: 国土交通省国土技術政策総合研究所高度道路交通システム研究室長


    [全般について]

【問合せ先】「広島地区ITS公道実証実験連絡協議会」事務局
【担当】中国地方整備局 広島国道事務所
    調査設計第一課長 稲井 康弘


TEL (082)281-4131  FAX(082)286-7897
E-mail Address:hirokoku@cgr.mlit.go.jp


[実験場所(2)〜(4)、別紙3について]

【問合せ先】(社)新交通管理システム協会(UTMS協会)
【担当】東京都新宿区谷田町二丁目6番エアマンズビル市ヶ谷7階
    専務理事 瀬戸
 昌正

TEL (03)3235-6520 FAX(03)3235-6522